理想のサロンが遠のく!? “自己資金ゼロ”での開業がおすすめできないワケ

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資金ゼロ

私たちサロンコンシェルジュ室が行っている開業相談には、ネットで調べたり知り合いの美容師に聞いたりしたことの真偽を確かめにご来場される方もいらっしゃいます。

 

一番多いのは、「自己資金がゼロでもお金を借りることができるのか」というものです。

 

実際に借入れできた人がいるのであれば、それは事実なのでしょう。一方、借入れではない方法で、自己資金ゼロで開業する人もいます。

 

この自己資金について、ビューティガレージ・コンシェルジュ室としての見解は、「開業には絶対に自己資金は必要」というものです。

 

今回は“自己資金ゼロでの開業をおすすめしない理由”についてお伝えします。

 

自己資金ゼロでは理想のサロンは作れない

自己資金ゼロでの開業をおすすめしない理由はたった一つ。「自分の思う通りにサロンを作れないから」です。

 

借りるお金が多ければ多いほど、資金を自由に使うことができなくなります。

 

まして自己資金ゼロとなれば100%他人の資金に依存することになり、自分の理想のサロンを作るのはより一層難しくなるでしょう。

 

同じお金でも、出どころによって自由度が変わってしまうのです。

 

借り入れるお金は自由に使えない

開業にかかる費用は、小さなサロンでも1,000万円くらいは見ておかなければいけません。

 

この額の開業費用をすべて自分のお金で調達することは、かなりハードルが高いというのが事実です。

 

そこで多くの人は、出せるぶんだけ自己資金を投入し、それでも足りない部分を借り入れることになります。

 

たとえば、開業費用が1,000万円かかると想定し、300万円を自己資金として投入できる場合、700万円の借入れが必要です。

 

銀行で融資を受けるときには必ず、「何にいくらかかるのか」を明確にする必要があります。「700万円を内装と器具に使います」と申告して了解を得なければならないのです。

 

この借入れた700万円は、自分の自由に使うことはできません。「とりあえず700万円貸してください。700万円でサロンを開業する方法を考えます」では借りることができないのです。

 

自己資金がゼロでの借入れの可能性についてはここで追求しませんが、借入れの割合が100%ということは、銀行にOKを出してもらうために、“あらかじめすべての予算の用途を決めておかなければならない”ということなのです。

 

スポンサーや親からの支援は予算さえも決められない

自己資金ゼロで開業した人の中には、応援してくれる親や企業(スポンサー)から全額を借りる人もいます。

 

スポンサーからお金を出してもらうと聞くと、自由に使えるお金が降ってくるかのようなイメージがありますが、実はこういった資金は銀行からの融資に比べてかなり自由度が制限されます。

 

以下、実際に相談を受けた例をもとに説明しましょう。

 

支援者のいるオーナーが「ここなら売上を出せる」と思う物件を見つけて、デザイナーに内装見積もりを依頼しました。

 

15坪の物件に対して600万円の見積もりがでました。オーナーが見積もりを支援者に見せたところ、「内装は300万円までしか出せない」と言われました。

 

そこでオーナーがデザイン会社に値引き交渉をしたものの、折り合いがつかず別の業者を探す羽目に……。しかし別の業者でも「坪単価20万円の内装費では赤字になってしまう」とお断りをされました。

 

結局このオーナーは希望の物件を諦め、内装費300万円でできる物件を探すことになったのです。売上の可能性を捨てて、内装コストという視点で物件を探さざるを得なくなりました。

 

これは親族からの支援でも同じです。自分の息子を応援したいと言っても、1,000万円も投資してくれる親はそういません。そもそも美容室を作るのにそれだけの資金が必要だということさえ理解していない場合もあります。

 

1,000万円を貸してほしいとお願いしたら「開業なんかせずにこのまま雇われ美容師でいてくれ」と跳ね返かえされるケースもあります。

 

理想の自己資金は開業費用の1/3

上記のように、仮に自己資金ゼロで資金調達ができたとしても、ほとんど自分の好きなようには使えません。

 

かといって、自己資金だけで開業にかかる費用をカバーできる人はほとんどいません。だからこそ、自己資本比率を意識した借入れが必要なのです。

 

以前の記事でも書いたように、自己資本比率というのは、開業費用における自己資金の割合です。自己資金の割合が高いほど自由にお金を使えます。理想は開業費用の1/3を自己資金でカバーすることです。

 

開業費用は「設備資金」と「運転資金」に分かれますが、一般的に借入金は、設備資金(物件、内装、美容器具)に充てるケースが多いです。

 

これは第一に、物件、内装、美容器具はサロンを作るのに不可欠であり、一番お金がかかるため。第二に、金融機関側からすると失敗したときでも、サロンを売ることができれば現金化して返済に充ててもらえるからです。

 

金融機関からの借入れの場合、融資審査で事業の可能性が認められれば、望んだとおりの予算を獲得できます。つまり、借入金でも自由度が増します。

 

一方で、スポンサーや親族からの支援は、どんなに可能性のある計画でも相手の懐具合や主観的な判断から、望んだ金額をもらえない可能性があります。そこが大きな違いです。

 

自己資金を持つメリット

自由に使えるお金=自己資金を持つメリットは何でしょうか。

 

一つは、開業の過程で生じるトラブルに対応できることです。たとえば、内装工事などで予算以上に費用がかかってしまった場合、追加費用を捻出するのに自己資金は役に立ちます。

 

また、自由に使えるお金はサロン経営において重要な資源になります。売上が伸びないときに集客サイトに投資する、新しいメニューのため器具を導入するなど、自由に使えるお金があることで打つ手を増やせるのです。

 

何のために開業するのかもう一度考えよう

自己資金がゼロでも開業できる人はいると思います。しかし、コンシェルジュ室としては、まず自己資金を確保することをおすすめしています。

 

100%他人のお金で作ろうとすると、どうしても自分の思うようなサロンが作れなくなります。開業費用の使途を制限されるだけでなく、開業予算さえも制限されるのです。

 

それでも開業したいという人は、もう一度何のために開業するかを考えましょう。

 

どんなサロンの規模でも内装でもいいから、とにかく独立できればいい、というならフリーランスになるべきです。

 

完全にスポンサーに頼って開業するなら、もはや自分のサロンではありません。

 

何らかの事情で自己資金を増やせない人は多くいます。そういった人はまず具体的に目標を立てることをおすすめします。「いつまでにいくら自己資金を貯めるべきか」を明確にしましょう。

 

そのためには、開業を考えた段階から事業計画書を作っていくことが必要なのです。

 

「自分が目指すサロンを作るには、いくら自己資金があればいいのかわからない」という人は、ぜひ開業無料相談にお越しいただければと思います。

 

●文/コンシェルジュ室:安斎

 

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