サロンの状況を把握して掲載しよう!オープン時からポータルサイトを利用するときの落とし穴
オープン時にホットペッパービューティーを使って集客を考えるオーナーは多いと思います。
ポータルサイトの集客効果は他の媒体よりも高いからです。そもそもサロンを探している人が見に来るメディアだからです。
しかし、必ずしも効果が上がらない場合もあります。
特に新規集客という点では、サロン側の環境が整っているかどうかを把握せずにポータルサイトを使っても、かえってサロンにとってマイナスな結果を招きかねません。
サロンの状況を把握したうえで、戦略的に活用しなければいけません。今回はポータルサイトを利用する上で注意したほうがよい状況をお伝えします。
勤務サロンでの指名客の来店が期待できないケース
以前働いていたサロンがポータルサイトを使っていたら、自分の指名客がオープン後もネット予約することが期待できます。
その指名客の来店が見込めれば、ポータルサイトを利用しても予約は入るでしょう。
オープン時の戦略としては、指名客にポータルサイトで予約をしてもらい、口コミを書いてもらうことです。口コミを見て新規客が増えるというサイクルが理想です。
しかし、勤務サロンから離れた場所でオープンとなると、指名客の予約が見込めなくなります。したがって予約枠の大半を新規客で埋める必要がでてきます。
指名客を期待できない場合には、とくに掲載店が多いエリアでは上位プランにしなければ予約をとるのは難しくなります。
したがってよりシビアに費用対効果を見極めなければいけません。
例えば30万円をかけて、いくら新規客売上を取れるのかを推測しなければなりません。リスクが高い場合には、集客手段を分散する方法を取ります。
ポータルサイト一本に頼らず、様々な媒体を使い認知度を上げる工夫が必要です。チラシ、ホームページ、SNSなど他の経路からの予約も含んだ集客戦略を考えましょう。
指名客が多く見込めてすでにキャパが限られているケース
サロンの規模と勤務先からの指名客によって、オープン時から既存客が確保できている場合はどうでしょうか。
今度は、新規客を入れる余裕がないために、ポータルサイトによる新規客が増えない可能性を考える必要があります。
この場合には、新規客を指標にして費用対効果を測定するだけでは意味がありません。すでに埋まっている枠が多いため、新規客が入る余裕が少ないからです。
指名客が多いならば、そこからの紹介で新規客を増やしていくという手段も考えられます。
単に目立たせるだけのためにポータルサイトに掲載するのはもったいないのです。
そこで、こうしたサロンはポータルサイトを利用する意図を明確にします。
単なる新規客の増加ではなく、空いている時間(アイドルタイム)の穴埋め、もしくはスタッフの育成などを目的を持って指標を作る必要があります。
平日の午後の売上をどう伸ばすか、スタッフAさんに何件割り当てるかなど、具体的な目標を考えていきましょう。
サロンの実力が未知数のケース
美容室としてのキャリアが浅い、店長経験がない、あまり指名客を持っていない、といった場合にも注意が必要です。
最近ではスモールスタートや居抜き物件による開業も増えてきており、開業するハードルは下がってきています。
特に、エステサロンやネイルサロンでは、実績がなくてもマンションサロンをオープンすることなどはよくあります。
しかし、こうした実際の実力が測れないサロンがオープン時からポータルサイトを使って集客することは、リスクを伴います。
つまり、技術がイマイチだったり、接客が悪かったり、店舗のマネジメントができていなかったりすることで、悪い印象を与えてしまうリスクです。
どんなにお金をかけても、実力が伴わないと集客としては逆効果になります。
ポータルサイトは影響が大きいメディア。悪い口コミが広がったら、信頼を回復できません。
すでに自分の指名客を抱えているサロンは自信を持って戦えば良いですが、スタイリストとしてのキャリアが浅く、自分の指名客も少ないのであれば、まずは実力をつけながら徐々に認知度を広めていくことが大切です。
具体的には、まずは、知り合いや親族に施術を受けてもらってフィードバックをもらう方法があります。
技術や接客だけでなく、サロン運営の段取りも含めて改善をしながら顧客を増やしていくのです。
自分の実力がどう評価されるかがわからないならば、メディアに大々的にだす前にコツコツと顧客の信頼を獲得していくことも戦略です。
まずは自分のサロンの状況を知ること
ポータルサイトは影響力が高く効果的な集客が見込める反面、取り扱いには注意が必要です。
効果を出すためには自分のサロンがどういった状況なのかを把握して戦略を練ります。
新規集客が必要であれば、ポータルサイトの費用対効果を見極めながら、様々なツールも利用しましょう。
予約枠がすでに埋まっている場合には、新規客ではなく、より明確な目的をもって掲載をしましょう。
自分の実績やキャリアに照らして、掲載を考えないと、マイナスの宣伝になりかねません。
それよりもコツコツと自分の実力を磨きながら、少しずつ認知度を高めましょう。
自分のサロンがどういう条件に当てはまるかをしっかり考えてからポータルサイトの掲載を判断しましょう。
●文/コンシェルジュ室:安斎
ビューティガレージ コンシェルジュ室
日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。
15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。
事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。