経費計算からスタート! 損益分岐点を使った売上目標の立て方【後編】

利益

利益を出すために、売上や経費を決めていく計画の立て方として“損益分岐点”の考え方を知っておく必要があります。

 

経費計算からスタート! 損益分岐点を使った売上目標の立て方【前編】』では、具体的に、固定費90万円と変動費率25%を設定して損益分岐点を計算し、120万円という金額を算出しました。

 

これは、お店を赤字にしないためには最低でも120万円の売上が必要ということですが、実際には、売上120万円では儲けを確保することができません。

 

後編では、利益目標を設定した場合の損益分岐点の出し方と、売上の実現性を探る方法を見ていきましょう。

 

目標利益を決める

特に個人事業主は、売上から経費を差し引いた営業利益が、自分の懐に入ることになります。利益を設定してこそ、損益分岐点の本当の意味があります。

 

では、利益はどのように設定すべきでしょうか。

 

まずは、自分の生活費やローンなどの支払い、毎月の貯金額を合わせたものを目標利益にしましょう。

 

生活費は、住んでいるマンションの家賃、光熱費、携帯代金、食費などです。子どもがいれば教育費なども必要です。まずは毎月の支出を調べてみましょう。

 

生活に必要な支出に加え、借入の返済(元金分)も考慮しなければいけません。また、個人事業主になれば国民健康保険や年金も自分で支払うことになります。

 

これに加え、将来に備えて貯蓄もしておきたいですよね。無理のない程度に、貯金に回す額を決めましょう。

 

この3つを考慮して目標利益を設定します。今回は月に40万円の利益を目標にしてみましょう。

 

目標利益を達成するための損益分岐点

目標の利益を得るための損益分岐点は、次の計算式で求められます。

 

(目標利益+固定費)÷(1-変動費率)

 

それぞれ数字を当てはめると、

 

(40万円+90万円)÷(1-0.25)=約173万円

 

となり、月に40万円の利益を得るためにはおよそ173万円の売上が必要であることが分かります。

 

お店を存続させるには赤字にならない120万円の売上で十分ですが、オーナーが生活していくためには173万円の売上が必要なのです。

 

売上を分解し実現性を探る

生活のことを加味すると、月に173万円の売上が必要なのはわかりました。しかし、この数字が現実的な売上目標なのかはわかりません。ここからさらに、売上を分解していく必要があります。

 

まずはサロンのメニュー価格と利用率をもとに、平均単価を出してみます。単価の出し方についてはこちらの記事を参考にしてください。

 

売上は「客数×平均単価」ですから、「目標売上÷平均単価」で必要客数が割り出せます。

 

平均単価が8,500円だとすると、「173万円÷8,500円=203人」。つまり、月に203人の集客が必要なのです。

 

ここまでくれば、目標が達成できそうなのかを確認できます。

 

たとえば、出店エリアが今働いているサロンに近く、自分の見込み客が月100人、スタッフ2人の見込み客が合わせて月80人を想定できるとしましょう。

 

そうすると、目標の203人中180人は埋まりそうです。ということは、必要な新規客としては203人-180人=23人です。

 

ホットペッパーで月23人を呼びこめるかどうか……。なんとなく手が届きそうな気がしてきました。

 

このように、売上を分解することで小さな目標に変え、実現できるかどうかを探りましょう。

 

もし現実的でない売上になってしまったら

見込み客も少なく、必要な客数に届きそうになかったら、経費を変えます。まずは固定費を見直しましょう。

 

「家賃の安い物件を探す」「人件費を抑える」「ホットペッパーの掲載プランを下げる」などの検討が必要になります。もちろん、固定費が下がれば売上目標も下がります。

 

もう一つの方法は、運転資金を多く持っておくことです。オープンしてすぐに黒字化できるサロンはそう多くはありません。

 

利益が出せるようになるまで、赤字分を補てんできるだけの資金を確保しておきましょう。

 

たとえば、損益分岐点で算出した売上目標を達成するのに半年くらいかかりそうであれば、あらかじめ半年分の固定費は確保しておく必要があります。

 

まとめ

サロン運営にかかわる数字をシミュレーションする場合、以下のステップを踏んでいけば見通しを立てることができます。

 

  1. 固定費を設定する。
  2. 変動費率を設定する。
  3. 目標営業利益を設定する。
  4. 損益分岐点を算出する。
  5. 必要客数を算出する。
  6. 集客目標を設定する。

 

達成できないような目標になってしまったら固定費を見直しましょう。より家賃の安い物件で行くべきか、スタッフの給与を抑えるべきか、販促媒体を見直すか、経費から考えると現実的な手段を取れます。

 

また、達成に時間がかかりそうであれば運転資金を多めに確保しておきましょう。

 

収支計画を立てる際にはぜひこの考え方を利用してみてください。数字が苦手という方は『開業無料相談』にお越しください。一緒に損益分岐点を計算してみましょう。

 

●文/コンシェルジュ室:安斎

 

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