【美容室開業のリアル】2022年度の開業者の自己資金と借入金

公開日:2023/05/22  更新日:2023/05/22
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美容室 開業

SALONスターターでは毎年開業サポートを行っているサロンオーナーの自己資金と借入金を集計して発表しています。

 

今回も開業サポートを受けていただいているオーナーの融資状況を集計いたしました。

 

2022年は歴史的な円安や物価高騰など生活や仕事面でも大きな影響があった年となります。

 

そのような状況で22年度の開業傾向はどうなっているかを見ていきたいと思います。

 

2022年の平均開業費用は1237万円

今回は2022年5月から23年4月までにオープンしたサロン様39件のデータを集めました。下記が、集計の結果です。

開業費用

開業費用の平均は1237万円。自己資本は326万円、借入金は911万円になりました。

 

開業費用にかかる自己資本の割合は(自己資本比率)は26.3%でした。

 

SALONスターターでは毎年集計しているので、過去の状況と比較してみましょう。

2020年度 2021年度 2022年度
開業費用 1,137万円 1,224万円 1,237万円
自己資金 297万円 312.5万円 326万円
借入金 840万円 911.5万円 911万円

 

開業費用と自己資金は直近3年間では一番高い金額となりました。後述するように、開業するサロンの規模は去年とそこまで変わりません。

 

したがって、燃料や資材の高騰により値上がりした分、開業費用も上がったとみてよいでしょう。

 

親族からの支援金

今回は親族からの支援金の集計もしてみました。

親族からの支援は開業者39名中17名が援助を受け取り、平均金額は124万円となりました。自己資金の平均は326万円ですが、支援金を除くと202万円。

 

純粋に自分のお金は200万円であると言えます。

 

なお、あらためて指摘しておきますが、親族からの支援金とは「親族から無条件でもらえるお金」のことです。

 

「親が無利子で貸してくれる」というのは、借入金に含まれます。そうすると借入金が増えることになりますので注意が必要です。

 

サロンの大きさ

今回も開業したサロンの大きさを集計しましたが、相変わらず多いのは10坪以上20坪未満のハコでの開業でした。

サロンの大きさ

参考までに、

 

  • 10坪=33.05㎡=20.4畳
  • 20坪=66.11㎡=40.81畳

 

となります。

 

10坪以下で開業する人も7名いました。保健所の基準を満たすためには、一人サロンでも最低5坪は確保しておきたいところです。

 

必ず内装を始める前に保健所に行って相談しましょう。

 

平均技術単価の理想と現実

事業計画書を作成していくにあたり、売上目標や客数、メニュー構成など様々なことを計画立てしていきます。

 

その中で今回は「開業一年後の目標技術単価」について考えてみます。

 

昨今、ニュースでも取り上げられている人口減少や少子化問題などで客数が増える可能性は低くなってきています。

 

「技術単価をどのように上げるか」は、今後開業される人が向き合うべき経営課題です。

 

では、事業計画書の開業1年後(オープンして軌道に乗った時の数字)目標平均技術単価とホットペッパービューティーアカデミー2022年の客単価を比べてみましょう。

 

※参考:ホットペッパービューティー美容センサス

 

開業者が目指す開業1年後の目標平均技術単価 → 10,641円
ホットペッパービューティーアカデミー2022年女性一回あたりの客単価 → 7,345円

 

金額差が3,296円となりました。平均単価を上げるためには付加価値をどのようにつけるかが重要です。

 

サロンを繁盛させるためには、客数も大切ですがお客様ひとりひとりにパーソナルな提案を行い、理想とする技術単価を獲得していきましょう。

 

まとめ

2022年度も多くの開業希望者のサポートをさせていただきました。感覚的にも開業費用が上がった印象でしたが、実際に集計してみるとその通りでした。

 

やはり、開業も円安や価格高騰の影響を受けたと言ってよいと思います。

 

物価高騰の流れは今のところ収まってはおりません。したがって、同じ規模の開業であっても、開業費用は上がっていくのではないかと懸念しております。

 

開業者は、借入金の上限が決まっていることから、開業するためには自己資金を多くする。つまり、親族からの支援金に頼ることも必要になっていくかもしれません。

 

もしくは、借入金とは違う手段で資金調達する選択肢も考えることになります。

 

より戦略的に事業計画書を作っていかなければならないのです。

 

ビューティガレージでは、日本政策金融公庫からの借入れ以外にも、資金調達方法を持っております。ぜひお気軽にご相談ください。

 

 

●文/コンシェルジュ室:安斎

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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