美容室・サロン開業の流れ

サロン開業にあたって、半年~1年前から準備をスタートします。『どんな流れで準備をしていけばいいの…?』と不安も多いかと思います。

何から手をつけていけば良いのかしっかりと把握した上で準備、計画を立て、自分のイメージするサロンを形にしていきましょう!

事業計画書を作成する

どんなに小さなサロンでもまずやるべきは事業計画書の作成。サロンのゴールを決めずに走り出すことはできません。「どんなサロンをいくらで作り、いくら儲けるのか」を考えましょう。

事業計画書に入れるべきカテゴリー

1. サロンコンセプト・ターゲット

「誰にどんな価値を提供するのか」を考えます。コンセプトが明確になるとサロンの方向性が決まります。立地、内装デザイン、メニューなども決まります。

2. 初期投資計画

作りたいサロンのイメージが固まったら「いくらお金をかけるのか」を検討します。この段階では自己資金などから資金調達の可能性を探り、予算を設定します。

3. 収支シミュレーション

理想のサロンを作っても、儲からなければ意味がありません。具体的に売上目標や利益目標を立てます。同時に、家賃や人件費といった経費についても考えていきます。

4. 目標を達成するための戦略

収支シミュレーションで出した目標を達成するために「客数はどのくらい必要か」「単価はいくらで設定すべきか」「リピート率を上げるにはどんな施策を打つべきか」を情報収集しながら考えます。


事業計画書はテンプレートを使って

事業計画書の書き方は自由ですが、テンプレートを使うと便利です。例えば、日本政策金融公庫での融資を検討している場合には創業計画書というフォームに入力します。
SALONスターターでも事業計画書のテンプレートをダウンロードできます。

パートナーを選ぶ

サロンの開業は一人ではできません。内装・デザイン業者、美容器具メーカー、材料業者など、サロンづくりに参加してくれる仲間を集めましょう。

パートナーとの付き合い方

1. その道のプロから意見を聞く

専門知識を持っている業者に、わからないことや気になることをどんどん相談しましょう。

2. 事業計画書を活用する

サロンのイメージ、予算、目標などを共有するとパートナーは動きやすくなります。事業計画書を使ってコミュニケーションをとっていきましょう。

3. 任せきりにしない

お金を払えばサロンができるわけではありません。様々な意見を聞きながら最終的には自分が意思決定をします。業者と一緒に積極的にサロンづくりに関わっていく姿勢が大事です。


パートナーが決まったら

見積りの依頼

初期投資計画をもとに開業費用を明らかにしていく必要があります。

融資準備

金融機関から借入を行う予定であれば、審査に必要な書類や資料を確認しましょう。業者に依頼するものがあれば事前に伝えておきましょう。

物件を探す

事業計画書で考えた「ありたいサロンのイメージ」から出店場所を決めていきます。実際に物件に足を運んだり、内装業者と現地調査を行ったりして、正しい情報のもとで判断しましょう。

物件選定で大事な3つの視点

1. 面(商圏)

<エリアの特徴>
そのエリアはどんな街なのか。どんな顧客がいるのか。

<需要について>
そのエリアに住み、働いている人はどんな世帯・どんな職種なのか。

<競合について>
そのエリアには同じターゲットを狙っているサロンがどれくらいあるのか。

2. 線(導線)

<施設>
近くにターゲットが集まる施設や住宅街はあるか。

<客層>
店舗前にはどれくらいのターゲットが通るか。

<アクセス>
店舗前の交通量はどれくらいか。

3. 点(物件)

<集客阻害要因>
同じ建物や近隣にターゲットが好まない施設はないか。

<店舗の見つけやすさ>
路面か、空中階か、地下階か。

<間口のガラス張り比率>
サロン内の様子が店外からどれくらい見えるか。


物件選定での注意点

現地調査

自分で内見をするだけでなく、内装業者に現地調査を依頼しましょう。電気・ガス・水道のスペックは美容室の生命線です。スペックが不十分の場合にはコストがかかります。専門家の意見を聞きながら判断しましょう。

申込み

物件を選定したら、すぐに契約するのではなく、まず申込みをします。資金調達ができる前に契約をするのは危険です。不動産業者を通して契約時期を調整していく必要があります。

資金を調達する

業者から見積もりを集めて開業費用を算出します。そして実際に必要なお金を集めていきます。資金調達には様々な方法があるのでメリット・デメリットを理解したうえで選びましょう。

主な資金調達の手段

1. 親族からの支援金

困った時に頼りになるのは親族。資金調達でも親からの支援金は心強いです。特に融資では、自己資金以外に親族からの支援金があったほうが、審査担当者も安心します。

2. 日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は美容室の開業で最もよく利用されています。創業者への貸し出しに力を入れている金融機関だけあって、開業者にとってのメリットがたくさんあります。

1)金利が低い
固定金利で2~3%くらいかかります。若者や女性の起業を応援しており、条件によっては1%台になります。

2)無担保・無保証
創業者を積極的に応援していく金融機関ゆえに、個人の借入れでも保証人、担保を不要にしています。一定の条件を満たせば、誰でも融資のチャンスがあるのです。

3)オープン前に入金
民間の金融機関に比べて、融資の決定・実行が早く、オープン前に借入れが可能です。

3. 制度融資

金融機関・地方自治体・信用保証協会3者が協力して、融資を行う仕組みです。

信用保証協会が保証してくれるので、銀行はお金を貸しやすくなります。自治体が保証協会に保証料を補てん、銀行に利子を補給してくれるので、個人にも低金利で融資を行うことができます。

一方デメリットもあります。3者が絡む審査のため時間がかかります。また、民間金融機関はサロンの営業許可が下りないと融資実行ができないことがあります。

4. ローン・リース

融資は「お金を借りる」ですが、ローン(クレジット)やリースは「代わりに払ってもらう」という資金調達方法になります。

1.ローン(クレジット)
クレジットとは、クレジット会社が利用者に代わって設備や物件の料金を立て替えて支払い、代金をクレジット会社へ後払いするサービスです。

クレジット契約期間が終了すると、所有権は利用者へ移り、利用者の資産となります。金額等を考慮して、支払回数、月々の支払額を決定します。

2.リース
リース会社が利用者に代わって設備や物件を購入し、一定期間賃貸するサービスです。

利用者はリース会社と契約を結び、毎月一定額の料金をリース会社へ支払います。リース契約期間が終了すると、返却または再リース契約を結ぶことになります。

契約期間終了後も所有権が利用者へ移ることはありません。契約期間は対象の物件や設備の耐用年数によって決まります。

5. 店舗リース

店舗自体を作ってもらい、店舗を作るのにかかった費用をリース料をという形で月々支払っていく資金調達方法です。

ビューティガレージが、物件を契約して、内装工事を行い、美容器具・設備を揃えて店舗を作ります。その店舗をオーナーに借して(リースして)、経営してもらいます。オーナーは月々の賃料などを含めてリース料を支払います。

この方法では、サロンを作る費用のほとんどをリースすることになるので、初期投資金額は大幅に減らすことができます。


予想以上にお金がかかりそうならやり直す

初期投資計画で立てた予算を大きくオーバーする場合には、資金調達で無理をせず、前のステップに戻ります。事業計画書を見直したり、物件を探したりして、身の丈にあった資金調達になるように努めましょう。

契約する

資金の見込みが立ったらいよいよサロンづくりを始めます。その前に、パートナーと最終的な確認をしていきます。

サロンづくりに関わる主な契約

1. 融資契約

... 返済金額、利息、据置期間、引き落とし日など。

2. 物件契約

... 入居日、解約の条件、支払期限、支払い方法、原状回復など。

3. 内装契約

... 工事の開始日、支払い日、引き渡し予定日など。

ビジネスでは契約がつきもの

取引が発生するものには基本的に契約がつきものです。他にも、販促物作成会社との契約、材料業者との契約、あるいは一緒に働く人との雇用契約、税理士との顧問契約、様々な契約があります。自分の求めていることと相手の提示条件を丁寧にすり合わせましょう。

計画を実行する

サロンづくりは「店舗」と「営業」に分かれます。店舗が完成したらすぐにオープンができるように同時並行で進めていきましょう。パートナーに依頼すること、自分でやること、役割を明確にして抜け漏れを防ぎましょう。

店舗作り

1. 内装工事

解体工事、仮設工事から始まって、クリーニング、引き渡しまで内装業者が主体で進めます。美容器具や設備の搬入、設置も行ってくれる場合もあります。

2. 美容器具・設備の設置

内装スケジュールに従って購入、搬入の手続きを行います。在庫、納期の確認をして確実に期日に取り付けられるように美容器具メーカーと調整していきます。

3. インフラの整備

電気・ガス・水道はオーナーが直接申込みます。忘れがちなのが電話回線やインターネットの設置。設置までに時間がかかる可能性があるので、早めにとりかかりましょう。

営業準備

営業準備のコツは、お客さまがサロンを見つけてから、予約、来店、施術、支払い、次回予約という一連の流れを想定して必要なものを洗い出すことです。

また、営業中の事故やトラブルに備えて賠償保険への加入も選択肢の一つです。

1. サロンを見つけてもらう

... 販促物・ホームページの作成など

2. 予約してもらう

... 予約システム、ポータルサイトの導入など

3. 来店してもらう

... 雑誌購読、BGMの導入など

4. 施術を受けてもらう

... 材料・商材の仕入れ、備品、消耗品の購入など

5. 料金を支払ってもらう

... レジ設置、キャッシュレス決済の導入など

6. 次回も来てもらう

... カルテ、顧客管理システムの導入など

7. 営業中の事故、トラブルに備える

... 店舗賠償保険への加入など


運転資金を十分に残すこと

オープン時には、現金として運転資金を確保しておく必要があります。事業計画書を確認しながら適切にお金を使っていきましょう。

POINT-理美容業は必須!保健所への届出-

『保健所』への届出、
および確認検査を受けることが必要です!

理美容業はサロンを作ったらすぐに営業することはできません。

サロンの完成後、スムーズにオープンするために、工事開始前に管轄の保健所への事前相談にいきましょう。

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でもここからが本当のスタートです!-
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