美容室開業における金融機関からの借入れの流れ
美容室を開業する際には、多くの初期費用が必要です。設備の購入や内装工事、広告費用など、まとまった資金が必要になるため、金融機関からの融資を検討することが一般的です。
しかし、このプロセスは時間と手間がかかるため、しっかりと理解しておくことが重要です。
今回は、融資の申し込みから入金、返済に至るまでの流れを簡単にまとめてみました。
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目次
融資面接
申請準備
融資を申し込む前に、事業計画書や収支予算書、過去の財務諸表、身分証明書など、必要な書類を準備します。これらの書類は、金融機関が審査を行うために必要です。
面接の予約
書類が準備できたら、金融機関と面接の日時を予約します。融資担当者と直接話す機会が得られます。事業計画書を完成させる、計画を裏付ける資料を用意する、面接の練習をするなど準備をしっかりしましょう。
面接実施
面接では、融資の目的や返済計画、事業の展望について詳しく説明します。担当者はこれを基に、融資のリスクや返済可能性を評価します。
参考記事:『しっかり答えて開業資金を獲得しよう!審査面談で融資担当者が知りたいこと』
融資契約
審査
面接後、金融機関は提出された書類と面接の内容を基に、詳細な審査を行います。信用情報の確認や事業の収益性などが評価されます。
承認
審査が通過すると、金融機関から融資の承認が下ります。承認された場合、具体的な融資条件が提示されます。
契約書締結
提示された融資条件に同意すると、正式な契約書が作成されます。この契約書に署名・捺印することで、借入れ契約が成立します。
生命保険の加入
生命保険のメリット
融資の条件として、生命保険に加入することが求められる場合があります。これは、借り手が万一の事態に陥った場合に、金融機関が融資の返済を保険金でカバーするためです。借り手にとっても、家族が負債を負わずに済むメリットがあります。
生命保険の選択
主に団体信用生命保険(団信)に加入することが多いです。この保険は、借り手が死亡または高度障害になった場合に、残高が保険金で支払われます。
支払い
保険料は融資の金利に含まれている場合が多く、別途支払う必要がないことが一般的です。
入金
入金通知
融資契約が締結されると、金融機関から入金の通知が来ます。指定された振込先口座を確認します。
指定口座に振込み
通常、契約締結後数日から数週間以内に、融資金が指定された口座に振り込まれます。面接から入金まで、一般的には1ヶ月以上かかることがあります。
また、法人化して開業する場合ですと登記などが済んだ後、口座開設になるので注意が必要です。
参考記事:『お得なのはどっち? サロン経営における個人事業主と法人の選び方』
返済
返済開始
入金後、融資契約に基づき、毎月の返済が開始されます。返済スケジュールは契約書に明記されており、これに従って返済を行います。入金されてもすぐにオープンというわけにはいきません。つまりオープン前から返済が始まることがあります。そうしたことも想定したスケジュールを立てなければなりません。
返済方法
返済は、指定された口座からの自動引き落としや、振込による返済が一般的です。毎月の返済額には、元金と利息が含まれます。
返済スケジュールの遵守
定められた返済スケジュールを守ることが重要です。返済が滞ると、延滞利息が発生し、信用情報にも悪影響を与える可能性があります。
据え置き期間について
一部の融資では、元金据え置き期間が設定されることがあります。この期間中は利息のみを返済し、元金の返済は猶予されます。これは、事業が軌道に乗るまでの間、返済負担を軽減するための措置です。
まとめ
美容室開業のための融資を受けるには、計画的な準備とプロセスの理解が欠かせません。融資面接から契約、入金、そして返済までの流れをしっかり把握し、適切な計画を立てることが成功への鍵となります。また、融資の詳細や条件については、必ず金融機関と相談し、不明点を解消してから進めるようにしましょう。
参考記事:『キーワードは返済計画と資金繰り!コロナ融資から学ぶ失敗しない資金調達!』
●文/コンシェルジュ室:安斎
ビューティガレージ コンシェルジュ室
日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。
15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。
事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。