ざっくり解説! 美容室経営のための補助金&助成金『入門』

公開日:2018/10/23  更新日:2018/12/13
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お金の計算

美容室などを開業する際の資金調達手段の一つに、「補助金」と「助成金」があります。

 

開業相談でも、「どうやったら補助金・助成金をもらえるのか」という問い合わせを受けますが、「国や地方自治体からお金がもらえるようだ」ということは知っていても、補助金と助成金がどんなものかを具体的に理解している人は少ないようです。

 

そこで今回は簡単に、補助金と助成金の共通点と違いについてお話ししたいと思います。

 

国や自治体が交付する「補助金」と「助成金」

補助金と助成金は、国や地方自治体から受け取ることができる返済不要なお金です。

 

銀行から融資を受けると返済義務が生じますが、補助金・助成金は返す必要がありません。

 

国や地方自治体は、幅広い分野に渡ってさまざまな種類の補助金と助成金を交付しています。

 

まずは、開業する場所の自治体に問い合わせてみて、どんな補助金・助成金が申請できるのかを確認する必要があります。

 

国や自治体が補助金・助成金を交付するのには、「社会に役立つ事業を支援する」という背景があります。

 

つまり、あなたのサロンが「社会に貢献できるビジネスか」「雇用や労働環境を改善できるか」といった公的な視点で見られるということです。

 

補助金と助成金の違いと受給要件

補助金と助成金の大きな違いは、受給のハードルです。

 

補助金

主に、地方自治体が社会の発展に貢献する事業に対して支援するものです。

 

応募の枠が決まっていて、審査を受けることになります。応募しても必ずしも受給されるわけではありません。

 

応募が多い場合には受付が締め切られますし、申請期間なども限られます。

 

補助金を申請する場合には、事業計画書を提出する必要があります。自分のサロンがどのように地域に貢献できるかをアピールしなければ、補助金を得ることはできません。

 

助成金

主に、雇用・人材に関する助成金が有名です。これは厚生労働省が事業内の労働環境を整える目的のために交付するお金です。

 

「雇用保険に加入している」「労働保険料の滞納がない」「従業員が1名以上いる」などが要件となっています。

 

補助金とは違い、この受給要件を満たせば原則だれでも受け取ることができます。

 

しかも、同時に複数の助成金を申請することもできます。「キャリアアップ助成金」「働き方改革助成金」「両立支援等助成金」など、要件さえクリアすれば申請額は増えていきます。

 

補助金も助成金も後払い

共通点としては、補助金も助成金も原則“後払い”であるということが挙げられます。

 

たとえば300万円の美容器具を購入するとき、100万円を助成金で払って、残りの200万円を自己資金で払う、ということはできません。

 

開業費用はまず自己資金や融資による資金で支払い、その後、補助金・助成金という形で戻ってくるというイメージです。

 

また、補助金や助成金は開業してもすぐには受給できない場合があります。

 

雇用に関する助成金がその一例です。受給要件の一つとして、従業員を雇用して6か月経っていることが求められます。

 

つまり、開業後6か月は受給要件が満たせないということです。

 

結局、要件を満たして、申請して、それからようやく助成金が手に入るので、1年以上かかるケースもあるのです。

 

まとめ:貰えるものは貰っておきましょう

補助金も助成金も、資金調達の手段として考えられますが、開業の初期費用は自己資金と融資で賄う必要があります。

 

最初から補助金や助成金に期待せず、まずは自己資金や融資、リース、ローンという資金調達方法を考えましょう。

 

一方で、補助金・助成金は返済義務のない資金ですから、自分の事業に当てはまる案件を探し、適したものがあれば受給要件を満たすように計画を立てていきましょう。

 

 

●文/コンシェルジュ室:安斎

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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