【専門家に学ぶ:税理士編】開業にあたって、まず何をすればいいの!?
SALONスターターでは、【専門家に学ぶ】シリーズとして、コラム形式でさまざまな専門家の方から「開業する際に知っておくとよい知識やノウハウ」を解説いただきます。
今回は、税理士法人の代表を務めながら、自身もサロン経営をされている珍しい経歴をお持ちである、税理士・公認会計士「貝沼 彩 氏」に解説いただきます。
開業にあたってまず何をすればいいの!?
専門家に学ぶシリーズの第1回目ということで、今回の内容は第1回目にふさわしく、『開業にあたってまず何をすればいいの!?』を題材にお話をしていきます。
内装、美容器具選定など自分のイメージ通りのお店も完成し、材料の選定、広告も準備OK! あとは、お客様の来店を待つのみ……。
と、その前に必要な作業があります! サロンをオープンするということは、皆さんが個人事業主として事業をスタートするということです(個人事業を前提としています)。
そして、個人事業主が事業をスタートする際には、税務署に提出しなければいけない書類、または提出しておいた方が節税になる書類があります。
必要書類(個人事業主のケース)
①「個人事業の開廃業等届出書」
②「所得税の青色申告承認申請書」
①の書類は、全ての事業主に提出が義務付けられている書類です。
②の書類については、提出しておいた方が節税になる書類です。
どんな節税になるかは、次回以降のコラムでご紹介します。
提出期限
①の「個人事業の開廃業等届出書」の提出期限は、「事業を開始した日から1ヵ月以内」です。
②の「所得税の青色申告承認申請書」書類は、「青色申告書による申告をしようとする年の3月15日まで」です。
ただし、1月16日以後、新たに事業を開始した場合には、事業開始の日から2か月以内です。
例:2020年の申告を青色申告で申告したい場合
事業開始年月日 | 2020年1月15日以前 | 2020年1月16日以後 |
提出期限 | 2020年3月15日までに提出 | 事業開始等の日から2ヶ月以内に提出 |
提出先
①②ともに、納税地(原則として自宅の住所地のこと)を管轄する税務署長宛てに提出します。
これらの書類は、下記の国税庁のホームページ、またはお近くの税務署から入手可能です。
http://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/mokuji.htm
提出するときには、1部をコピーして、2部を返信用封筒も同封して送付しましょう。そうすると、1部は税務署の収受印を押して、こちらの控えとして返信してくれます。
返信された控えは、過去にどういった書類を提出済みなのかと把握する為に大切ですから、しっかり整理して管理しておきましょう。
参考情報
従業員を雇う場合には、以下の書類も必要になります(詳しくは、今後のコラムでご紹介します)。
・「給与支払事務所等の開設届出書」
・「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」
・「青色事業専従者給与に関する届出書」
最後に
お客様が来店し、笑顔でお迎えして、質の高いサービスで満足して帰っていただく。とても大事なことですね。
そんな素敵なサロンをより繁栄させていくためにも、税金に関する頭の痛くなるような(!?)知識も大事です!
経営管理の一環として、これからは節税も気にかけていきましょう!
貝沼 彩(かいぬま あや)
貝沼公認会計士事務所代表
税理士法人みなと東京会計代表社員
税理士・公認会計士として、会計監査・税務・民事再生・デューデリジェンス等に携わると共に専門学校で公認会計士講座の講師を務める。
その傍らエステティックサロン[Vaogy]を経営。
税理士法人みなと東京会計
TEL.03-5777-2127
ビューティガレージ コンシェルジュ室
日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。
15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。
事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。