基準ってあるの？サロンの価格設定ポイント

事業計画を考える中で、メニューの料金設定を決めるのは重要なポイントです。

一度、料金が決まると変更するのは容易ではありません。

集客サイトを利用したプライスダウンは簡単に出来ますが、値上げに踏み切るときに「なぜ料金が上がるのか」きちんとした理由が無ければ料金を上げることは出来ません。

収益だけではなく新規集客やリピート率にも関わる細切な部分となりますので、サロン全体を考慮して決定する必要があります。

今回は様々な価格設定ポイントをお伝えします。

参考記事：事業計画書の書き方

開業時の料金設定の基準

事業計画で実際に料金設定を考える場面で最も多いのが、前職場の料金設定をそのまま利用する方です。

現在、指名を頂いているお客様を基準に考えると、料金据え置きが失客のリスクを下げられるかもしれません。

しかし、一度考えなければいけないのは、前職場と開業サロンが【同じ環境ではない】ということです。

ハード面…美容器具、環境、物件設備など

ソフト面…人材など

経営面…賃料、材料費、販管費、人件費など

このように、お客様に関わる全てのモノやコストが変わってきます。

開業するサロンの料金設定が適正なのか、コンセプトから見直し考えていく必要があります。

今回はいくつか価格設定の例を挙げていきます。

参考記事：融資でも聞かれます！売上を伸ばすための施策について考えよう！客単価編

時間単価を基にした価格設定

施術時間＝時間単価×施術時間

時間単価：スタイリストの技術や経験に応じて設定される時間あたりの料金です。

これには人件費、家賃、光熱費、その他の経費が含まれます。

施術時間：カット、カラー、パーマなどの各サービスにかかる平均的な時間です。

例えば、時間単価が5,000円で、カットの施術時間が1時間であれば、カットの価格は5,000円となります。

1時間の中でいくら売上を上げたいかを基準で考える方は、時間単価を意識した価格設定をお勧めします。

回転率を基にした価格設定

1日の売上目標＝1日の来客数×平均単価

平均単価：1日の売上目標÷1日の来店客

例えば、1日の売上目標が10万円で、1日の来客数が20人の場合、平均単価は5,000円になります。

こちらは回転率を意識した価格設定方法になるので、来店客を多く見込み価格が抑えられたサロンで参考にしやすい設定方法です。

マンツーマンサロンやカウンセリングをじっくり行いたいといったサロンは不向きかもしれません。

セットメニュー価格

サロンには多くのメニューが存在し、１メニューずつ細かく価格設定と内容が決められています。

中には単品メニューの価格設定を無くし、セットメニューだけの価格設定を提示するサロンも増えてきました。

通常

カット6,000円

カラー6,000円

トリートメント3,000円

 

セットメニュー

カット・カラー・トリートメント15,000円

 

セットメニューのメリットは施術時間の調整のしやすさや、オプションメニューの抵抗感が和らぎ単価アップに繋がる傾向があります。

単品メニューを多く用意することにより、案内する声掛けも増えるのでメニューの押し売りと捉えてしまうお客様もいます。

セットメニューを提示することにより、サロンもお客様にとっても提案しやすい価格になるかもしれません。

ダイナミックプライシング（変動価格）

ダイナミックプライシングとは、商品やサービスの価格を需要や供給、時期、競争状況などの要因に基づいて価格設定を調整する手法です。

航空券、旅行会社、ホテルの宿泊料金、アミューズメント施設のチケット代等で多く利用されている価格設定です。

平日、閑散期…利用料金が安い

土日祝、繁忙期…利用料金が高い

サロンでも平日は空いているけど、土日は予約が入れられないといった声も多く耳にします。

価格設定を変動させることにより、適切な予約状態になるかもしれません。

まとめ

今回、価格設定の様々な例をお伝えしました。

冒頭にもお伝えしましたが、一度価格を決めると下げるのは簡単でも、価格を上げるのは容易ではありません。

年々コストが上がっていく中で、変わらないのは美容業界の価格設定です。

これから開業する方も、すでに開業している方も【サロンごとの適切な価格設定】で繁盛し続けられるお店づくりが必要になります。

●文／コンシェルジュチーム：藤平