専門店の開業ポイントを解説!専門性を最大の武器に!

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近年、美容室のサービス提供の方法が多様化してきました。

 

1つはお客様を囲い込みが出来るトータルビューティサロンです。

 

ヘア・ネイル・アイラッシュ・エステなど美容に関わるサービスを1つの店舗で施術を受けられるサロン形態です。

 

各担当者がお客様情報を共有し、美容のワンストップサービスを提供しています。

 

そして、もう一つが専門店です。

 

カット専門店から始まり、カラー専門店、ヘッドスパ専門店など、一つのサービスに特化した技術提供を強みにしたサロン形態です。

 

今回は専門店を開業するときのポイントをまとめましたので、最後まで是非ご覧ください。

 

サロンのコンセプト・ターゲットを決めるポイント

コンセプトとターゲットを決めることは、どのサービスでも必要不可欠です。

 

より明確になればなるほど、戦略立てや集客対策も考えやすくなります。

 

今回は大手の会社を例に見ていきましょう。

 

キュービーネットホールディングス株式会社

代表ブランド QB HOUSE

コンセプト「10分のみだしなみ」

ターゲット「忙しいサラリーマン層」

 

駅ナカやショッピングモールで見かけるQB HOUSEです。

 

QB HOUSEが出来た当初は「10分1,000円」のキーワードが話題になりましたよね。

※2023年8月現在のカット料金は1,350円

 

コンセプトやターゲットを絞って考えられており、設定したターゲット通りのお客様が足を運んでいます。

 

仮にコンセプトとターゲットが広すぎてしまうと会社の指針が不明確になり顧客獲得が難しくなります。

 

専門店の開業を考えるにあたり、コンセプトとターゲットは極端に絞り込んで考えていくことが、事業成功への大きなポイントとなります。

 

時間単価を考えるポイント

専門店は一つのサービスに特化させて運営をしていきます。

 

そこで意識しなければいけないのは時間単価です。

 

メニューの金額だけを考えるのではなく、そのメニューを提供する時間を考えていかなければいけません。

 

カット時間10分の場合

カット料金1,500円(時間10分)

1,500円×6名=9,000円(1時間)

9,000円(1時間)×実働8時間=72,000円(1日当たりの売上)

72,000円(一日あたりの売上)×25日稼働=1,800,000円(月の売上)

こちらのサロンでの月の売上MAX値が180万円となります。

 

カット時間15分の場合

カット料金1,500円(時間15分)

1,500円×4名=6,000円(1時間)

6,000円(1時間)×実働8時間=48,000円(1日当たりの売上)

48,000円(一日あたりの売上)×25日稼働=1,200,000円(月の売上)

こちらのサロンでの月の売上MAX値が120万円となります。

 

このようにメニュー価格と1時間で担当できる人数で計算していく方法があります。

 

専門店ではメニュー構成をシンプルにして提供するケースが多いので、今回はあくまで単純計算ですが、主力メニューと提供時間で算出してみてください。

 

ちなみにHOT PEPPER Beauty Academy美容センサスでは以下のデータが発表されています。※専門ではなく通常形態のサロンデータ

 

2023年平均利用データ

 

女性1回あたり利用金額と利用時間

金額7,239円 時間84分

上に同じく実働8時間、25日稼働で計算すると、月の売上1,038,675円

 

男性1回あたり利用金額と利用時間

金額4,658円 時間52分

上に同じく実働8時間、25日稼働で計算すると、月の売上1,071,325円

 

こちらはあくまで平均値の売上計算となります。

 

専門店は1回あたりの利用単価だけを見ると低く感じてしまいますが、客数が見込めると時間単価が高く構成されます。

 

まずは、主力メニューの単価・施術時間を考えて、1時間あたりの単価を計算してみましょう。

 

物件選びのポイント

通常、物件選びは3つのポイントで判断していきます。

 

面(商圏)…エリア特徴、住んでいる世帯や働き手、サロン数など

線(導線)…人通り、交通量、ターゲットが集まる施設、住宅街など

点(物件)…物件の状態、アクセス、路面、空中階など

 

この3つを基準にターゲットが集まる要因があるかを調べていく必要があります。

 

費用面では家賃比率10%程度が収支バランスを考えると適切な数字となります。

 

今回は専門店ならではの、物件選びの判断基準もお伝えします。

 

費用のバランス

専門店は一つのサービスに絞り込み提供していく形態です。

 

ターゲットがふらっとサロンに立ち寄り、短い時間で「カットのみ」「カラーのみ」のサービスを受ける方が多いのではないでしょうか。

 

したがって、通常のサロンでは当たり前の「予約」や「集客サイト」を利用せずに来店しサービス提供を受けます。

 

ここで考えられることは、専門店では予約受付で必要なPOSや集客サイトが不要になります。

 

したがって、月額費用(POS月額利用料)(集客サイト利用料)が不要になるので、その費用が掛からない分、物件費用に充てることも出来ます。

 

駅前や中心エリアは物件費用が高額になりやすいですが、他の費用とのバランスを見ながら考えていくと物件選びの可能性が広がるかもしれません。

 

使用する材料

通常のサロンであれば材料費は10%前後ですが、専門店であれば使用する材料が限られているので更に材料費を抑えることが出来ます。

 

カット専門店の場合

シャンプー無しの施術であれば、材料費はかかりません。

 

カラー専門店の場合

メインはカラー剤とシャンプー剤

決まったカラー剤の色味や明度をまとめて仕入れることにより、1本あたりの価格を下げる業者もあるので事前に相談しておくと良いでしょう。

 

サロンがやらないことを決めるポイント

お客様の回転率を高めるために、サロンがやらないことを決めるのも重要なポイントとなります。

 

来店から退店までいかにロスなく進めていけるかが、導線づくりの重要なポイントです。

 

会計業務

専門店では施術が終わってから、担当者と顧客がレジでお会計をしている場面は見受けられません。

 

会計時間を削る為に、券売機(事前会計)にしているサロンが多く存在します。

 

仮に1日30人接客したとして、1人1分の会計時間にかかると、それだけで30分施術出来る時間をロスしていることになるので、一つ一つの業務を見極めないといけません。

 

セルフドライ

カラー専門店では乾かす作業は基本セルフで行います。

 

乾かす時間はお客様の毛量や長さで大きく異なるので、ここでも回転率を上げるためにはお客様が自ら乾かすことにより、次のお客様の施術が可能となります。

 

カラー専門店の物件選びや内装デザインはセルフドライのスペース確保も考慮しておかなければいけません。

 

まとめ

 

今回は専門店を開業するためのポイントをお話しました。

 

通常のサロンとは異なるポイントがいくつかありますが、専門性を最大限活かしたサロンづくりをしていきましょう。

 

ご自身が考える専門店を作りたい場合のシミュレーションも行いますので、お気軽にご相談ください。

 

 

 

 

●文/コンシェルジュ室:藤平

 

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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