忘れないで! サロンでスタッフを雇う際に必要な労働保険の加入方法

ハローワーク

サロンオーナーは、個人・法人を問わず、スタッフを雇ったときには労働保険への加入が必要です。この加入手続きを怠ると、法律違反となってしまうため注意しなければなりません。

 

とはいえ、以前は雇われる側だった人が急に労働保険の手続きと言われても、一体何から始めればいいのか戸惑うでしょう。

 

そこで今回は、労働保険の概要と加入手続きについて解説します。

 

労働保険とは?

労働保険は、「雇用保険」と「労災保険」のことを指しています。以下、ひとつずつ見ていきましょう。

雇用保険

雇用保険は、何らかの事情が生じて労働者が会社を辞めざるを得なくなったとき、次の就職先が見つかるまでの一定期間、労働者にお金が支払われる保険です。

 

1週間の労働時間が20時間以上で、31日以上の継続雇用が見込まれる従業員が1人以上いる事業所は加入が必要です。該当するスタッフがたとえアルバイトやパートであっても、これは変わりません。

 

雇用保険の保険料は、雇用主と労働者側の双方が一定割合ずつ負担します。負担割合は、「一般の事業」「農林水業と清酒製造事業」「建設事業」という3つの事業に分かれ、それぞれ決められています。

 

美容師の場合は一般の事業の割合を参照します。平成31年4月1日から令和2年3月31日までの一般の事業の雇用保険料率は、雇用主側が0.6%、労働者が0.3%です。

 

労災保険

もう一方の労災保険は、勤務中や通勤途中など業務と関連することで労働者が事故などに合い、ケガを負ったり死亡したりしたときに使う保険です。

 

正式名称を「労働者災害補償保険」と言います。この保険には、1週間の労働時間数などの条件は設けられていません。週に数時間程度の労働でも加入します。

 

また、アルバイトやパートなどの雇用形態も関係なく、全てのスタッフに加入が義務づけられています。労災保険の保険料は雇用主側が全額を負担し、労働者の負担はありません。

 

また、労災保険料率は業種によって大きく異なります。平成31年度の労災保険料率は林業が6%で、小売業は0.3%です。

 

この差は、事業ごとの労災リスクの程度によるものです。美容師の労災保険料率は、小売業と同じ0.3%となります。

 

労働保険の手続き方法

一元適用事業

労働保険の手続き方法の前にまず、一元適用事業と二元適用事業について触れておきましょう。

 

一元適用事業とは、雇用保険と労災保険の手続きや保険料の納付などを、2つ一緒に行うことのできる事業です。

 

二元適用事業は、雇用保険と労災保険をそれぞれ別に手続きし、保険料も別々に納めます。

 

二元適用事業に該当するのは建設業や農林漁業など、ごく限られた事業だけです。ほとんどの事業は、一元適用事業として雇用保険と労災保険を合わせて手続きし、保険料を納付します。

 

労働基準監督署

一元適用事業が労働保険を手続きする際には、労働基準監督署で行うべき手続きとハローワークで行う手続きの2つの流れがあります。

 

労働基準監督署ではまず、労働者を雇用した日から10日以内に「労働保険保険関係成立届」という書類を提出します。これは、従業員数などを記入する書類です。

 

また、労働者の雇用日から50日以内に、「労働保険概算保険料申告書」を提出します。これは、事業所が保険料の概算額を計算し記入する書類です。保険料の納付もこの書類提出時に行います。

 

概算保険料額は、「(雇用保険料率+労災保険料率)×年間給与」で計算します。

 

「労働保険概算保険料申告書」の提出は、「労働保険保険関係成立届」と同時でも構いません。また、「労働保険概算保険料申告書」の提出だけであれば労働局や郵便局でも行うことができます。

 

ハローワーク

次に、ハローワークでの手続きです。「雇用保険適用事業所設置届」という書類を、労働者の雇用日から10日以内に提出します。この書類には事業所住所のほか、労働保険番号などを記入することになります。

 

また、労働者が被保険者資格を取得したときには、その資格取得日の翌月10日までに「雇用保険被保険者資格取得届」を提出しなければなりません。

 

被保険者資格の取得日の翌月10日というのは、たとえば6月9日に被保険者資格を取得していれば、7月10日が提出期限ということです。

 

4つの書類の提出順ですが、最初に提出しなければならないのが「労働保険保険関係成立届」です。これ以外の3つは、それぞれの提出期限を守れば順番の先後は関係ありません。

 

スタッフを雇ったときには雇用保険と労災保険の手続きを!

雇用保険と労災保険を合わせた労働保険は、スタッフを1人でも雇ったときには必ず加入が必要です。

 

ハローワークで行わなければならない手続き、労働基準監督署で必要な手続きそれぞれがあり、書類の提出期限もありますので、慣れないうちは面倒に感じられるかもしれません。

 

手続きの内容や必要書類をしっかりと把握して、期限を間違えないように処理をしましょう。

 

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