事例から学ぶ! 居抜き物件でありがちなトラブルと予防策【内装編】

公開日:2019/12/24  更新日:2019/12/24
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内装 電気

前回の【契約編】に引き続き、実際に居抜き物件で開業した人の事例から、居抜き物件での注意点をお伝えしていきます。今回は“内装”についてです。

 

居抜き物件の最大のメリットは、“内装費を抑えられる”ことです。しかしながら、居抜き物件を契約したにもかかわらず、結果として内装費が大きくかかってしまうケースもあります。

 

あるサロンの例をもとに解説していきましょう。

 

シャンプーボール変更から生じたトラブル事例

居抜き物件を契約したオーナー。スパメニューを導入しようと、サイドシャンプーからバックシャンプーにすることを考えました。

 

バックシャンプーにするためには水道管を立ち上げる必要があり、結果としてシャンプーブースの床を一段高くすることになりました。

 

当初はシャンプーボールを取り換えるだけのはずでしたが、古いシャンプーチェアと新しいシャンプーボールの高さがどうしても合いません。結果としてシャンプーチェアをやめて、フルフラットのシャンプーユニットを導入することになりました。

 

すると今度は別の問題も。シャンプーチェアの長さがシャンプーブースの壁すれすれになってしまい、お客さまが通れないのです。

 

そのため、なんと壁をいったん壊し、シャンプーブースの大きさを広げて新しい壁を作り直すことになりました。

 

さらに今度は、壁をずらしたことでセット面とセット面の間が狭く窮屈に……。

 

最終的には、スタッフが少なかったこともあり、セット面のうち一席を使わないで稼働するという決断を下しました。今もセット面同士は狭い状態のままです。

 

居抜き物件を借りて、シャンプーボールだけを変えようとしたオーナーは結局、シャンプーユニットに取り換えて、床を上げ、シャンプーブースの面積を広げ、それによって一席が使えない状態になってしまいました。

 

居抜き物件をいじるのにはリスクがある

居抜き物件は本来、“そのまま使える”ことに価値を置いています。造作も、サロンが“そのまま”営業できるように設計されています。したがって、その造作や器具を変更することには一定のリスクが発生するのです。

 

一方でオーナー側は、内装費用が抑えられるため、本来かかるべき内装費を修理や器具の買い替えなどに使うことができます。内装は気に入らないけど、安いからという理由で居抜き物件を契約するオーナーもいます。

 

今回のオーナーも同じです。

 

まずは費用を抑えて物件を確保し、気に入らない部分は浮いた内装費で直していけばいいと思っていました。

 

居抜き物件はどうしても“前のサロンのイメージ”が残りやすいため、少しでも差別化したいという気持ちが出ることは仕方ありません。

 

では今回のケースのように、居抜き物件の造作をいじる場合、何が必要だったのでしょうか。

 

居抜き物件の内装で注意すべきポイント2つ

工事が必要なら現地調査を

居抜き物件では、前のオーナーも美容業を行っていたこともあり、水道やガス、電気といった設備容量が足りないなどというトラブルは少ないでしょう。それゆえ、オーナー1人で内観をして、契約してしまうケースもあります。

 

しかし、造作をいじったり器具を買い替えたりする予定がある場合には、工事業者と一緒に内観しましょう。事例にあったように、サイドシャンプーからバックシャンプーに変える場合には工事が必要です。

 

それに付随して、さらなる工事が必要になることもあります。

 

前サロンについてヒアリングを行う

同じ美容業とはいえ、サロンが違えば運営方法やメニューも違います。サロンをそのまま使うにあたっては、違いを認識しておかなければいけません。

 

たとえば、前オーナーが洗濯機を置かずレンタルタオルを利用していたら、当然バックルームに洗濯機を置く場所や水道管がありません。「自分はどうするのか」を考えなければいけません。

 

また、自分がパルッキーなどのスチームを頻繁に使う予定なのに対して、前サロンでは使っていなかったとなると電源の確保も必要です。コンセントが少ない場合には電気設備工事が必要になります。

 

居抜き物件は、前オーナーの営業体制に適うように設計されています。シャンプー台やセットイスが揃っていることだけで判断しないようにしましょう。そのためには、前オーナーへのヒアリングは欠かせません。

 

まとめ:居抜き物件でもスタートは事業計画書

居抜きのまま使うのか、直すところがあるのかによって、居抜き物件で開業する費用が変わってきます。

 

「シャンプーチェアを取り換えたい」「壁の装飾も変えたい」「最新の機器を入れたい」「ヘッドスパメニューを導入したい」など、要望が増えてくればそのぶん内装費が増えていきます。

 

造作譲渡金が300万円くらいになってくると、居抜き物件をいじるより、スケルトンでゼロからオリジナルサロンを作ったほうが安上がりになるケースもあります。

 

内装に関するトラブルを未然に防ぐためには、自分のサロンイメージを具体化したうえで内観することが大事です。つまり、事業計画書の作成です。

 

「その居抜き物件は、自分のイメージするサロンに近いのか」を比較検討できる状態にしておきましょう。

 

●文/コンシェルジュ室:安斎

 

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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