何にお金がかかるのか?美容室を維持していくために必要な経費とその特徴

公開日:2021/08/06  更新日:2021/08/06
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
美容室 経営

美容室を運営していくにはお金がかかります。

 

損益計算書では「売上高から、仕入れ原価を引いて粗利益を出し、そこから販管費を引いて、営業利益を出す」という書き方になっています。

 

しかし、実態は逆です。まずサロンの維持費(販管費)を払って、仕入れをしてサービスを行い、それで売上を立てる、という流れが正しい。だからこそ開業においてもオープン前にお金をかけるのです。

 

用意したハコ、ヒト、モノを使ってちゃんと稼いで、その費用を支払っていくサイクルを作ることが安定経営の肝です。

 

今回は、美容室の経営において必要不可欠な経費と、その管理の仕方についてお話しします。

 

家賃

美容室が店舗ビジネスである以上、ハコ=テナントが絶対に必要です。テナントは借用である限り、家賃が永遠と発生します。

 

美容室の営業で最も大事なのは、まず、この家賃を支払えるだけの売上を早く確保することだと思います。

 

家賃は売上の10%が目安とされています。もちろん最初は売上が小さければ、割合が大きくなるでしょう。

 

仮に家賃を売上の10%と目標にするならば、1ヶ月の10%つまり3日で家賃分の売上を作ることが目安になります。

 

家賃は「営業していなくてもかかる」という性質のものです。営業日が25日であろうと31日であろうと家賃は変わりません。

 

1日の売上が伸びないのであれば、営業日を増やす、あるいは営業時間を増やすことも戦略の一つです。

 

テナントを借りているのであれば、その家賃分は早く稼いでしまうという意識は持たなければいけません。

 

人件費

美容室の経費で最も割合が大きくなるのは人件費です。売上に対する人件費率は40~50%とされています。

 

美容業がサービス業である限りは人件費はとても慎重に扱わなければなりません。

 

業績が悪いからといって、給与を減らしたり、残業時間を増やしたりすると、スタッフのモチベーションを低下させ、離職につながります。

 

約束の給与を支払うことは絶対に守らなければなりません。

 

一方で、スタッフが給与に値する売上を作ることを期待しなければなりません。

 

例えば、スタッフの給与を25万円とするならば、人件費40%を鑑みて、

 

250,000÷0.4=625,000

 

つまり約63万円の売上が期待されます。

 

一方で、オーナーはスタッフが売上を上げるための手助けをしなければなりません。例えば、広告を出して新規集客を増やしたり、技術やサービス以外のリピーター対策を実施したりします。

 

期待された売上を作ることはスタッフの義務ですが、そのためのフォローは必要です。

 

広告費

広告費も毎月支払うことが決まっている場合には大きな経費になります。ここではホットペッパーを考えてみましょう。

 

ホットペッパーは毎月掲載費がかかります。つまり、原則固定費になります。集客が0でも支払いが発生します。

 

したがって広告費については、費用対効果を意識して計測していくことが大切です。

 

175,000円の掲載費に対して、500,000円のクーポン売上があったとしたら、費用対効果は、

 

500,000÷175,000 = 2.8

 

1を割ると効果が出ていないということになります。

 

全体の売上高に対しての割合も意識しておきましょう。売上に対する比率では5~10%が広告費の許容範囲だと思います。

 

特にホットペッパーは掲載料以外に「ポイント」代金をユーザーに還元するため、クーポン売上の2%を支払います。売上の規模によっては大きい数字です。

 

「広告効果があるか」「全体の売上に対して負担になっていないか」をチェックする必要があります。

 

水道光熱費

美容室では電気・ガス・水道が生命線です。例えば電気料金は基本料金+従量料金の組み合わせで、使えば使うほど高くなる点では変動費といえます。

 

美容室では売上に対して3%が目安です。したがって、しっかり売上を作ることができていれば十分支払える額だと思います。

 

ただ、一般的に都市ガスよりもプロパンガスのほうが高いですし、ガス容量がなく電気温水器を使用している場合には電気料金が高くなります。

 

また、お店を閉店していても基本料金は発生します。

 

額としては大きくないにしても、毎月必ず発生する費用と考えておくべきです。

 

材料の仕入れ

材料費は、サービスに直接影響します。仕入れは販管費ではなく原価として仕分けされます。

 

サービスを提供した分だけ必要になるので変動費になります。お店を閉店している場合には、仕入れを止めてしまえば費用はかかりません。

 

一方で、どれだけ材料を仕入れておくべきかは、サロンの需要予測によります。

 

多くのお客さまが見込める場合には、多く仕入れ、少なく見立てている場合には少なく仕入れます。

 

理想は適正在庫。使う分だけ用意できるのがベストです。

 

在庫の材料はサービスに変えないとただの経費です。開業でよくありがちなのが、初回に大量に発注してしまい、運転資金を減らしてしまうケースです。

 

逆に少なすぎると、施術に支障がでます。こまめな在庫チェックを怠ると、いつの間にかカラー剤が足りない、という事態に陥ります。

 

材料の発注は在庫コントロールが肝になります。

 

まとめ

今回紹介した費用以外にも、消耗品費や支払い利息、あるいは交際費など様々な費用が発生します。

 

冒頭で述べたように、店舗の運営は「経費を使って売上を作り、その売上からまた経費を使う」を繰り返します。

 

それぞれの経費にはサロンの売上、利益につながる意味があります。それぞれ経費の意味や特徴を理解してうまく管理していきましょう。

 

●文/コンシェルジュ室:安斎

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

この記事のタグ

利益 営業 経費 運転資金 集客

関連記事

開業事例