小さいサロンでも指名客だけで営業するのは難しい!失客を見越して「新規集客」計画が必要です。

公開日:2022/05/30  更新日:2022/05/30
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美容室 集客

ここ数年は、小規模サロンの開業が増えています。スタッフを雇うのが大変なだけでなく、人間関係のしがらみが嫌で、一人でオープンする人もいます。

 

一人でオープンする場合には、これまでの自分の顧客=指名客が売上のポイントになります。「美容業は人につく」と言われる通り、一度指名客がつけば安定した売上が見込めます。

 

さらに規模の小さいサロンでは、家賃さえ抑えておけば人件費や広告宣伝費といった販管費がかからないため、働いていた時と比べてもより多くの所得を得ることもできます。

 

したがって、オープン時にはまず指名客をターゲットに営業するのは当然といえます。多くの開業者が、オープン時に前サロンから顧客を呼び込もうとします。

 

しかし、指名客が来ればもう十分と思ってはいけません。新規客は常に狙っていかなければなりません。

 

開業者の中には「指名客を大切にしたい」「時間をかけて自分のお客さまと向き合いたい」という目的を持っている人もいます。

 

だからといって新規集客を考えないでよいかといえばそうではありません。

 

指名客も失客する

失客の大きな原因は大きく3つあります。

 

1.美容室や美容師への不満

2.自分の都合

3.担当美容師の異動や退職

 

1は気をつければ防げる失客理由です。3の理由は独立すれば自ずと消滅します。問題は2。美容師やサロン側の理由ではない消費者側の都合。

 

美容室 開業

ライフスタイルの変化を機に生活が変わることで、サロンに通わなくなる、あるいは通えなくなるのです。

 

転勤によって引っ越しすることになった。専業主婦になったため、美容代を節約する必要がでてきた。コロナ禍で通えなくなり、近くのサロンに乗り換えた。

 

こうした要因はサロン側の努力ではどうすることもできません。「もう10代のころから常連です」というお客さまでも、いつかは失客する可能性があるのです。

 

ヘアログ『行きつけ美容室をやめたきっかけ1位「美容室や美容師に対する不満」が43%。行きつけ美容室をやめた理由のアンケート調査。』

 

小さいサロンは失客ダメージが大きい

二つのサロンを比べてみましょう。

 

美容室 開業

 

サロンAとサロンBは、同じ売上でも客数が80人と200人と2倍以上の差があります。

 

この場合、同じ人数が失客したとしたら、どの程度のマイナスが発生するのでしょうか。

 

80人の顧客のうち5人が失客した場合と、200人の顧客のうち5人が失客した場合だと、マイナス幅が大きく異なります。

 

客数が少ないサロンは5人が失客することで売上の7%も失うのです。単価を高くしているので月に60,000円のマイナスです。

 

その5人が年間6回来店してくれたとしたら、年間で360,000円ものロスになってしまいます。

 

規模が小さいサロンの場合、指名客の失客のインパクトが大きいのです。逆に言えば、Bのサロンは客数を増やすことで一人の顧客のサロンに与える影響力を消しています。

 

顧客一人に対するサロンの依存度を減らすことも大切なのです。

 

新規客こそ新しい可能性

固定客はよい意味で、サロン売上を読むのに役立ちます。

 

常に決まったメニューがでます。そういう意味ではオペレーションも楽です。がっつりカウンセリングする必要もありません。

 

一方で、指名客ばかりに対応していると、大きな変化は求められません。もちろん、試してもらうことはできますが、あまり強く訴求はできません。

 

これまでのサロンの雰囲気、関係性が変わってしまうことで失客につながる可能性が出てくるからです。

 

新しいメニューや訴求したい技術を試しやすいのは、新規客なのです。どうしても訴求したいメニューが、既存客にあわないのであればターゲット層を広げなければなりません。

 

サロンの可能性を伸ばすためにも新規客は必要なのです。

 

指名客は見込めても新規客対策は必要

「美容師は人につく」とはよく言われますが、出会いがあれば別れもあります。

 

一生顧客は理想ですが、現実的に考えれば、顧客との関係が続くことは難しいと言えます。

 

オーナーに求められるのは、現実に即した営業とリスク対策。つまり指名客が減っても、売上、利益が崩れないように新規客を開拓していくことです。

 

また、新しい客層を積極的に狙って、サロンのサービスの幅を広げていかねばなりません。

 

そうすると「ある程度、自分の指名客が見込めるので、集客は考えてない」とは言っていられません。

 

失客を予測し、穴埋めをするため新規客獲得の手段を検討していくことになります。

 

事業計画書の作成段階では、指名客の見込みに加えて、新規客獲得、リピート施策にもページを割く必要があるのです。

 

開業相談では具体的な集客施策についても一緒に考えますので、ぜひご利用ください。

 

 

●文/コンシェルジュ室:安斎

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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