収支計画の数字はどうやって決めていく?意識すべき3つの視点

公開日:2022/03/11  更新日:2022/03/11
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計画

事業計画書の中で、収支計画とは将来の予測であり目標です。

 

開業においては、サロンに過去の実績がないので、収支計画の「数字」のもとになるものがありません。

 

したがって、人によっては「なんとなくこのくらい」と決めてしまうこともあります。

 

今の売上をベースに考えたとしても、サロン経営においては経費が発生しますので、結局いくら儲かるかのイメージが沸かないという人もいます。

 

そこで意識しておきたいのは「安全性」「収益性」「成長性」という視点です。そしてこの3つには優先順位があります。

 

安全性→収益性→成長性の順に考えます。

 

安全性

安全性とは、オーナーが生活できるレベルの収入を得られるかです。

 

個人事業主にとって、自分の収入は売上から経費や返済金を差し引いたものになります。

 

収入がいくらであれば、生活費を支払ったり、社会保険を支払ったり、ローンを返済したりできるのか。

 

まずはここからスタートする必要があります。

 

自分と家族が生きていくために不可欠なお金を確保できるかどうかが、オープンして最初に達成しなければならない基準になります。

 

そこで重要になるのが、損益分岐点です。

 

売上と違って、家賃や人件費といった経費はオーナーがある程度設定できます。発生するだろう経費から、最低限必要な売上を逆算していきましょう。

 

損益分岐点については『経費計算からスタート! 損益分岐点を使った売上目標の立て方』を参考にしてください。

 

そこで算出した数字を満たせるだけの売上をあげることができるかを検証します。

 

安全性をもとに出した売上は、遅くともオープンから半年以内でクリアしなければなりません。したがってクリアできそうな時期を見ながら、確保しておくべき運転資金=キャッシュを決めておきます。

 

安全性の基準を満たすのは、サロンにとって死活問題です。あくまで売上予測にはなりますが、できるだけ確実性が求められます。

 

つまり「最悪でもこの売上は確保できる」という計画にしなければならないのです。

 

融資審査では、担当者はそのサロンが安定的に経営できるかを見極めます。それゆえ、見込み客や出店エリアが重要視されるのです。

 

収益性

ここでの収益性は「十分に儲けが出ている」レベルを表します。

 

「儲け」に対する目標は人それぞれですが、参考にすべきは「自分の現在の収入」との比較です。

 

リスクを取って開業したからには、今より収入を増やしたいと思っている人が大半です。

 

したがって、オープン後の当面の目標を「自分の収入を超える」にするとわかりやすくなります。

 

実際、開業サポートでは、現サロンでの収入を超えることを一つの目標にして収支計画を作る人が多いです。

 

収支計画はあくまで計画ですので、願望になってはいけません。その数字を達成するための戦略もセットで考えなければなりません。

 

逆に言えば、収支計画で目標を作らなければ、どんな施策を打つかは決められないということです。

 

融資審査においても、目標を達成するための戦略が問われます。新規客の獲得や、リピート対策などを具体的に考えていきましょう。

 

成長性

成長性とはサロンがどこまで大きくなるかという視点です。

 

サロンの成長は自分の収入だけにとどまらず、スタッフや顧客にも影響を与えます。

 

売上や客数の伸びだけでなく、個人事業から法人化にすることも一つの成長といえます。

 

したがって、成長性は中長期的な収支計画ということになります。

 

しかし、開業時の収支計画で中長期的に考えることはあまり現実的ではありません。

 

まずは、安全性(最低限生活できる収入の確保)と収益性(独立前の収入を超える)に集中して取り組むべきです。

 

ただし、自分のサロンで「どのくらい売上や利益を伸ばせそうか」は理解しておかなければなりません。

 

セット面6席・シャンプー2台のテナントでスタッフ1人を雇用してスタートする場合、まだ余裕がありそうです。

 

もしスタッフをもう一人入れたら、売上はどのくらい伸びそうか。

 

融資面談でも、ハコの大きさに対してスタッフが少ない場合には、将来についても聞かれます。

 

必要であれば、2年目、3年目の成長率を出すことも一つの方法です。

 

事業計画書は安全性と収益性を意識しよう

サロンを経営していくためには、安全性・収益性・成長性を考えなければなりません。

 

計画もこの3つの視点で数字を作っていくことが非常に大切です。

 

特に事業計画書では安全性と収益性を考慮して収支計画を出します。

 

まずは安全性。

 

「開業した場合、最低でもこのくらいは必要」という収入から逆算して数字を出しましょう。そのためには、自分が最低限生活するための金額を見極めなければなりません。

 

次に、収益性。

 

「1年後に今の自分の収入を越える」という明確な目標を掲げて、必要な売上目標に落とし込みましょう。そして、その目標を達成するために集客施策やリピーター対策を決めていきましょう。

 

安全性、収益性を意識することで、数字は自ずと具体的になっていきます。

 

ぜひ参考にしてください。

 

 

●文/コンシェルジュ室:安斎

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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