開業で何を成し遂げる? “独立の意義”で変わる重視すべきポイント

公開日:2019/11/12  更新日:2019/11/12
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目的

コンシェルジュ室の開業無料相談には、さまざまな悩みをお持ちのお客さまがいらっしゃいますが、相談を受ける際に次のような質問をすることがあります。

 

「開業して何を成し遂げたいですか?」

 

これは、「どんなサロンを作りたいか」とは違う質問です。自分の生き方に関わる問いです。この答えには、その人の価値観が反映されています。

 

開業にはお金も時間もかかります。「貴重な資源を使ってでも手に入れたいものは何か」をはっきりさせておかなければ、“開業すること”が目的化してしまいます。

 

自分が何を求めているかを明確にすることは、理想のサロンイメージを描くよりも大切なのです。

 

そして、自分が求めるものによって、目指すべき目標や事業計画書でおさえるべきポイントが変わってくるのです。

 

今回は、そんな“開業の意義”によって変わる、おさえておくべきポイントについて解説します。

 

「エリアNo.1の繁盛サロンを作りたい」

「自分のサロンを大きくしたい」「ビジネスとして成功させたい」と思う人は、サロンの売上、客数を最大化することが第一の目標になります。

 

このタイプの人は、起業家マインドも高く、雇用されているときよりも厳しい環境に身を置くことを覚悟しています。

 

サロンの成功のためには、自分の時間を犠牲にしてでも働きます。時に、仲の良いスタッフにさえゲキを飛ばし、厳しい目標を課さなければなりません。

 

客数、売上を最大化させるためにはリスクも背負います。

 

自己資金が足りないといって初期投資を抑えて小さなサロンを作ってしまえば、開業しても自分の求めていることは達成できません。そのため、資金調達の段階からさまざまな障害をクリアしていく必要があります。

 

また、どうしても自己資金が足りないのであれば、1店舗目は小さく出してその後に店舗展開していくという長期的な目標も掲げなければいけません。

 

ビジネスとしての成功を求めている人は、後述する「自分の時間が欲しい」「仲間と楽しく働きたい」と思っている人とは全く異なる開業になります。

 

「雇用されているときよりも多くの収入を手に入れたい」

雇用されるスタッフでいる限り給与体系が決まっていますので、自分がどれだけ結果を出しても望むような収入が入ってこないこともあります。昇給のタイミングもわかりません。

 

美容師の年収は低いと言われています。給与に不満を持つ人の中には、開業することによって「収入を増やしたい」と考える人もいます。

 

このタイプの人は、事業目標を“収入”に置きます。営業利益から、借入の返済金、国民保険などの支払いを除いた金額が収入です。この金額が働いていたときの収入以上でなければいけません。

 

営業利益が当時の収入以上の数字になると儲かっていると錯覚します。しかし、実際に自分の手元に残る金額は営業利益とは異なります。ここを理解していないと、いつまでたっても儲かっているのに懐は潤いません。

 

さらに、現金収入が働いていたときよりも低くなったとなれば本末転倒です。まずは、サロン経営の収支構造をしっかり理解して目標を立てていきましょう。

 

「自分の時間を増やしたい」

美容師の仕事はハードです。あるサロンでは、朝早くからお店に入り、清掃・朝礼などを行い業務がスタート。忙しい日は、昼食もとらずにひたすら接客をします。

 

閉店後もすぐには帰れません。技術の練習を行ったり雑務をこなしたりして、夜遅くまで働くこともあります。

 

こうした「忙しい状態を解消したい」「もっと余裕をもって働き、家族との時間を増やしたい」と考えて開業を決意する人もいます。

 

このタイプの人は、売上や利益よりも“生産性”に注目しなければなりません。少ない客数で利益を最大化させる方法を考えます。

 

客数を増やして1席の回転数を上げるのではなく、たとえ1日1人でも儲かる仕組みを作ることが目標です。

 

固定客を逃したくないといって、お客さまの都合にあわせて予約を埋めていってしまうと、結局朝から晩まで働くことになります。

 

独立後は会計や労務も自分でやらなければいけません。自由時間を増やそうと思って独立したのに、業務が増えてかえって忙しくなってしまうということも起こりえます。

 

「サロンオーナーになる=自由時間が増える」ではありません。時間をうまく管理する能力が求められるということです。

 

「仲間と一緒に楽しく働きたい」

気の合う仲間とサロンを作れたら、楽しいのは間違いありません。しかし、店舗運営はビジネスです。経営していくうえで、仲間同士でも意見が分かれるのは想定しておくべきです。

 

実際に、共同代表を設けて3人でスタートしたサロンが、半年で仲間割れしてオーナー1人だけになったという事例もありました。

 

せっかく仲間と一緒に楽しく働きたいと思って開業したのに、最終的には一人でサロンを経営することになってしまったのです。

 

このタイプの開業は、仲間と楽しく働くための環境をどのように作るかが肝になります。

 

「売上、経費の配分方法はどうするか」「個人に売上目標をつけるべきか」。こうした部分を詰めていくこと大切です。

 

まとめ:自分が求めるものを明確にすること

開業はゴールではありません。開業は、あなたのやりたいことを達成するための手段です。

 

これを確認しておかないと、開業しても「こんなはずじゃなかった」と後悔してしまいます。

 

いくつかのタイプを紹介しましたが、「自分が達成したいこと」によってサロンの目標も事業計画書の書き方も変わってきます。

 

開業準備を進める前に、なんのために開業するのかを自問自答してみてください。

 

●文/コンシェルジュ室:安斎

 

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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