サロン開業への想いとは? 病気に打ち勝ち40歳で独立した女性オーナー

公開日:2018/07/13  更新日:2019/09/17
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高溝周子 インタビュー

東京の自由が丘でネイル&医療用ウィッグを扱う美容サロン『Frangipani (フランジパーニ)』を経営する高溝周子(たかみぞ のりこ)オーナーに、これまでの道のりをお伺いしました。

 

開業のきっかけ

美容学校を卒業後、大手美容室に12年ほど勤め、その後、美容学校の教員になりました。当時は空前の美容バブル。学生数も多く、かなり学校も賑わっていた時代でしたね。

 

そんな美容学校も年々学生が減っていき、段々と寂しくなってきました。もうそろそろ自分の今後を考えねば、と一念発起して退職しました。

 

ガンの発見、そして闘病

そんな矢先、婦人科系のガンにかかってしまいました。それも立て続けに2か所も。この当時は体力的にもメンタル的にもボロボロ……。

 

相当まいりましたが、早期発見と手術でなんとか事なきを得ました。

 

高溝周子

 

それからは、心身共に負担が少ない仕事に就こうと、ネット通販の事務に転職をしました。

 

そこには3年ほど勤めていたのですが、自分も好きだったネイルを同僚にしてあげているうちに、「やっぱり、美容の仕事をしたい!」と、美容に対しての気持ちがふつふつと湧いてきたんです!

 

ワンルームマンションの一室で開業

「仲間内に趣味のネイルをしてあげて、食べていけるくらいの稼ぎだったらいいかなぁ」ぐらいの、かるーい気持ちで開業しました。振り返ってみると、怖いですね(笑)。

 

40歳のときに、開業場所は今と同じ自由が丘で、ワンルームマンションの一室でネイルサロンからのスタートでした。

 

当時は競合が少なく、近所の飲食店が人気で、店の前に出していた看板やチラシで集客ができました。そのお客様からの紹介や口コミで、どんどんお客様が増えていったんです。

 

店先の看板ひとつに、チラシは自分で作ったものだったので、広告費は全くかけていませんでした。

 

そんな中、“がん友”からのお誘いを受けて、病院の患者会に参加したところ、「ネイルをやってもらいたい!」との声を多くの方からいただいたんです。これがきっかけで、抗癌剤治療中の方のネイルケアをスタートしました。

 

さらに、もともとは美容師でしたので、ヘアのご要望も多くいただきました。そこで、抗癌剤治療中の方のウィッグカット、地毛のケアもするために、現在のこの場所に拡張移転をしたんです。

 

抗癌剤治療中の人の気持ちがわかる

統計上、2人に1人は“ガン”になってしまう時代。決して他人事ではありません。

 

治療で体は回復に向かっても、抗がん剤の副作用として、脱毛や爪への影響が出てしまいます。欧米と違い日本では、まだまだ病気を隠す傾向が多いのです。

 

周りに知られたくない、変に気を使ってもらいたくないなどの理由で、今までと変わらない外見を維持するためにウィッグが使われます。

 

フランジパーニでは、ウィッグカットだけでなくお客様自身の頭皮ケアや地毛の調整も行っています。副作用で毛は抜けてしまいますが、また生えてきます。

 

でも、生え方がまばらになってしまうので、全体がある程度揃うまでは、地毛の調整が必要になるのです。

 

長さを揃えたり、ボリューム調整したり、カラーリングをしたり、ウィッグを外すまでは地毛を調整させていただいています。

 

新しく生えてくる髪は、細く柔らかいことが多いですし、以前は直毛だったのに縮毛になってしまうケースもあります。白髪が増えてしまう方も多くいらっしゃいます。

 

特に、ウィッグの生え際から地毛が見えてきて、白髪やウィッグの色との違いがわかってしまうので、カラーリングの割合はけっこう高いですね。

 

もちろん頭皮のことを考え、地肌に薬液が付かないよう施術をし、縮毛矯正もしています。

 

高溝周子

 

広告は特になにもしていませんが、ホームページとブログはやっています。特にブログには力を入れています。

 

ブログ経由で、ありがたいことに北は北海道から南は九州まで、日本全国からご相談を頂き、先日もわざわざ福岡からお客様にお越しいただきました。

 

美容室のメニューとして取り入れてもらいたい!

悩みをお持ちのお客様は多くいらっしゃるのですが、それに対応できるサロンが少ないのが現状です。

 

うちに来ていただいている、あるお客様の話です。

 

抗癌剤治療が始まりウィッグが必要になったけど、昔からずっと通っていたサロンにはウィッグの扱いがなかったため、通い続けることができなくなってしまったそうです。

 

でも、そのサロンは家から近いので、担当してもらっていたスタイリストさんにはよく会ってしまい、やっぱり気まずいそうです。

 

「もちろん、ウィッグを扱ってくれていれば通い続けたいんですけどね」とお話しされていました。

 

ウィッグカットは、ちょっとしたテクニックや知識は必要ですが、カットができる方であればある程度の講習で習得できます。技術の習得は、そんなにハードルは高くないと思います。

 

サロンに個室はご用意いただいた方がいいですが、非常にコンパクトにスタートができるので、女性で独立を考えている方にもおすすめしたいです。

 

場所も分かりづらいところや空中階で問題ありません。むしろそのほうが、人目に触れず、お客様が来やすいので良いと思います。

 

以前のマンションでのネイルサロンからこちらに移転するときにした大きな買い物は、シャンプー台、シャンプー椅子、そしてセットイスを1台ずつ購入したくらいです。あ、ビューティガレージさんで(笑)。

 

あとは、ミラーやワゴンもありますが、これもビューティガレージさんで購入しているのでそんなに高くないです(笑)。

 

機材の取り付け以外は特に内装工事もしていません。なので、全部で50万円もかかってないですね。

 

高溝周子

 

人のためにも自分のためにも

よく「ボランティアですか?」と質問されますが、違います。これはプロがきちんとした技術を提供する“ビジネス”です。だからこそ、お客様に安心して来ていただけると思います。

 

きちんと利益は出ていますし、私も生活できています。ただ、お客様の都合を“最優先”にしているので休みはあまり取れませんが、私自身はストレスをまったく感じません。

 

これから開業する人へ

振り返って思うことは、「人生に無駄なことは何一つ無い」ってこと。

 

美容室時代で“美容技術”を覚えたから今があり、美容学校で「プレゼン(授業)」や「資料作成」「イベント企画」等ができたから今があり、ネット通販の仕事では「Webやネットの知識」が身に付き、闘病時代は苦しかったですが、病気をしたことで同じ境遇の方の悩みがわかり、全て今の仕事につながっている。

 

いつかどこかで、点が線になる。だから人生に無駄は無いんです!

 


 

「スーパーJチャンネル」や雑誌「STORY」などさまざまなメディアでも注目されている高溝オーナー。非常にポジティブで、取材をしている私まですごく元気をもらいました!

 

ありがとうございました!

 

【Salon Info】

サロン名:Frangipani(フランジパーニ)

ホームページ:http://nail-frangipani.com/

サロン住所:東京都目黒区自由が丘2-8-5 フレールMORITA202

開業:2009年9月

 

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美容雑誌

frangipani

 

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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