美容室開業の成功への第一歩:事業計画書の作成に必要な項目とそのポイント
開業準備で最初にとりかかるべきは「事業計画書の作成」と伝えています。
しかしながら、多くの人は早速つまずきます。
理由はいくつかありますが、一番は「事業計画書にどんなことを書けばよいか」がわかっていないことです。
事業計画書を作ったことがないので、わからないのは当然だと思います。
開業無料相談では、事業計画書について丁寧に説明しています。
しかし、話を聞くのと実際に書いてみるのは全く違います。多くの人がつまづきます。
そこで今回は、事業計画書に書くべき項目とそのポイントについてお伝えします。
ビューティガレージが美容・サロンの開業をトータルサポートいたします。
まずは気軽に、ご相談ください。
>>『開業無料相談』に申込む。
目次
テンプレートを使いながら「中身」を考える
事業計画書は決まった形はありませんが、テンプレートを使ってそれに入力していくことが効率的です。
日本政策金融公庫から借入を行う際には、「創業計画書」というテンプレートがあります。
創業計画書のダウンロードはこちらから。
ビューティガレージでも事業計画書のテンプレートを無料でダウンロードできるようになっています。(LINEの友だち登録が必要です)
しかし、テンプレートにしたがって書けば事業計画書ができるかといえば、そうではありません。
書くべき項目があって、その意図を理解して書かなければ、役に立つ事業計画書にはなりません。
事業計画書は他者にも伝えるものです。
読み手にメッセージを伝えられなければ意味がないからです。
事業計画書に入れるべき項目は以下の6つです。
1)職務経歴書
2)開業のきっかけ
3)サロンのコンセプトやターゲット
4)資金計画
5)収支計画
6)サロン戦略
職務経歴書
美容学校を卒業してから現在までのキャリアを入力します。どこで働いてきたのか、スタイリストになったのはいつか、店長経験があるのか、など細かく書いていきます。
職務経歴書では2つの視点を意識しましょう。
美容師としてのキャリアをアピールする。
融資審査では「自分が独立にふさわしい」ことを示さなければなりません。融資担当者は、経営者としてやっていける人か、売上を作れる人か、などを判断します。
したがって、職務経歴書には、自分の実績やマネジメント経験の有無などを書くことが大切です。
あるいは「講師をしている」や、「ポータルサイトのメニューを考えている」などといった、アピールできる具体的な仕事内容は積極的に書きましょう。
キャリアの棚卸をおこなう。
もう一つ、職務経歴書では自分のキャリアを振り返ることで、「自分の強み」や「指名客から支持される理由」を再発見することも狙いです。
これは、サロンコンセプトやターゲットを決める時にも活かすことができます。自分の実績を振り返りながら、よく動くメニューや指名客の客層などを考察して、サロンの方向性を決める人もいます。
参考記事:『面談で何を聞かれる? 融資審査で抑えておくべき必須ポイント ~職務経歴書編~』
開業のきっかけ
開業のきっかけには2つのことを書きます。開業したい理由と開業のタイミングです。
なぜ独立をしたいのか?
開業自体が目的の人はいません。したがって開業をして達成したいことは何か、お客さまとどういう関係を築きたいのか、自分はどんな人生を歩みたいのか、を言語化する必要があります。
これまでの経験から、なぜ独立したいと思ったかを書いてみましょう。
なぜこのタイミングで開業しようと思ったか?
融資の視点からは「タイミング」についても書いておく必要があります。特に昨今コロナ禍で、店舗経営が難しいと言われている中、なぜあえてこのタイミングになったのかを説明すべきです。
「理想の物件が見つかった」「結婚した」「店舗異動があった」など様々なきっかけがあると思います。
参考記事:『面談で何を聞かれる? 融資審査で押さえておくべき必須ポイント ~独立のきっかけ編~』
サロンコンセプトとターゲット
自分がどんなサロンを作るのかを言語化する作業です。競合がひしめく美容業界で、生き残るためには差別化が欠かせません。
融資担当者も当然「このサロンは市場で勝てそうか」を見てきます。
誰にどんな価値を提供するか?
「色んな人に来てもらえるサロン」というのは、考えなくても誰にでも言えます。
まずは自分のサロンがターゲットにすべき客層を明確にして、そのターゲットにどのようなサービスを提供するのかを考える必要があります。
どんなセールスポイントで勝負するのか?
出店するエリアで、ここだけは他のサロンに負けないセールスポイントを言語化していきます。
カット、カラー、商材…自分のサロンはこのウリで勝負できるというサービスや技術を、融資担当者にアピールできるようにまとめましょう。
参考記事:『事例から考えよう!融資担当者に伝わる!サロンのセールスポイントの書き方』
自分の考えをまとめて発信する
事業計画書を作る意味を理解できない人は「とりあえず開業できればお客さまは来る」と思っています。
これ自体を否定するつもりはありませんが、サロン開業には多くのパートナーとの協働が待っています。事業計画書なしでは、他者を説得することはできません。
「誰でもウェルカムのサロンです」ではお客さまには刺さりません。
「自分のサロンが何を達成したいのか」を伝えなければ、スタッフと目標を共有できません。
明確なセールスポイントがないサロンは、市場では勝てないと融資担当者に判断されます。
事業計画書は基本的に調べて作るものではありません。自分の頭で考えたことを、言語と数字で表現します。
開業サポートでも、私たちがお手伝いできるのは、オーナーの考えをまとめたり、表現したりするところです。
少なくとも開業しようと思った時点で「自分はなぜ開業したいのか」「どんなサロンを作りたいのか」を考えるようにしておくべきです。
●文/コンシェルジュ室:安斎
ビューティガレージ コンシェルジュ室
日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。
15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。
事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。