【美容室開業のリアル】2023年度の開業者の自己資金と借入金
SALONスターターでは毎年開業サポートを行っているサロンオーナーの自己資金と借入金を集計して発表しています。
今回も開業サポートを受けていただいているオーナーの融資状況を集計いたしました。
2023年も引き続き円安や物価高騰などの影響があった年となります。これまでデフレだった日本経済はようやくインフレに進んでいるようです。
そのような状況で23年度の開業傾向はどうなっているかを見ていきたいと思います。
今回は2023年5月から24年4月までにオープンした美容室様25件のデータを集めました。
23年は居抜き物件での開業も多く、その案件を除いたスケルトンからのオリジナルサロンを対象にしました。
2023年度の平均開業費用
開業費用の平均は1321万円。自己資金は348万円、借入金は973万円になりました。開業費用にかかる自己資本の割合は(自己資本比率)は26.3%でした。自己資本比率は2022年度と同様の結果となりました。
SALONスターターでは毎年集計しているので、過去の状況と比較してみましょう。
開業費用と自己資金は直近3年間では一番高い金額となりました。後述するように、開業するサロンの規模は去年とそこまで変わりません。
資材や燃料費の高騰、人件費の高騰により、内装費、器材、商材の価格が全体的に上がったことが要因のように思われます。
参考記事:『【美容室開業のリアル】2022年度の開業者の自己資金と借入金』
参考記事:『インフレ時代の美容室開業戦略と準備ガイド』
サロンの大きさ
今回、集計した結果11~15坪の物件で開業したサロンが最も多くなりました。物件探しの問い合わせでも11~15坪の物件探し中の方が多い印象でした。
平均坪数13.1坪
希望する大きさが見つかっても、美容室開業では家賃、駅からの距離、設備(電気・ガス・水道)などもクリアしなければいけない為、理想に近い物件を探すのに時間がかかっています。
また、よい物件が見つかった場合には申込みに至る決断の早さも求められます。それだけ11~15坪の物件は多くの開業者が探しているようです。
内装費用
内装費用の集計をした結果、25軒の平均金額は734万円となりました。今回の内装平均金額734万円と平均坪数13.1坪で坪単価を計算すると以下のようになります。
平均坪単価56万円
今後、世の中の流れをみても建築費用や内装費用は以前と比べると年々上がっています。理想のサロンづくりをするためには、コツコツと自己資金を貯めるのは必須となります。
また、融資だけに頼らず分割やリースといった資金調達手段をうまく活用しなければならないと思います。
参考記事:『価格高騰時代の資金調達!融資とリースを上手に組み合わせよう』
開業スタート人数
集計結果は1~2名スタートが最も多く、25軒の平均スタート人数は1.6名でした。オーナーを含めての人数になりますので、実質一人サロンが多くなっています。
少人数サロンの場合、単価をどのように上げるかが大きなポイントとなります。
開業前に「本当にこのメニュー構成や単価で良いか」を考えていき、サロンの強みを最大限引き出して、少人数でも理想の技術単価を獲得していきましょう。
参考記事:『小規模サロン開業の注意点!すぐにキャパオーバーにならないためのポイント』
まとめ
23年度にビューティガレージでサポートした案件から平均開業費用を算出しました。22年度と比べて6%程度上がりました。
やはり内装費、美容器具などすべてにおいて価格が上がっていることが要因だと思われます。
そうした背景に加えて、人手不足という美容業界の課題もあり、できるだけ小さなハコで、少人数で開業するケースが目立ちました。
開業者はとくに資金面で不安定ですから、できるだけスモールスタートを目指していくと思います。そうすると、ますます物件を探すのに苦労する開業者が増えるのではないでしょうか。
物件はめぐり合わせです。いつ出てくるかわかりません。それゆえ自己資金の確保や事業計画書の作成など、開業準備をある程度進めておいて、適切な物件がでたら迅速に手を打てる状況を作ることが重要です。
ビューティガレージでは、毎年500件以上の開業相談をお受けしております。また多くの開業者様のサポートも行っております。
24年中に開業を考えている方はぜひ開業無料相談をご活用ください。
●文/コンシェルジュ室:安斎
ビューティガレージ コンシェルジュ室
日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。
15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。
事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。