ターゲットが「サロンに行きたい」と思う状況は?実践ペルソナマーケティング

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ペルソナ 美容室

事業計画書を作成するとき、ターゲットの設定を行います。

 

ターゲットを考えるうえで、一つの手段として用いられるのが「ペルソナマーケティング」です。

 

ペルソナマーケティングでは、年齢・性別・家族・職業・年収などの属性や、趣味やライフスタイルまで、ターゲットに相応しい人物(ペルソナ)を作り上げます。

 

その架空の人物が美容室に求めるニーズや、美容に関する悩みなどを仮説立てして、サロンの営業戦略に役立てます。

 

4つのWを意識する

ペルソナマーケティングを行うためには、単に架空の人物を作るだけではいけません。

 

そのペルソナがどういう状況で「サロンへ行きたい」と思うのかまで考えないと、ターゲットに提供できるサロンの価値につなげられないからです。

 

ペルソナをうまく作るには、4つのWを意識します。つまりwho(誰),when(いつ),where(どこ),what(なに)です。

 

空欄

 

【誰】ペルソナを設定する

自分の同年代の人、あるいは自分の指名客でもっとも得意な客層など、ある程度来てほしい人がわかっていると、すぐに頭に浮かびます。

 

冒頭でも述べたように、ペルソナはできるだけ詳細に設定していくことが大切です。

 

程度は人それぞれですが、オーナー自身がイメージできるレベルまでは落とし込みたいところです。

 

 33歳女性 主婦(子ども2人、夫・年収600万円、マンション購入したばかり)

 27歳女性 OL(新宿で働く。年収は500万円前後、一人暮らし) 

 56歳女性 パート(夫は管理職で世帯年収800万円。子どもも高校生になり、週3で学習塾の事務を始めた)

 

【いつ・どこ】時間と場所を意識する

同じ属性のターゲットでも時間や場所によって、活動が異なります。

 

例えば、子供が幼稚園に行っている時間帯と子供が家にいる時間帯では忙しさも違います。

 

時間と場所はいくつもパターンを作るとそれだけ多様なニーズや悩みが想起できます。

 

いつ

午前中(子供を幼稚園に送った後、家に帰ってきて)

朝(寝坊して時間ぎりぎりの出勤前)

夜(子どもを寝かしつけしている時)

 

どこ

スポーツジムのロッカー

ママ友とのカフェ

彼氏と高級レストラン

取引先の会議室

 

【なに】きっかけを考える

ペルソナが、どんな時、どの場所で何があったのかがすべてセットになると、サロンに行くきっかけが見えてきます。

 

ここが非常に重要です。一番想像力が必要になります。

 

自分や自分の家族、あるいはお客さまの話を聞いていると、「美容室に行かなきゃ」と思うきっかけになりそうなことは思い出せます。

 

まったく思い浮かばない場合には、時間や場所を変えてみましょう。

 

寝かしつけしたら、一緒に寝てしまってシャワーを浴びれなかった。

ママ友とカフェでおしゃべりしてたら、白髪を指摘された。

朝髪の毛をセットしたが、うまくまとまらず遅刻しそうになった。

 

提供価値を考える

「想定したターゲットがどんな状況で、サロンを意識するのか。その時に、自分のサロンが選ばれるには何が必要か」

 

最後にこれを考えていきます。実際に事業計画書で作った例で見ていきましょう。

 

誰:

37歳女性 主婦 夫・子ども(5歳、3歳)と4人暮らし。世帯年収600万円。

最近マンションを購入したばかり。

 

いつ:

夕方から夜にかけて

 

どこ:

自宅のマンションで、

 

なに:

子供のご飯、片付け、お風呂、寝かしつけに追われて、結局子供と一緒に寝てしまった。シャワーを浴びる時間をのがしてしまった。

 

 

上記の状況から、「子供のせいで、自分で髪さえ洗えない。お手入れもできないという悩みがある」と仮説を立てることができます。

 

それに対してサロン側はどんなサービスを提供できるでしょうか。

 

例えば「子連れOK、家事育児の合間に完全プライベート空間で至極のサロンタイム」のような打ち出しが出せそうです。

 

そのために、以下のような具体的なサービスを訴求していきます。

 

個室になっているシャンプーブース

キッズスペース

シャンプー・ブローだけの利用もOK

極上のヘッドスパ

 

ペルソナを設定して、その人物の状況からニーズや悩みの仮説を立てて、その打ち手としてサービスを考える。

 

そうすることでターゲットが絞られ、同じような境遇にあっているお客さまが「自分にぴったりの美容室だ」とサロンを発見するようになります。

 

ターゲットのニーズや悩みを想像しよう

ターゲットを絞るということは、そのターゲットにだけメッセージが届けばよい、という考え方です。

 

したがって、そのターゲットがどんな悩みを抱えていて、どういうきっかけで美容室を探すのかを理解しなければなりません。

 

ニーズや悩みの仮説を立てて、訴求していくためにはペルソナマーケティングは有効な手段の一つです。

 

単に属性だけでターゲットを設定するよりも、その人が、いつ、どこ、どんな状況にいるのかを詳細に詰めていくほうが、ニーズや悩みをはっきりと浮き上がらせることができます。

 

ターゲット選定に悩まれている人は、ぜひ試してみてください。

 

 

●文/コンシェルジュ室:安斎

 

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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