【評価シートDL可能!】どんな条件なら失敗しない?開業の方向性を決めるリスク評価

公開日:2020/07/16  更新日:2020/07/16
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美容室 開業 リスク

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開業相談でも、サロンの規模やスタッフの人数などがまだハッキリ決まらないお客さまがいます。

 

スタッフを多く雇ってスタートするほうがよいのか、それとも自分ひとりで始めて、軌道に乗ったときに人を増やすほうがよいのか。

 

家賃は高いが集客しやすい駅近の立地がよいのか、少し駅から離れているけど家賃が安いほうがよいのか。

 

いくつかの開業パターンを検討する場合には、リスクを正しく把握して、リスクの低いやり方で開業することがよいと思います。

 

今回は、損益分岐点という切り口からリスクを評価する方法をお伝えします。そして、リスク評価がすぐ計算できるシートもダウロードできるように用意しました。

 

リスクの見える化

開業でのリスクといえば赤字です。赤字が続くとキャッシュが減っていき、最終的には閉店することになります。

 

では赤字になるリスクが高いか低いかをどのように調べたらよいのでしょうか。

 

一つの方法として、損益分岐点と想定売上を使ったリスク評価があります。

 

損益分岐点は「サロンが儲かるために必要最低限の売上」と定義できます。その売上を下回ること=赤字になるということです。

 

さらにいえば、損益分岐点をクリアしてもオーナーの手元にお金が残らない場合も、サロンの存続は危うくなりますから、損益分岐点にはオーナーが生活していけるだけの利益も含みます。

 

損益分岐点については、『経費計算からスタート! 損益分岐点を使った売上目標の立て方』を参考にしてください。ここでは計算方法だけ載せておきます。

 

損益分岐点 = (目標利益+固定費)÷(1−変動費率)

 

一方で、想定売上は、自分の実績や立地、ポータルサイトの効果、そしてスタッフの見込み客などを考慮して、現実に近いであろう売上を指します。

 

損益分岐点の売上に対して、想定売上がどの程度なのかによって、リスクを計ることができます。

 

計算式は、次のようになります。

 

リスク度=損益分岐点 ÷ 想定売上

 

数字が大きければ大きいほどリスクが高いということになります。また数字が1以上になると、キャッシュが減っていき倒産の可能性が高くなります。

 

リスク評価のシミュレーション

実際に開業相談に来たお客さまの事例をもとに、いくつかの開業パターンのリスクを評価してみましょう。

 

どのパターンでも共通なのは以下の2点です。

・目標利益=300,000円(自分の生活費やローンの返済を支払える最低限の金額)

・変動費率=25%(『『経費計算からスタート! 損益分岐点を使った売上目標の立て方』』を参考にしました)

 

次に3つのパターンの条件を見ていきます。

 

パターン1:セット面4/シャンプー台2(15坪)

家賃:200,000円(駅から徒歩10分)

人件費:200,000円(違うエリアから1人雇用)

広告費:150,000円(ポータルサイトで中位プラン)

想定売上:オーナーは実績から800,000円、スタッフの売上はポータルサイトの売上を中心に400,000円

パターン2:セット面6/シャンプー台3(20坪)

家賃:340,000円(駅から徒歩10分)

人件費:500,000円(同エリアから2人雇用)

広告費:150,000円(ポータルサイトの中位プラン)

想定売上:オーナー800,000円、スタッフの売上は2人で1,200,000円見込める。

パターン3:セット面6/シャンプー台3 (20坪)

家賃:420,000円(駅から徒歩3分)

人件費:600,000円(同エリアからスタイリスト2人/アシスタント1人)

広告費:300,000円(ポータルサイトの上位プラン)

想定売上:オーナー800,000円、広告効果も期待して、スタッフの売上を1,500,000円と見込む。

 

シミュレーションの結果

それぞれの条件をもとに、パターンごとに損益分岐点と想定売上を計算し、リスク度を算出しました。

 

パターン1:リスク度=0.94

リスク評価シート

パターン2:リスク度=0.86

リスク評価

パターン3:リスク度=0.94

 

なんと、小さく始めた場合(パターン1)と好立地で大きなハコで始めた場合(パターン3)のリスクは同じという結果になりました。

 

一番リスクが小さくなったのはパターン2でした。

 

シミュレーションの結果、パターン2での開業が比較的リスクが小さいと仮定できました。

 

ここから本格的にパターン2で、事業計画書を作ったり、開業費用を算出したりして、現実的にオープンできるかを調べていくことになります。

 

リスク度は方向性を決める一つの手段

まだ開業したいサロンのイメージが固まっていない場合、立地や一緒に働くスタッフ、集客力など様々な選択肢があると迷います。

 

そういう時には、リスクを一つの判断基準としてシミュレーションを行うことをおすすめします。どのパターンで行くのが妥当か、という方向性を決めることができます。

 

しかし、ここで決めた方向性があっているかを確認していくことが大切です。それが事業計画書の作成になります。現実的にそのサロンを作れるかどうかを、しっかり調べて判断する必要があります。

 

実際に計画書を作っていくうちに「スタッフの見込み客は実はもっと少なかった」とか、「物件取得費用が高すぎる」といった問題がでてくるかもしれません。

 

そうなった場合は、もう一度歩みを止めて、方向性を考え直さなければならないのです。

 

リスク評価シートをダウンロードする

損益分岐点や、リスク度を計算するのが大変な人は、今回の記事で使ったリスク評価シート(Excel)をダウンロードして、自由にシミュレーションしてみてください。

 

 

 

●文/コンシェルジュ室:安斎

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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