他のサロンから学び、自分のサロンに活かす!繁盛店を作るための競合調査
美容室は店舗ビジネスなので、その地域でお客さまを獲得するためには、ほかの美容室と競合になります。
したがって出店時には、市場調査だけでなく競合サロンについて調べておく必要もあります。
今は店内をのぞいたり、実際に施術を受けに行かなくても、様々なメディアでサロン情報が開示されています。
それをうまく活用して競合調査を行います。
競合サロンは先んじてそのエリアに出店して繁盛してきているはずです。
そのエリアの特徴をコンセプトやメニューに反映しているのかもしれません。
そこにヒントがあるはずです。
かといって競合サロンをまねをしてもうまくいくとは限りません。
競合調査では、
①他店と比較したとき差別化できるポイントを探ること
②そのエリアで繁盛している要因を探ること
を意識します。
目次
ベンチマークするサロンを決める
美容室はどのエリアにも多く存在します。すべてのサロンを調べる必要はありません。
そこでまずはベンチマークするサロンを決めます。
ベンチマークするサロンの基準はいくつかありますが、以下の3つを押さえておきましょう。
・同規模のサロン
席数やスタッフの数から考えます。
・出店場所付近のサロン
同じエリアでも駅をはさんでしまえば、違う商圏になる可能性があります。
・店内イメージが近しいサロン
ベースの色味や、雰囲気などデザインが似てくるだろうと思うサロンをピックアップしてみましょう。
追加でもう一つ。
ホットペッパーの掲載を検討しているのであれば、同じプランのサロンを選びます。
価格・メニューを調べる
「店舗の規模」「出店場所からの距離」「雰囲気」が似ているサロンが、このエリアでどういったメニューを訴求しているのかを調べます。
・カット価格:サロンで最も出るメニューはカット。それゆえエリアのカット平均単価を知っておく必要はあります。
ただし、指名料が入るだけで単価があがりますので、指名料を入れた場合についても価格を見ておきましょう。
・推しているメニュー/クーポン:サロンが何を訴求しているのかをメニューから推測してみましょう。
訴求したいメニューについては、そのウリや特徴を名前にする傾向があります。
「透明感リタッチカラー」「艶髪フルカラー」「3Dカット」「外国人風カラー」など、どういったメニューを訴求しているのかがよくわかります。
・価格戦略:特にホットペッパーなどのポータルサイトでは、クーポン価格が集客に大きく影響します。そこでのプライシングにも注目しましょう。
カット価格は7,000円と高めに設定して、カットカラーのクーポンを10,000円でだす。
それによって「カラーもやったほうがお得」と思わせるといった戦略を作っているサロンなどあります。
価格に関しても競合サロンから様々なことが学べます。
コンセプト・ターゲット層を探る
ベンチマークしたサロンが、どんなコンセプトを持ち、誰をターゲットにしているのかを探っていきます。
サロンコンセプトは、サロンがどの販促物にも掲載しているはずですので、複数のメディアを集めればおおよそわかります。
ホームページには「コンセプト」というカテゴリーがあるかもしれません。
ホットペッパーではトップページに書かれていることが多いです。
あるいは、どの特集に載せいているかでもサロンの目指している方向が見えます。
ターゲットに関してはどうでしょう。
実際にどのようなお客さまが来ているかは、サロンをのぞいてみないとわかりません。
しかし今は実際にサロンに行った人自身が、メディアで発信することも稀ではありません。
サロンあるいはスタイリストのSNSでは、フォロワーがサロンについての感想を書いていることもあります。
さらにホットペッパーでも、口コミ情報に「年代や属性」がわかるようになっています。
「どんな人」がそのサロンでサービスを受けたときに、「何に」価値を感じたのか。
こういったことがネット上でもわかるようになってきているのです。
自分のサロンに役立てる
最後に自分がベンチマークしたサロンと比較して、自分のサロンが差別化を図れる部分を洗い出しします。
・自分のサロンが優位に立てそうなメニューは何か?
・同じターゲットを狙っているとしたら、違うアプローチ方法はあるか?
以前紹介したポジションマップや3C分析を活用してみましょう。
また、ベンチマークしているサロンがやっている取り組みで、参考にすべき点も洗い出してみましょう。
・カラーリタッチを推進するような施策 3週間以内の再来店で割引を設定してみる。
・子育て世代が多い地域なので、子供連れで来店でき、子供が飽きないような仕掛けを作る。
競争があってこそサロンは繁盛する
競合が厳しい美容業界。人口が減っているので、顧客の取り合いが始まっています。
現在の状況は、供給側が増えすぎてしまったため、顧客は自由にサロンを選べるわけです。
ちょっとでもサービスや施術が悪ければ、あるいは自分とあわなければ、別のサロンに乗り換えることに躊躇しません。
できるだけ顧客と競合サロンの調査はしっかり行って「顧客の求めている価値を提供する」「他店と比較してよいサービスを実施する」という努力が求められます。
あくまで私見ですが、これだけ競争が激しい業界だからこそ、日本のサロンのクオリティは高くなったのだと思います。
繁盛のためには、健全な競争が求められるのです。
●文/コンシェルジュ室:安斎
ビューティガレージ コンシェルジュ室
日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。
15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。
事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。