目指せ目標達成!成果を出すための集客施策の考え方

公開日:2023/12/06  更新日:2023/12/06
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集客施策

美容室はレッドオーシャン市場。今や26万件を超え、どのエリアにもかなりの数の美容室が軒を連ねています。一方で少子高齢化が進んでおり、消費者全体の数も減っていきます。

 

だからこそ、どのサロンも集客には力を入れています。新規顧客の獲得と囲い込みはサロンの大小に関らず、もっとも重要な経営課題と言えます。

 

ただ、客数を増やしたいといって、闇雲に新しい集客ツールを導入したり、ホットペッパーのプランを上げたりしてもなかなか思うような成果がでません。

 

しっかりと成果に結びつけるためには、より細かな施策の設計が求められます。

 

今回は、効果を出すために必要な集客施策のプロセスを紹介します。

 

参考『販促ツールに頼らない! サロン集客の質を左右する考え方とリピート施策

 

売上目標と現状の差を把握する

「もっと集客を増やさないと」と感じるのは、売上を伸ばしたいから、もっと言えば利益を増やしたいからです。したがって、最初にやるべきは現状とありたい姿のギャップを把握することです。

 

ありたい姿とは何でしょうか。

 

ここではサロンの目標利益、目標売上になります。小規模サロンですと、目標を設定していない店舗も多く見られます。

 

しかし、問題を解決するためには目標と現状の差を把握することが第一歩。目標がなければその設定から始めましょう。

 

次に、目標売上と現在の売上を比べていきます。

 

目標売上が250万円に対して、現状の売上が215万円だったとします。

 

そうすると差額がはっきりとわかります。

 

250万円-215万円 = 35万円

 

つまり、サロンの問題は35万円の売上が不足していることになります。この差を埋めていくこのがサロンの課題です。

 

必要客数を算出する

では、次に35万円とは客数にするとどのくらいなのかを明らかにします。その時に使うのはサロンの客単価です。

 

売上=客数×客単価で表すことができるため、客数は売上÷客単価で算出できます。

 

ここではまず、サロンの客単価を調べてみましょう。過去の実績から数字を拾ってくれば簡単にわかります。例えば、サロンの客単価が8,500円だったとしましょう。

 

そうすると、350,000÷8,500 = 41.17人。

 

つまり、目標の250万を達成するには「42人の客数を増やさないといけない」ということがわかります。

 

現状の集客状況を確認する

増やすべき客数がわかりました。今度はサロンの特徴についても分析を実施します。つまり、毎月の客数の内訳を見てみるのです。

 

先月の来店客数を調べたら253人でした。

 

253人のうち以下の内訳になりました。

 

・オーナーの指名客:90人
・スタイリスト2名の指名客:140人
・新規客:20人
・リピーター(2回目):3人

 

さらにさかのぼって見てみると、230人程度はいつも固定されていて、新規客が20人前後、リピート客が5人前後(25%)という平均値がでました。

 

これから客数を増やせるとしたら「新規客」と「リピート客」で42人を獲得する必要があります。現状23人です。

 

どのように組み立てるのがよいでしょうか。

 

集客目標を決める

ここまで来て初めて集客目標を具体的に考えます。

 

42人を達成するには以下の目標が考えられそうです。

 

・新規客を今よりも増やすこと。

・リピート率を今よりも上げること。

 

この二つをうまく組み合わせて、今回は以下の集客目標に落とし込みました。

 

・新規客を20件から30件に増やす。(30件)

・リピート率を25%から40%に増やす。(12件)

 

より具体的な数字が見えました。ここでようやく効果的な施策を考える段階にたどり着きました。

 

施策を決める

新規客を増やす場合には、どんな方法が考えられるでしょうか。

 

新規客を30件にする施策案

・ホットペッパーのプランを上げる。
・新しいポータルサイトに掲載する。
・インスタ広告を打つ。
・指名客に対して紹介キャンペーンを行う。

 

一方、新規客のリピート率も課題です。

 

リピート率40%にする施策案

・2回目来店・次回予約特典を設定して案内する。
・公式LINEに登録してもらい、メッセージとクーポンを配信する。
・新たなCRMツールを導入し、自動でDMなどを送る。

 

色んな案がでましたが、リソースは限られているので施策を絞る必要があります。どの施策でいくのかを考えるためには、いくつか判断軸が必要です。

 

例えば以下のようなものです。

 

  • インパクト … 次回予約もしてくれそうな新規客が獲得できそうか。
  • コスト … 新規獲得単価が安いか。費用対効果が見込めるか。
  • 実行のしやすさ …明日からでも案内しやすい施策か。

 

こういった面を考慮して、実行すべき施策を決めます。

 

今回は「実行のしやすさ」と「インパクトの大きさ」を重視して、以下の施策に取り組みます。

 

・指名客に対して紹介キャンペーンを行う。
・2回目来店・次回予約特典を設定して案内する。

 

参考:『ホットペッパーだけでいいの?美容室開業時に必要な販促ツールとは?

参考:『失敗しないサービス導入の考え方!

 

施策を実施、検証する

施策が決まったら、迷わずに実行します。大切なのは「決めたことをやりきること」です。じつはここが一番難しいのです。

 

オーナーが号令をかけたのに、スタッフに浸透せずうまくいかなかった、という例はいくつもあります。

 

「次回予約を必ず案内する」と決めたのに、案内しなかった。「紹介キャンペーンを行う」と決めたのに、指名客に紹介キャンペーンのチケットを配布しなかった。

 

これでは、結局その施策がうまくいったかどうかを検証できません。必ず実行し、実行した結果を検証するところまでしっかり取り組みましょう。

 

そして検証の結果、うまく行かなかった場合には修正してまた実施します。この繰り返しこそが、成果を出すための王道なのです。

 

参考:『その広告でお客さまは来たのか? サロンの集客効果を測る3つの方法

 

まとめ:成果を出すためにはPDCAを回すこと

集客施策はサロンによって異なります。他のサロンがうまく行ったからといって、必ずしも自分のサロンもうまく行くとは限りません。

 

それゆえ、正攻法で集客施策を実行していくことが求められます。

 

1.売上目標を設定し、現状とのギャップを認識する。
2.目標達成に必要な客数を算出する。
3.サロンの集客状況を分析して、具体的な集客課題を決める。
4.施策を考え、絞る。
5.実行して検証し、施策を修正していく。

 

ポイントは2つあります。一つは課題を設定することです。

 

「売上を35万円増やす」よりも「客数を42人増やす」よりも、「新規客を30人にする」「次回リピート率を4割にする」という細かく具体的にしていくほうが取り組みやすくなります。

 

もう一つは実行して、それを検証することです。やると決めたことをやりきること。やったあと結果はどうだったかを振り返ること。

 

このあたりはサロンビジネスに限らず、あらゆるビジネスの基礎だと思っています。

 

集客にお悩みのサロンさまにも、ビューティガレージで集客施策の設計などをご相談をお受けしております。

 

経営無料相談」からお問い合わせください。

 

●文/コンシェルジュ室:安斎

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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