融資担当者も注目している「弱点」とその「克服方法」について

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融資審査

先日は、日本政策金融公庫の担当者と共同でセミナーを実施しました。融資審査をする立場の人間として、「開業者のどういった点をみるのか」という話の中で印象に残った話があります。

 

美容室独立・開業セミナー

 

それは、弱点の理解と克服です。要するに、オーナーとして不足している点を把握して、それに対してどう対応していくのかを準備しておきましょうという話です。

 

融資審査では、お金を借りたいがために自分を大きく見せようとする人が多いことを見抜いた発言のように感じました。

 

融資審査では、美容室オーナーとしての資質が問われるわけですから、当然、「できる感」を出したくなります。しかし、金融機関は知っています。完璧なオーナーなど存在しないことを。

 

弱点はあってもよい。ただ、それをどうやって補っていくのかを知りたいのです。

 

先日は「強み」に注目した記事を掲載しましたが、今回は「弱み」について書いてみます。よくある融資面談時に備えておきたい弱点の克服方法についてお話します。

 

管理職の独立開業は有利?不利?融資面談で強みを伝えるポイント

 

見込み客が少ない

 

  • 出店エリアが勤務先から離れている。
  • そもそも指名制ではなく回転重視のサロンだった。
  • アシスタントがおらず、多くの顧客を抱えることが難しかった。

 

こうした事情からオープン時の見込み客が少なくなる可能性があります。このケースでは以下のような対策が有効です。

 

  • 見込み客が多く、売上を作れるスタイリストと一緒に働けること。
  • 家族・地元の友だち、知り合いから、紹介を広げていくこと。
  • 少ない見込み客だけでも、最低限やっていけるように経費をコントロールすること。

 

最近は、見込み客が多い人のほうが融資審査では有利な印象を受けますが、見込み客が少ないのならば、そうした状況でも利益を出せる工夫をしていきましょう。

 

マネジメント経験の不足

オーナーとしての資質を計る上で、重視されるのはサロンのマネジメント経験です。そうした経験がない場合というのもある意味弱点になります。

 

  • 店長になったことがない
  • 業務委託として施術・接客だけに集中していた

 

当然、店長やマネージャーばかりが開業するわけではないので、店舗マネジメントの不足についても対策を打つようにしておきましょう。

 

例えば、あなたが業務委託としてフリーランスで働いている場合には、自分で確定申告を行うわけですので、言ってみれば自分で経営してることになります。

 

あるいは、マネジメントの部分を誰かにお願いするというのも一つの方法です。

 

  • 現勤務先の店長が、税理士や社労士を紹介してくれる。
  • 店長経験者にサロンの運営を任せ、自分はオーナーとして別の仕事を請け負う。

 

など、マネジメントの一部を委託することはどんなオーナーでも実施しています。

 

数字が苦手

これまで一美容師として働いていたわけですので、財務管理など経験がなくて当たり前です。特に管理職経験がない場合は特に、そのあたりが未知数です。

 

自己資金の貯め方や通帳の履歴を見ると、そもそも家計のやりくりも苦手な人はすぐにわかります。

 

「元来細かい作業が苦手で、自分のことも家族任せにしていました」という方も多くいます。

 

もし面談でサロンの財務管理について聞かれたときに、しっかり対応していく必要があります。

 

対策として挙げられるのは、

  • 配偶者を経理として雇用する。
  • 税理士やコンサルと契約する。
  • 勉強して覚える。

 

財務管理はサロンを継続させていくためには不可欠で業務です。丸投げにすることなく、みずからも学ぶ姿勢も必要です。

 

Youtubeやセミナーなど計数管理に関するコンテンツはあふれているので、やる気になれば覚えることができます。

 

対人スキルの課題

意外かもしれませんが、融資面談でも開業サポートでもあまり上手に話せない美容師様もいらっしゃいます。

 

ただし、彼らの名誉ために言いますと、技術力が高く、多くの指名客を抱えています。

 

そうした方は、逆に美容師同士でのやり取りがすごく苦手。あるいは、顧客の得意不得意があり、リピートがつきにくいということがあります。

 

対策としては、自分のそうした内向的な性格をサロンのセールスポイントにつなげることです。

 

例えば、あまり美容師から話しかけられたくない顧客をターゲットにします。

 

「会話なしメニュー」が話題になりましたが「静かに淡々と一流の技術を受けられる」という価値を提供するなど、弱みを強みに変えます。

 

あるいは、リピート対策にはあえて接客を行わず、LINEやDMといったデジタルコミュニケーションを活用することも有効な打ち手になります。

 

まとめ:弱点克服にはツールやパートナーが必要

最も大切なポイントは、弱点は誰にでもあり、それを認識し、克服する方法を考えることが重要であるということです。

 

そして、その過程で必要なのは、適切なツールや信頼できるパートナーを見つけること。

 

これらをうまく活用することで、融資審査を通過するだけでなく、ビジネスの成功への道を切り開くことができるでしょう。

 

●文:コンシェルジュ室/安斎

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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