サロン経営にも役立つ!知っておきたい3つの法則
ビジネスには様々な法則があります。その中でも、サロン経営をしていくうえで役立ちそうな法則を3つ紹介します。
法則はあくまで「傾向」ととらえてください。
法則にでてくる数字の正確さには意味がありません。社会、経済、自然界の中でよく見られる経験則のことです。
この経験則を、自分のサロンにも当てはめて考えてみようというのが今回の趣旨になります。
パレートの法則(2:8の法則)
「全体の結果の8割は、ある2割の要素が影響している」という経験則です。
よくある例だと「世界の富の8割は、2割の富裕層が独占している」「売上の8割は2割の従業員が稼いでいる」というのが有名です。
これをサロンに置き換えれば「売上の8割は、2割のお客さまによって生み出されている」となるかもしれません。
まずはサロンの売上を分析してみましょう。前回、コラムでも顧客管理システムの話をしました。サロンの傾向を知ることは、カスタマー理解の第一歩です。
もし、上位2割のお客さまの生み出す売上が、サロン全体の売上の多くを占めているとしたら、この法則に当てはまっているかもしれません。
そうすると当然、この2割のお客さまへの施策を講じることがとても重要になるでしょう。
2割のお客さまに対して「販を売っていく」「単価の高いメニューをすすめる」といった対策を打つことが効果的になるのです。
サロンによっては2割ではなく3割かもしれませんが、この法則で言いたいことは次の通りです。
「サロンの売上に影響を与える顧客に対して働きかけよう」
まんべんなく、誰にでも同じキャンペーンを打つよりも、特定のターゲットに打つ手が効果的なのです。
1:5の法則
「新規客獲得コストは、既存客の獲得コストの5倍かかる」という法則です。
この法則にしたがえば、ホットペッパーの掲載費が高いのは当然です。ホットペッパーは新規客を獲得するためのコストだからです。
一方、リピートを促進するための予約システムやPOSシステムの利用料は、月額3万円~5万円。既存のお客さまに来店を促すほうが断然コストを抑えられます。
この法則を頭に入れておくと、新規獲得施策とリピート施策にどの程度コストをかけるべきかを考えるようになります。
- ホットペッパーでは、純粋に新規客獲得で、費用対効果を見るようになる。
- 新規客1件を増やすことと、2回目来店客を1件増やすこと、どちらに注力すべきかを比較するようなる。
ホットペッパーの掲載費を落として新規を少し減らしてでも、POSシステムを強化してリピートを増やすほうが費用対効果がよいかもしれません。
5:25の法則
「顧客の失客率を5%改善すると、利益の25%改善できる」という法則です。
この法則は、失客率を改善することの大切さを説いています。
1人の失客は、その顧客が1回の施術で10,000円の売上が立つとすると、6回来ていたお客さまであれば、年間売上の60,000円が消えてしまうわけです。
インパクトは、新規客が2度目の来店をしないことよりも大きいです。
開業間もない時には、コストをかけてでも新規顧客を獲得することに集中していくことは重要です。
しかし、時間が経ちリピート率も上がってくると、「失客を防ぐ」というフェーズに入っていくことになります。
なぜなら、ロイヤルカスタマーの失客はサロン全体の利益に大きく関わってくるからです。
売上が伸び悩む時には、失客状況を分析して、そこに手を打つことのほうが、コストを増やして新規客を増やすよりも有効な場合があります。
まとめ
3つの法則について簡単に解説してきました。
共通しているのは「効果を出すためには集中すべきポイントを見つけよう」ということだと思います。
まんべんなく、すべてのお客さまにキャンペーンを張るよりも、売上をもたらしてくれる上位のお客さまに絞って施策を行う。
新規客ツールを使って新規客もリピート客も管理するよりも、それぞれ新規、リピートについて費用対効果を考えて、ツールを分ける。
売上や利益が伸びない時もあれもこれも手を打つ前に、改善に大きなインパクトがある失客率の改善に目を向けて、手を打つ。
こうした法則を知っておけば、メリハリのあるサロン経営ができるのではないでしょうか。
ぜひ活用してみてください。
●文/コンシェルジュ室:安斎
ビューティガレージ コンシェルジュ室
日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。
15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。
事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。