居抜き譲渡で「こんなはずじゃなかった!」を避ける!成功のための徹底チェックリスト

「理想のサロンをオープンしたい!」そんな夢を叶える方法の一つが、居抜き物件での開業です。
初期費用を抑えられ、内装工事の期間も短縮できる魅力的な選択肢ですが、その一方で「こんなはずじゃなかった…」というトラブルも少なくありません。
特に初めての開業では見落としがちなポイントも多いため、今回は居抜き譲渡で失敗しないための注意点と、契約前に必ず確認すべきチェックリストをご紹介します。
目次
「造作譲渡費用」は「何」の対価?金額の妥当性を冷静に判断する
居抜き物件特有の費用が「造作譲渡費用」です。これは、前のテナントが残していった内装や設備などを買い取る費用ですが、「使えるものがないのに高額では?」と感じるケースも少なくありません。
ココが落とし穴!
「物」の価値だけではない可能性: 造作譲渡費用は、単に目に見える設備の価値だけでなく、物件に引き込まれている電気配線、給排水、ガス配管などのインフラ設備(スケルトンから整備すると数百万円かかることも)の利用権や、前テナントがスムーズに退去し、物件を速やかに引き渡すことへの対価が含まれている場合があります。
「ゴミ」に価値はない: 当然ながら、機能しない設備や老朽化した内装に価値はありません。
不必要な撤去費用が上乗せされることのないよう、何が残置され、それが本当に必要なものか、撤去費用はどちらが負担するのかを明確にしましょう。
チェックポイント!
残置物リストと写真の照合: 口頭だけでなく、全ての残置物のリストと写真を共有してもらい、一つずつ状態を確認しましょう。
専門家による見極め: 必要であれば、内装業者や設備業者に同行してもらい、残置物の状態や再利用の可否、撤去費用などを事前に見積もってもらいましょう。
居抜き物件の賃貸借契約において、国土交通省の「賃貸住宅標準契約書」は、契約内容の明確化とトラブル防止に役立つひな形として広く利用されていますが、居抜き物件特有の設備や残置物に関する規定は、別途契約書や覚書で定める必要があります。
交渉は「誰が」「誰と」行う?担当者間の連携と情報の透明性
居抜き物件の契約は、オーナー、前のテナント(売主)、新しいテナント(買主)、そしてそれぞれの仲介業者や不動産会社、内装会社など、多くの関係者が関わります。
この中で、情報の伝達ミスや認識のズレが生じやすいのが実情です。
ココが落とし穴!
担当者間の連携不足: 各担当者(例:営業担当、内装担当、融資担当など)間の情報共有が不足していると、話が食い違ったり、進捗が遅れたりします。
情報の不透明性: 誰が、どの段階で、誰と交渉しているのかが不明確だと、「言った」「言わない」のトラブルに発展しがちです。
交渉代理人の「裁量」: 前のテナント側に実質的な交渉権限を持つ人がいる場合、その人との直接のやり取りが重要になることもあります。
担当者がその人物の意向を正確に把握しているか確認が必要です。
チェックポイント!
交渉経緯の定期的な確認:担当者に、売主側との交渉の具体的な内容や経緯を定期的に報告してもらいましょう。
コミュニケーション窓口の明確化:疑問点や要望は、どの担当者に、どのような方法で伝えれば良いのか、事前に確認しておきましょう。
重要なやり取りは書面で:口頭での合意だけでなく、メールやチャットなど、記録に残る形で重要なやり取りを行うように心がけましょう。
「いつ」オープンできる?引き渡し時期の認識を徹底すり合わせ
「○月オープン予定で準備を進めていたのに、引き渡しが遅れてしまった…」これは居抜きトラブルで最も多いケースの一つです。
オープンが遅れることは、賃料の無駄や売上機会の損失に直結します。
ココが落とし穴!
売主の都合:前のテナントがお客様への閉店告知や片付けのために、一定期間の猶予を必要とする場合があります。これは募集要項に記載されていることが多く、その期間を確保した上での引き渡しとなります。
契約手続きのリードタイム:居抜き契約は一般的な賃貸借契約に加え、造作譲渡契約など複数の手続きが必要なため、想定以上に時間がかかることがあります。
情報の誤解:担当者から伝えられた「最短」の期間が、あくまで理想的なケースであり、実際にはもっと時間がかかる可能性を説明されていないケースもあります。
チェックポイント!
募集要項の確認:前テナントの閉店告知期間など、引き渡しに関わる制約を改めて確認しましょう。
具体的なスケジュール提示: 物件の申し込みから引き渡しまでの具体的なスケジュール(各手続きの所要期間を含む)を、担当者に明確に提示してもらいましょう。
遅延時の対応:万が一、引き渡しが遅れた場合の賃料の負担など、取り決めがあるか確認しましょう。
手数料は「何」に対して支払うのか?トラブル時の対応方針を確認する
居抜き物件の仲介には、不動産仲介手数料に加え、造作譲渡の仲介手数料が発生することが一般的です。
ココが落とし穴!
トラブル時の減額交渉:仲介会社の対応に不満がある場合、手数料の減額を希望することは自然なことですが、直接的な金銭被害がない場合、応じられるとは限りません。
「出会い」の対価:仲介手数料は、物件と顧客を「繋いだ」こと自体への対価であるとも考えられ、その後のトラブルが直接的な減額理由とならないこともあります。
チェックポイント!
契約前の確認:どのような手数料が、どのタイミングで、何に対して発生するのか、事前に書面でしっかり確認しましょう。
トラブル時の対応方針:万が一、仲介会社の対応に問題があった場合、どのような相談窓口があり、どのような対応が期待できるのかを事前に確認しておくことも重要です。
最後に
居抜き物件での開業は、多くのメリットがある一方で、上記のような見落としがちな注意点が存在します。
信頼できるパートナーを見つけ、疑問点はその場でクリアにし、重要なやり取りは必ず書面に残すことが、トラブルを避け、スムーズな開業を実現するための鍵となります。
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●文/コンシェルジュチーム:野呂
参照:
ビューティガレージ コンシェルジュ室
日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。
15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。
事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。