稼いだお金でサロン経営を強化しよう!利益の理想的な使い方。
個人事業主でサロンを経営すると営業利益が自分の収入になります。
実際には、営業利益から事業用ローンを返済し、社会保険料(国民保険や年金)を支払い、そして生活費を支払っていくことになります。
特にオープンして間もないころは、営業利益が必要な支払いに消えていくため、自分の手元にはほとんど残らないこともあります。
しかし軌道に乗ってくれば、少しずつ余裕が出てきます。一国一城の主だからこそ、営業利益が増えれば増えるほどオーナーが潤っていく仕組みです。
しかし儲かったお金をすべて自分のポケットに入れてしまうことは避けたいところです。
サロンが長続きするには、営業利益をサロン経営のために活用しましょう。
サロンの備えに使う
今回のコロナウイルス感染症拡大では、美容室を含め多くの店舗で資金繰りが厳しくなりました。
営業できなくなったときに、家賃や人件費といった固定費を支払うキャッシュがあればなんとか継続できました。
営業利益の一部をサロンのために貯めておくことで、非常事態に備えられるのです。
また、たとえ災害が起きなくても、時間が経てば内装や器具も劣化します。壁がはがれる、エアコンや給湯器が壊れる、セット椅子が錆びるなど、設備は傷んでくるのが当たり前です。
こうした自然劣化を想定して買い替えのためのお金も貯めておく必要があります。マンションを買ったことがある人ならば修繕積立金を聞いたことがあると思います。
サロンも同様に年月が経つことで発生するであろう修繕費を自分の責任において積み立てていくべきです。
サロンを守るためのお金を、営業利益の中からしっかり確保しておきましょう。
成長のための投資
営業利益は将来のサロンの成長にも欠かせません。儲けたお金で次の投資をしましょう。
周囲の環境は日々変化します。近くに競合店ができるかもしれません。コロナ禍のように消費者の行動が変わることもあります。
キャッシュレスへの対応、衛生管理の徹底など、サロンがその変化に対応するためにもお金が必要です。
また、新しいサービスを導入したり、スタッフの育成に力を入れたりする場合にも、キャッシュがモノを言います。
新しいことを始めるためには、やはり投資が必要になるのです。
同様に、店舗拡大を目指す場合には、追加の融資を受けることも想定されます。稼いだお金をコツコツと積み立てて自己資金を増やすことでより多くの借入れができます。
「稼いだお金を使って新たな売上と利益を生む」という循環が理想の形です。
スタッフへの還元
サロンビジネスは人が命です。人口減少が進む社会で今後スタイリストを確保することはますます難しくなります。
スタイリストは減りサロンは増える。したがって、スタイリストが働くサロンを選ぶ時代になってきています。
自分のサロンを選んでもらうためには、利益をしっかりスタッフに還元することが欠かせません。利益が増えた分、スタイリストへの給与や福利厚生に充てることはとても大切です。
「オーナーだけが潤って、自分たちの給与は低いまま」
こういう認識をされてしまうと、当然スタイリストはサロンを去っていくでしょう。
オーナーがスタイリストの成果に対して報酬を出すことで、「サロンが儲かれば自分たちも儲かる」という信頼関係を強固にすることができます。
まとめ:稼いだお金を活かすこと
個人事業主でサロンオーナーになれば、営業利益自体が自分の所得になります。
開業してまもなく「今までよりもずっと収入が増えました」と喜ぶサロンオーナーの声をよく聞きます。
しかし、その収入をすべて自分の懐に入れるのか、サロンのために使うのかで、その後のサロン経営に大きく関わってきます。
万が一の備え、成長のための投資、そしてスタッフへの還元。
こうしたことにどれだけ営業利益を充てられるかが非常に重要です。稼いだお金を使ってサロン経営を強化していくという発想です。
稼いで終わりではなく、利益を次の利益のために使う。そのことを意識して開業をして欲しいと思います。
●文/コンシェルジュ室:安斎
ビューティガレージ コンシェルジュ室
日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。
15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。
事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。