オープン前だからできる!見込み客の確度を高める、安定基盤を作るための営業のススメ

公開日:2021/01/06  更新日:2021/01/05
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美容室 開業

私は開業サポートをするお客さまには「オープン前から、あるいは融資前から営業して、見込み客を増やしましょう」と提案することがあります。

 

なぜ開業前の営業が必要かというと、見込み客を固めてオープンしてすぐに軌道に乗せるためです。

 

お客さまが来るか来ないかは、サロンがコントロールできません。

 

チラシを撒いたり、ポータルサイトに掲載したりしても、お客さまが予約するのを待つというスタンスは変わりません。

 

さらに言えば、オープンしてからそういった方法で集客をするのでは遅いのです。

 

それゆえ、オーナー自身も動いて、見込み客を確保していかなければなりません。

 

今日は、開業前の営業についてお話します。

 

営業は最低限の利益を出すために必要

新しいお店をお客さまでいっぱいにすることは、すぐには達成できません。しかし、オープン後の早い段階で最低限の利益を出せることが不可欠です。

 

とりあえずサロンを運営できる状態にしておけば、時間がかかったとしても少しずつ客数を増やしていくことができます。

 

しかし、最低限の利益が出せないと、赤字を続け、資金不足に陥ります。そうすると長期的な計画を立てることもできなくなります。

 

サロンを軌道に乗せるためには「最低限の利益」を速やかに達成する必要があるのです。

 

「最低限の利益」とはオーナーが生活できるだけの利益のことです。

 

自分の生活費が30万円必要であれば、早く30万円の営業利益を確保できるだけの客数を呼ぶことが必要なのです。

 

そのためには、チラシやポータルサイトのように「待つ」スタンスの集客施策は十分ではありません。

 

自ら営業して、一人でも多くの人にサロンのお客さまになってもらう努力が求められます。

 

融資審査でも見込み客がポイントになる

また、見込み客の確度というのは融資審査でも重要視されます。融資担当者からすると、計画の段階からある程度の客数が見込めるほうが安心します。

 

「ホットペッパーなど訴求力の高いポータルサイトを使って20人新規集客します」といっても、本当に計画した人数が来るかどうかはわかりません。

 

それよりも「すでに20人の予約が確定している」と言えるほうが信頼されるのです。

 

当然、「ホットペッパーでの20人」も「予約確定の20人」も最終的に来るか来ないかはわかりません。

 

ようするに確度の問題です。「すでに20人が来ると言っている」見込み客のほうが、確実性が高いと思えるのです。

 

具体的な営業戦略

では、開業前、あるいは融資前に見込み客を固めるためにはどんな営業をしたらよいのでしょうか。

 

指名客への営業

現サロンでの指名客が最も確度の高いお客さまになることは間違いありません。指名客は、つまり自分の技術や接客を目的に来店してくれる人だからです。

 

まずは、自分の指名客に、独立オープン後にも来てもらうように営業することが大切です。

 

しかし忘れてならないのは、マナーとして現サロンのオーナーへの許可が前提になります。

 

オーナーに黙って指名客と個人的な連絡先を交換したり、SNSとつながったりするとトラブルのもとになります。

 

営業が上手な人は、来店周期から考えて、予約のパターンがわかるお客さまの予約を抑えてしまいます。

 

まだ場所が決まっていなかったとしてもエリアがわかれば、予約をとることもできるからです。

 

もし指名客への営業が難しい場合には、潔く諦めて違う方法で見込み客を探しに行きましょう。

 

家族・知り合いを通した営業

次に可能性が高いのは家族や知り合いです。

 

あるサロンオーナーは、奥様の協力を得ながら見込み客を確保していました。

 

彼はママ友のコミュニティを通じて20人の見込み客を確保しました。

 

また、自身の所属する自治会の集まりから、地域の小売店や飲食店とのつながりを作って、相互送客することを約束してもらいました。

 

地元での開業を考えている人は、高校時代の友だちに協力してもらい、情報をSNSで拡散して紹介を広げて客数を増やしました。

 

家族や知り合いへの営業にはデメリットもあります。付き合いとしての来店という側面があり、1~2回の来店で来なくなることもあります。

 

家族、知り合いを通した営業では、そこからお客さまを広げていく戦略も欠かせません。

 

事業者への営業

難易度は高いですが、まったくつながりのない人に対して積極的に営業を行う人もいます。

 

例えば、ある人は、オフィスに行って人事担当者に対して、福利厚生の一環としてサロンの利用を提案しました。

 

また、訪問美容を考えているオーナーは介護施設へ営業に赴き、定期的な訪問サービスの約束を取り付けることもします。

 

あるいは、税理士や社労士といったビジネスパートナーへ営業をかけるというケースもあります。

 

税理士が担当している別の事業者を紹介してもらい、その会社に営業を行うやり方です。

 

「自分の美容室を誰が利用してくれそうか」を考えて地道に営業活動を行っていきます。

 

当然こうした場合の見込み客は指名客や、家族、知り合いに比べると確度は下がります。

 

しかし、同じエリアで活動している事業者にサロンを認知してもらうという点ではメリットになります。

 

営業による見込み客確保はオープン後の安定化が目的

オープンしてすぐに「最低限の利益」を得るためには、開業前から営業をして見込み客を増やすことが大切です。

 

見込み客を増やし、集客計画の確度をあげるためには、地道な営業活動が有効です。

 

確度の高い見込み客が多い場合なら、集客計画の根拠として融資面談でもアピールできます。

 

オープン前は、オーナーが自由に動けるチャンスです。現サロンの指名客への営業ができないとしても、家族や知り合い、あるいは地域事業者への営業もできます。

 

見込み客が固定客になれば、安定して経営ができます。

 

オープン後少しでも楽にサロン運営するために、開業前に自らも営業をして少しでも多くの見込み客を確保していきましょう。

 

 

●文/コンシェルジュ室:安斎

 

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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利益 営業 指名客 融資 集客

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