サロン経営に迷わないために!目標達成の手段としての事業計画書を考えよう。

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事業計画書作成

私たちは事業計画書の作成のお手伝いをしています。主な目的は融資を獲得するためです。

 

しかし、当然ながら事業計画書はサロンの設定する目標を達成するために作成されます。

 

最近、開業後間もないサロンオーナーさまに個別相談会を開いています。融資を受けずに開業するエステサロンやまつ毛エクステサロンが多いですが、ほとんどの方が事業計画書を作っておりません。

 

どのような事業を行うのであっても「事業の目標を決め、それを達成するために計画を立てる」ことが開業の第一歩です。

 

私達の開業サポートも、事業計画書を立てることからスタートしますが、ややもすると融資を目的にした計画書になりがちです。

 

もう少し「目標と計画」の関係を強調して事業計画書について考えてみたいと思いました。今回はあらためて事業計画書の本質についてお話します。

 

サロンの目的と目標を決める

様々な解釈がありますが、今回は2つの違いを以下のように定義しておきます。

 

目的 … サロンが最終的に達成したいこと。
目標 … その目的を達成するために必要な指標。

 

事業計画書に入れる「開業の動機」や「開業のきっかけ」はいわゆる目的になります。つまり、将来どのようなサロンを作りたいのかを書きます。

 

例えば「この地域で一番の美容室になりたい」というのが目的になります。

 

一方、目標とは何でしょうか。これは、どういう状態になれば「この地域で一番の美容室」となるのかを具体的な指標に落とし込むことです。

 

例えば「年間売上1億円」「地元の顧客数1000人」などです。

 

「エリアで年商1億円になれば、No.1とうたっていいじゃないだろうか」というように目的を達成したかを測る指標になります。

 

「一緒に働く美容師に働きやすい環境を提供したい」はどうでしょうか。

 

この目的を達成できたかを測るためには、例えば「社員が全員週休3日で月間売上300万円」といった指標が作れます。

 

サロンの目指すありたい姿を掲げ、それを数字にすることが重要です。事業計画書は目的を言語化し、目標を数値化するのです。

 

まず収支計画からとりかかる

事業を作ってもすぐ潰れてしまわないように、当面の目標は最低限の利益確保になります。

 

オープンしたサロンがすぐに理想の姿にたどり着くことはあり得ませんので、オープン後1年でどの程度までたどり着けるかを考えて、事業計画を立てましょう。

 

私たちの開業サポートでも、まずはサロンが安定するのに最低限の利益目標を立てることにしています。

 

ただし、サロンの理想の姿がどんなものであっても、最終的に指標に落とし込むのはやはり売上、利益、客数など、収支計画に収まっていきます。

 

長期的な目標(3年後):売上3000万円/年
初年度の目標:売上900万円/年

 

目の前の目標=最低限の利益が確保されている状態長期的な目標=オーナーの理想の状態、ととらえて計画してみてください。

 

達成方法を考える

そして、収支計画で立てた売上目標を達成するための手段を考えるのが、次のステップです。

 

目標を達成するためには、自身のこれまでのキャリアや自分の強み・長所に焦点を当てます。

 

つまり、職務経歴や現サロンでの売上実績などから、自分の得意なことを洗い出します。そこから、メニューや価格、サロンのコンセプト、ターゲットなどを決めていきます。

 

目標売上を月300万円と設定したら、どうやって目標までたどり着くかを考えます。そのためには、もう少し目標を分解する必要があります。

 

売上=客数×客単価と表せますので、

 

客数:300人
単価:10,000円

 

という小目標を設定してみましょう。

 

単価を10,000円にするためには、メニュー価格をどうするか、ターゲット客を誰に定めるか、どんな組み合わせを作ればいいか、などを考えていきます。

 

例)
単価を10,000円にするために、カット価格を6,000円、カラー価格7,000円に設定。

 

単品は高いが、セットで安くして組み合わせメニューを利用してもらおう。

カット&カラーで11,000円を訴求しよう。

 

自分のこれまでの経験から、美意識が高い30代前半の働く女性をターゲットに絞って、大人女性あこがれのデザインを訴求していこう。

 

 

次に客数目標について考えます。「新規客を増やすためはどうするか」「リピート率を高めるためにはどうするか」について施策案を出していきます。

 

例)
新規客対策として、

インスタグラムで大人女性デザインをひたすらUPしよう。

ホットペッパーではバリュープランで掲載しカラーや大人女性のキーワードで打ち出そう。

見込み客に口コミを書いてもらったり、紹介キャンペーンをしたりしよう。

 

リピート対策として、

次回予約の案内を徹底しよう。

電子カルテで顧客情報を管理し、よいタイミングでよい案内を行っていこう。

 

このように、目標を客数と単価にわけてそれぞれの数字を達成するための具体的な方法を作っていくのが理想です。

 

達成するためのリソースを選定する

目的から目標を設定し、その目標を達成する手段を、自分の経験や指名客から導き出しました。

 

最後に、その施策を実施するためのリソースの確保になります。

 

リソースとはなんでしょうか。それはサロンが持つ資産、いわゆるヒト、モノ、カネ、情報です。

 

オーナーは、手持ちのリソースをうまく活用して、施策を実行し目標を達成するシナリオを描くのです。

 

ヒト

目標を達成するために手伝ってくれるスタイリストを確保できるか。
口コミを書いてくれるような自分の指名客に来てもらえるか。

 

モノ

大人女性に気に入ってもらえるような、上質感の漂う内装デザインを作れるか。
リラックスしてもらえるフルフラットシャンプーを準備できるか。

 

カネ

必要なモノ・人材を集めるだけの設備資金は調達できるか。
目標を達成するまでに施策を続ける資金、あるいはサロンを運営していくための運転資金は確保できるか。

 

情報

出店エリアの人口動態がわかる資料を手に入れられるか。
同エリアで同じようなサロンはないのか。

 

大事なのは、今自分がどんなリソースを持っているのかを棚卸しすることです。

 

開業者はこのリソースが全てそろっていることはありません。このリソースを確保することが、経営者の初期の大仕事なのです。

 

リソースを確保する

目的と目標の設定、目標を達成する施策の決定、それを実行するために必要なリソースまではわかりました。

 

あとは不足しているリソースを確保する段階です。手元にないリソースは、外部から調達してくることになります。どこからどのように調達するかを考えましょう。

その一つとして、金融機関からの融資という発想があるわけです。必要なカネを日本政策金融公庫から調達する。

 

あるいは、集客ツールやシステムなど、自分では作れないツールに関しても専門の事業者に依頼するのです。

 

つまるところサロン経営とは、サロンの掲げる目標を達成するために、ヒト、モノ、カネ、情報を使ってやりくりすることなのです。

 

まとめ:目標・達成手段を事業計画書に落とし込む

事業計画書について、目標達成という切り口から考えてきました。

 

まず、開業して達成したいサロンのありたい姿にたどり着くために、その指標となる目標を数字に具体的に落とし込みます。

 

その数字を小さな目標に分解し、それを達成するための手段を、これまでの経験や情報から考え出します。

 

そして、施策を実行するために必要なリソースを考え、手元にリソースがなければ、外部から調達してきます。

 

こうしたステップで事業計画書をつくると、計画書全体につながりが出てきます。

 

自分は将来こうしたサロンを目指して開業したい。

その時の売上目標は〇〇。そのためにまずは売上●●円を目指す。

その売上を達成するためには、多様な施策が必要である。

その施策を行うためには、このようなヒト、カネ、モノ、情報が必要である。

それぞれのリソースをこうやって調達していく。

 

事業計画書をストーリーっぽく書くとこんな流れになります。

 

ぜひ、目標設定と達成手段を意識して事業計画書作成に取り組んでみてください。

 

 

●文/コンシェルジュ室:安斎

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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