エステサロン経営に不可欠な要素は?事業計画書は経営の要!
以前記事でも書いたように、美容室や理容室と比べてエステサロンは開業しやすい業種です。
マンションや自宅で始められたり、ベッドやタオルといった最小限の準備でオープンできたりするからです。
しかし、その反面、オープン後数年以内に閉店してしまうケースも多いと言われています。エステサロンも美容室同様に厳しい市場環境であることは変わりありません。
実のところ、美容所登録が義務付けられている美容室とは異なり、エステサロンが全国にどれぐらいあるかは正確にはわからないのです。
そのような厳しい世界で、長く営業を続けるために重要なポイントが「経営」です。
開業前から開業後を見越した準備が必要になります。その中でも「事業計画書」は経営の「要」といっても過言ではないでしょう。
エステサロンは比較的低予算で開業ができる業種のため、銀行からの借入れをしない開業者も多いです。銀行からの借入れがないということは事業計画書を作成するきっかけがないということでもあります。
今回はエステサロン経営に不可欠な要素や、事業計画書について説明いたします。
目次
エステサロン経営の成功に必要な3つの力
エステサロンは開業しやすい反面、競合が多く営業を続けていくのは簡単ではありません。
開業させることはできても、多くの方がその後「お客様が来ない」と頭を抱えることに。
「どうしたらよいのだろう?」と試行錯誤された結果、さまざまな方面にお金を使い、経営が立ち行かなくなってしまう方もいらっしゃいます。
安定した収入を確保できるサロンを営業していくためには、経営についてしっかり学ぶ必要があります。
その準備は開業前から行いましょう。
事前の準備がどれほどできているかによって、開業後の結果が大きく変わります。
まずは成功させるために重要な3つのポイントをみていきましょう。
技術・接客
サロンにおいて利益を上げる力になるのは、技術と接客です。サロンの提供するサービスを向上させることがお客さまへ価値を提供できる。ひいてはサロンの価値・ブランディングにつながるのです。
エステサロンは国家資格が不要です。それゆえ、どんなキャリアの人でもエステサロンを経営することは可能です。しかし、それゆえサロンサービスの技術には大きな差ができます。つまり顧客にとって当たり外れが大きいのです。
美容師のように一定の技術を国に認められているわけではないので、技術のレベルを知ることができません。したがって、評価は顧客になるのです。
サロンのサービス(技術や接客)が顧客に評価されるかどうか、これがサロン経営では大事なポイントと言えます。そして常にそれを磨き続けなければならないのです。
マーケティング
たとえ素晴らしいサービスを提供できるとしても、それを体験してもらわなければ評価されません。つまり、サロンの価値をしっかりと顧客に伝える必要があるのです。
サロンの価値を知ってもらう手段を考え、実践していくことが二つ目の大事なポイント、つまりマーケティングになります。
来てほしいターゲットに訴求する手段は多岐にわたります。その中から効率よく集客できる方法を選び、ターゲットに届くように戦略を考えなければならないのです。
計数管理
サロンを繁盛させていくためには利益を出すことが不可欠です。様々な手段を使って集客をして、高い技術でサービスを提供しても、それが利益につながっているかを常に管理していく必要があります。
それが計数管理です。
例えば、ホットペッパーを使って10人の新規集客ができ売上5万円を獲得できたとしても、掲載費が7万円だったら、2万円の赤字になります。
その場合、「費用対効果が悪いので掲載をやめる」「掲載内容を見直し単価を上げる」など、施策を考えます。
売上と経費を管理しながら利益を出すために工夫をしていくことが求められます。つまり数字をもとにPDCAを回していく力が不可欠なのです。
エステサロン経営には事業計画書が大切!
上記のポイントは、エステサロンに限ったことではありませんが、うまくエステサロンを軌道にのせていくためには、事前に経営者としての準備をしておく必要があります。
その中でも開業準備時に用意する事業計画書は経営の肝と言っても過言ではありません。
どのように作成していけばよいのか、順番にみていきましょう。
コンセプト設定・ターゲット決め
誰にどのような価値を提供するのかを考えていきます。この部分が事業計画書でもっとも大切な部分です。
コンセプトが明確になると、どのようなサロンを作り上げていくか方向性が決まります。
自分の技術や接客の実績、経験から、サロンのセールスポイントを見つけます。そして、そのセールスポイントに価値を感じてくれるターゲットを設定していくと、コンセプトが見えてきます。
それゆえ、自分の技術がどのレベルなのか、などを確認しなければなりません。また、マーケティングの手法を使ってサロンに通ってもらえそうなターゲットを絞ることがとても大切なのです。
※サロンコンセプトやターゲットについてさらに詳しく知りたい方はこちら
「何を書いてよいかわからない人のために!事業計画書に入れるべき項目とポイント【前編】」
資金計画
資金がどれくらい必要なのか、予算を決めます。
物件取得費用・内外装費・設備費用・材料費・広告費など初期費用だけでなく、開業後の運用資金も考えていきましょう。
ここでは自己資金だけでなく、資金調達の可能性も考慮して予算を設定します。
収支シミュレーションなどをしっかり行い、どのくらいの利益がでれば何年で開業に使ったお金を回収できるか、あるいは、どのくらい赤字が続くと資金がなくなりそうか、などを理解しましょう。
収支計画
具体的な売上目標や利益目標を立てます。
利益目標から損益分岐点を洗い出し、必要な売上目標が達成できそうかを考えましょう。無理のない計画かどうかを判断する基準は、自分の見込み客です。
以前働いていたサロンからの指名客や、親族・友人など、目標に対してどの程度達成できそうかを計算してみましょう。
目標に対して、大きく差がある場合には適宜修正していきます。しばらく赤字になりそうであれば、その時に減っていくお金を考えて、いくら資金を残しておくかを考えましょう。
※売上・利益目標について詳しく知りたい方はこちら
「何を書いてよいかわからない人のために!事業計画書に入れるべき項目とポイント【後編】」
戦略を考える
収支計画で設定した目標を達成するため、どれくらいの客数が必要なのか、単価をどう設定するかなど戦略を考えていきます。
また安定した収益を得るためにはリピーター獲得も大切です。
お客様にリピーターとなっていただけるよう、サービス内容を含めて戦略を立てていきましょう。
エステサロン経営で売上を上げるポイント
開業してすぐ、安定した売上を得るのは難しいです。どのようなポイントに気をつければ売上を上げられるのでしょうか?
ポイントを5つご紹介します。
初期費用を抑える
エステサロンを開業するため、まとまった初期費用が必要です。その中でも設備費用は、よいものをそろえようと思うほど金額が膨らみます。
しかし「本当にここまでの金額を使う必要があるのか?」と一度冷静に考えてみてください。
設備をすべて最上のものにするのではなく、費用をかけるところと抑えるところをわけることが大切です。
無駄な費用を省き、必要最低限の初期費用にしましょう。
適切な価格設定をする
お客様がたくさん来てくれても、単価が安すぎると売上は上がりにくいです。
よく目にするのが、お客様が来てくれるか心配だから…と価格設定を安くするケース。
開業時に決めた設定金額は値上げしにくいです。
そのため開業時から適切な価格設定をすることが大切です。
適正な価格とは何でしょうか。価格とはサービスの価値・サロンの価値です。私たちのサロンにはそれだけの価値があるという値段になるのです。
価格を安くするというのは、サロンの価値を毀損する可能性もあるという点は留意すべきです。
それを踏まえて価格設定を行いましょう。
顧客を増やす
来店してくれるお客様が増えないと、売上も上がりません。
マーケティングに力を入れて集客を行いましょう。
新規のお客様も大切ですが、リピーター獲得も重要です。
リピーターの方は定期的に来てくれるため、安定した収入へつながりやすくなります。
リピーター向けのお得な価格設定メニューを設置したり、ポイントサービスを設定したりして、また来たいと感じてもらえるサービスを提供しましょう。
施術以外の利益を得る
特に、エステサロンでできることは施術だけではありません。化粧水や美容液などの物販にも大きな可能性があります。
エステティシャンとして自分の技術だけで頑張りたいと考えている方もおられるでしょう。しかし施術するには時間の制約があり、どんなにがんばっても売上に限界があります。
一方、商品は限界がありません。最近ではネット販売も行えるため24時間365日売上を作れるチャンスがあるのです。
実際に、エステサロンのなかには、サロン売上における化粧品売上が技術売上を上回るところもあります
※ビューティガレージもサロンのECサイトサービスを行っております。
エステサロン開業も「ビューティガレージ」におまかせ
初めてのエステサロン経営で不安なことばかり…と悩んでいる方もいるのではないでしょうか?
自分だけでなんとかしようとすると、失敗するリスクも高くなります。
ぜひ「ビューティガレージ」にご相談ください。失敗しない開業・成功するサロン開業をアドバイスいたします。
開業無料相談を実施しておりますので、ぜひご利用ください。
まとめ
エステサロン経営は簡単ではありません。競合とどのように差別化できるかが非常に大切です。
・技術
・マーケティング
・計数管理
3つの能力を磨くために開業前からしっかり準備しておきましょう。
その近道こそ、事業計画書なのです。資金調達が不要だとしても、事業計画書を書くことで経営者が考えなければならないポイントに気づくことができます。
どのようにサロンを運用していきたいのか、一つひとつじっくり考えていきましょう。
ビューティガレージ コンシェルジュ室
日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。
15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。
事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。