一人美容室で手取りはいくら?独立前に抑えておきたい収入シミュレーション

公開日:2024/09/19  更新日:2024/09/19
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一人 美容室

美容室を独立して自分の店舗を運営することは多くの美容師にとって一つの目標ですが、実際に自分のサロンを持つことの経済的な側面は複雑です。売上から経費を差し引いた実際の収入は、想像以上に変動する可能性があります。したがって計画の段階でどのくらいの収入を得られるかを想定しておくことが大切です。

 

このコラムでは、一人で美容室を開業した場合の収入シミュレーションを通して、どのような経費がかかるのか、そしてそれが手取り収入にどう影響するのかを詳しく解説します。あくまでシミュレーションになりますので、実際の収入を保証するものではありません。

 

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一人美容室の収入シミュレーション: 経費の詳細

 

前提情報(売上100万円)

わかりやすくするために、店販売上を含まず、100万円の売上を作れる美容室と仮定してシミュレーションしてみましょう。

売上: 100万円(店販売上は含まない)

 

経費の内訳と解説

仕入高 (10万円)

美容材料の仕入れにかかる費用です。美容室の売上の約10%が平均的な割合です。

 

家賃 (15万円)

実際はサロンの規模・出店エリアに応じて大きく変動します。今回は10坪のスペースで坪単価1.5万円を想定します。

 

広告宣伝費 (5万円)

新規客獲得のための広告費や予約システムの利用費が含まれます。今回はホットペッパーを利用することを想定しました。

 

水道光熱費 (5万円)

サロンの運営に必要な水道、電気、ガスなど。季節や物価高によって変動する可能性がありますが、売上の約5%を占めます。

 

通信費 (1万円)

電話やインターネットのWi-Fi利用費。デジタル予約や顧客管理に不可欠です。

 

新聞図書費 (1万円)

サロンで顧客に提供する雑誌や、デジタルコンテンツへの投資。顧客の滞在時間を快適にするための費用です。

 

消耗品費 (2万円)

タオルやクロス、手袋などの消耗品。これらは日々の業務で定期的に必要とされる物品です。例えばトイレットペーパーや飲み物用の紙コップ、清掃用品など消耗品は幅広いです。

 

交際費・交通費 (1万円)

業務関連の外出や、取引先との会食など。ビジネス関連の移動に要する費用になります。

 

支払利息 (1.2万円)

借入金の利息支払い。ローン条件により変わりますが、ここでは以下を想定します。年利2.4%で800万円を日本政策金融公庫からの借入れを想定。期間を10年とします。

 

手数料 (3.5万円)

キャッシュレス決済の手数料およびホットペッパー予約経由でのリクルートポイント付与に必要な費用です。キャッシュレス決済の利用率が50%の場合、50万円に手数料3%がかかると1.5万円。またサロンの予約はすべてホットペッパーネット予約であれば、100万円にポイント分2%がかかるので2万円。

 

参考記事:『何にお金がかかるのか?美容室を維持していくために必要な経費とその特徴

 

収益と手取り

ここまでの経費をまとめると以下のようになります。

仕入れ 10万円
家賃 15万円
広告宣伝費 5万円
水道光熱費 5万円
通信費 1万円
新聞図書費 1万円
消耗品費 2万円
交際費・交通費 1万円
支払利息 1.2万円
手数料 3.5万円
経費の合計 44.7万円

 

営業利益(55.3万円)

売上から経費を差し引いた後の金額は55.3万円になります。

 

売上100万円ー経費44.7万円=営業利益55.3万円

 

しかし、実際にオーナーの手元に残るお金は異なります。なぜなら、営業利益から返済や社会保険料といった支払う義務のあるものを支払っていく必要があるからです。

 

現金収支(43.8万円)

今回のケースでは日本政策金融公庫に800万円を借りて、10年間で返す想定です。そうすると月額約8万円返済。社会保険は、国民健康保険と国民年金になります。国民健康保険は収入や地域によってことなりますが、約2~3万円くらいになります。国民年金は16,980円です※。社会保険料トータルで3.5万円ほどになります。

 

※『日本年金機構ホームページ

 

したがって、最終オーナーの手取りは、55.3万円-8万円-3.5万円=43.8万円

 

100万円を売り上げた場合、最終的に43.8万円が手に入るという結果になりました。

 

参考記事:『事業計画書の肝!儲かる収支シミュレーションを書くコツ

 

まとめ

一人でのサロン運営では、限られた売上の中でいかに経費を抑えるかが収入を左右します。もっと大きな収入が欲しい場合には、将来的に人を雇用して売上を伸ばしていくことが不可欠です。

 

もし、将来的にもずっと一人でやっていく場合には、初期投資のリスクをとってでも店舗を持つ必要があるのかを考えましょう。業務委託やシェアサロンなどの選択肢も考慮し、最適な開業方法を選ぶことが重要です。

 

ビューティガレージでは、独立を考える方向けに具体的な相談やサポートを提供していますので、開業無料相談をぜひ利用ください。

 

●文/コンシェルジュ室:安斎

 

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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