後回しはダメ! 失客を減らすために顧客管理システムを導入すべきワケ
サロン経営において、新規集客と合わせて大事になってくる“失客対策”。本日は“失客を減らす方法”をテーマに、お話ししていきたいと思います。
最初のステップとしてまず、“失客対策を行うべき対象顧客”をクローズアップしていきます。失客の定義は各サロンによってさまざまかと思いますが、今後対策を行う上でのひとつのアイディアとして参考にしていただければ幸いです。
顧客管理システム(通称:POSレジ)を導入しましょう
冒頭から急に別の話に飛んでしまったと思われるかもしれませんが、私がこれからご案内する失客対策においてはまずこの“顧客管理システム”の導入が肝になってきます。
顧客管理システムを用いてお客様一人ひとりの来店履歴をデータ化していくことにより、効率的かつ正確な対策が打てます。これが無いと一度に大量のデータ処理をすることが難しくなり、少ない情報をたよりに画一的な対策を行わざるを得なくなります。
しかし、“顧客管理システム”と聞くと
「業務の効率化・数値化をするもの……?」
「なんだか難しそう……」
「高そう……」
とネガティブなイメージをする方も多く、
「今は新規集客に力を入れて、落ち着いたタイミングで検討しよう」
と、特に開業時は予算の都合上、導入を見送るケースもあるかと思います。
もちろんこれもひとつの選択肢として正解ではあるのですが、長期でしっかりと失客対策をしていくには、やはり顧客管理システムを導入していただきたいのが本音です。
活用の仕方次第では売上に直結できるツールとなります。そのため、仮に開業時はシステム導入を見送っても、その後なるべく早めに導入をしていただくことを推奨します。
システムの中にも、「分析をウリにしているもの」「操作性をウリにしているもの」「価格をウリにしているもの」などさまざまな種類があります。ご検討の際はぜひ一度ビューティガレージにご相談ください。
来店サイクルを把握しましょう
顧客管理システムの準備が整ったところで、ここからが失客対策へ向けての本番です。実際にシステムを活用してお客様一人ひとりをデータ化していきます。
ここで私が提案する失客対策において、まずデータ化して管理していただきたいのがお客様の“来店サイクル”です。
来店サイクルにもいろいろと定義があるかと思いますが、ここで言う来店サイクルとは、シンプルに“各来店ごとの平均経過日数(1回目から2回目の来店、2回目から3回目の来店までの平均経過日数)”です。
この“来店サイクルの管理”が後に顧客へアプローチを行う上で非常に重要になります。
失客リストを作成しましょう
次に実際にアプローチを行う対象リスト、“失客顧客リスト”を作成します。
開業時にシステム導入していると仮定すると、開業してから約半年ぐらい経過したころが作成の目安かと思います。男性中心でサイクルが短い理容室やメンズ美容室の場合はもう少し早めのタイミングでも構いません。
そして大事なのがリストの抽出方法です。これまで顧客管理システムを導入する必要性にまだピンと来ていない方もいたかと思いますが、ここからの説明でご理解いただけるかと思います。
失客リストと聞くと通常は「最終来店から○日来店のないお客様」というリストをご想像される方も多いかと思います。
しかし、ここでいう失客リストというのは、平均サイクルから計算し、
“次回来店予想日を経過してまだ来店の無い顧客のリスト”
のことです。平均来店サイクルが60日のお客様がその後60日経過しても来店されない場合失客リスト対象となります。
これは、“失客した顧客のリスト”ではなく“失客するかもしれない顧客のリスト”です。
よく、前者を対象にした大幅なお値引やサービスをしたDM・キャンペーンなどを目にしますが、こちらはすでに失客してしまった顧客が対象となりますので、やらないよりやったほうがよい対策ではありますがあまり効果的な対策とはいえないでしょう。
私が本当に目を向けるべきだと思う対象は、後者の“失客するかもしれない顧客”です。
その中でも単価の高いお客様、来店頻度の多いお客様、すなわち顧客ランクの高いお客様には必ず対策を打つようにしていただきたいと思います。
失客顧客への対策・アプローチ
リストの準備が整ったらお客様の次回来店のための対策や来店促進のアプローチを考えていきます。
ここで大事なのが“顧客の属性ごとに対策・アプローチ方法を変える”ということです。システムによっては下記のような属性データをさらにクロスさせてリストを抽出することも可能です。
※このようなシステムは少し値は張りますが、ご検討の場合はぜひご相談ください。
★客単価の高いお客様
★来店回数が多いお客様
★長年通われているお客様
上記は、どの層のお客様もサロンにとっては大事なお客様ですが、お客様がサロンに対して求める内容はそれぞれ大きく異なるのも事実です。
たとえば客単価の高いお客様は美意識も高く、「○○様がより美しくなっていただくために、限定で●●なメニューをご用意しました」というような特別感・VIP感を提供するようなアプローチに心が動きやすいでしょう。
※具体的な実例に関してはまた今後記事にしていきたいと思いますのでそちらもご期待ください
すでにお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、このタイミングでは、本来ありがちな大幅な値引きに頼る必要もなく、他に効果的な策が多く存在します。
“来店サイクルの変動を常に日頃から意識して顧客へアプローチする”。
私も長年いろいろなサロンのデータ分析や集客のお手伝いをしてきましたが、この来店サイクルへの意識の違いで「失客の多いサロン」「少ないサロン」が決まっていると思います。
サロンにとって基本的なことかもしれませんが、開業時は特に新規集客に力が入りがちでこちらの意識が薄くなりやすいので、改めて重要性を再認識していただけますと幸いです。
まとめ
・顧客管理システムを導入して顧客をデータ化しましょう。
・来店サイクルを管理して失客しそうな顧客に対してアプローチしましょう。
・データを活用してお客様の属性に合った対策を考えましょう。
ビューティガレージのサロン集客チームでは、新規集客のみならずさまざまな角度からサロンの繁盛を総合的に支援させていただきます。サロン開業の際はぜひ一度ご相談ください。
●文/サロン集客チーム:木透真悟
ビューティガレージ コンシェルジュ室
日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。
15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。
事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。