お金の“流れ”をチェック? 融資審査で自己資金を申告する際の注意点

公開日:2019/12/10  更新日:2019/12/10
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融資

前回の記事で、開業の際、資金面について「自己資金は口座管理すべき」とお伝えしました。

 

私たちコンシェルジュ室でも、開業サポートをするときには、自己資金が“通帳で確認できるかどうか”をヒアリングします。

 

しかし、どんなに自己資金についての注意点をお伝えしても、融資審査で担当者から指摘を受ける人がいます。

 

彼らはお金のプロです。不明瞭なお金についてはとことん追及してきます。

 

ちょうど先日私が担当したケースで、お客さまが融資担当者から記帳について指摘を受けましたので、くどいようですが今回も自己資金について書いておきます。

 

自己資金の定義を明確にする

私たちコンシェルジュ室は、自己資金を「毎月自分の収入から積み立てていった貯金額」と定義しています。

 

この定義によれば、口座のお金が“段階的に増えている経緯”が確認されなければいけません。

 

一般のサラリーマンであれば、会社からの給与以外の入金は考えにくいでしょう。もし給与以外に入金がある場合、このお金が何のお金なのか、どこから送金されたのかを答えなければなりません。

 

親族が亡くなって相続としてお金が入った場合などは、それに当てはまります。

 

また、「段階的に増えている」というのもポイントです。1年前までは貯金がなかったのに、「突然貯金が300万円になっている」というような状況は、自己資金として認めてもらいにくいでしょう。

 

前回も指摘したように、仮にこの300万円が自分の給与だったとしても、現金には名前がついていないので自分のお金だと証明することはできません。

 

親族からの支援金は自己資金ではない

SALONスターターでは、親族からの支援金も資金として認められると書いています。しかしこれは、「自己資金に含めて申告してよい」ということではありません。

 

以下の表は、日本政策金融公庫における創業計画書の「必要な資金と調達方法」です。

 

計画書

 

調達の方法の部分に、「自己資金」と「親、兄弟、友人、知人等からの借入」という枠があります。

 

親族からの支援金は、あくまで自己資金を補足するものという認識です。自己資金がゼロで、親族からの支援金だけを申告するのはNGです。

 

よくあるのは、本当は親族からの支援金があるのに、まとめて自己資金として申告するケースです。

 

審査担当者が実際に通帳を確認して親族からのお金を発見すると、「自己資金は○○円ですね」と事業計画書を修正されます。

 

両親からもらったお金を無意識に自己資金に記入してしまう人は多いようですが、自分で貯めたお金と親族のお金は明確に区別しましょう。

 

親族からのお金も記録が必要

前回の記事にも書きましたが、お金のやりとりは通帳上で記録しなければなりません。これは親族のお金も例外ではありません。

 

最近のケースでは、母親から100万円を手渡しされて、自分でATMから入金したというオーナーがいました。通帳に100万円の記録がつきましたが、これでは母親からのお金だという証明ができません。

 

担当者によっては、「母親が自分の通帳から100万円を引き出した記録を確認したい」と言うかもしれません。つまり、追加で母親の通帳を提出しなければならないのです。

 

親族からのお金=お小遣いといった認識になりがちですが、お金の流れもしっかり通帳で管理しましょう。

 

開業前に自分の通帳をチェック

日本政策金融公庫の面談では、「自己資金」「信用情報」「事業計画書」を軸に審査されます。事業計画書を作成する前に、「自己資金」と「信用情報」を確認すべきです。

 

これから開業準備をする人は、まず最初に記帳しましょう。そして、自分のお金の記録をじっくりと読んでみましょう。

 

自分のお金の流れがわかるはずです。入金でも支出でも、異常値があれば要注意です。

 

いつもとは違う収入・出費があった場合には、領収書など審査で説明できる物証を保管しておきましょう。

 

自分のお金の流れがわからないと、自己資金がいくらなのかも正確に把握できなくなります。

 

開業のためには自己資金を使っていくわけです。それが開業準備として使ったお金なのかどうかわからないと、どんどん自己資金が減っている印象を与えてしまうのです。

 

自己資金に関する記事を繰り返し書いているということは、融資審査においてかなり重要な要素だということを肝に銘じてほしいと思います。

 

●文/コンシェルジュ室:安斎

 

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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