エステサロン開業までの7ステップ!準備すべき備品や資金調達まで解説
エステサロンは費用をかけずに開業できる場合も多いため、「とりあえずこれでいいだろう」と準備を進めている方がいるかもしれません。
しかしそのまま開業すると、お客様が満足できるサービスを提供できず、開業早々優良顧客を逃してしまう可能性も…。
具体的なデータは不明ですが、「新規開店したエステサロンの約半数が1年以内に、90%が3年以内に閉店している」と言われています。
激戦状態のエステ市場でお客様を獲得するには、開業前の計画・準備が重要です。
この記事では、エステサロン開業に関する下記の内容を解説します。
・エステサロン開業までの7つのステップ
・準備すべき機材や備品
・初期費用~広告費用まで、開業にかかる費用
・利用できる助成金・補助金 など
開業を検討されている方、準備中の方も、ぜひご覧ください。
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目次
エステサロン開業に必要な資格は?
エステサロンを開業するために、特別な資格は必要ありません。
誰でもすぐに開業できます。
ところが、ほかの業種よりも開業へのハードルが低い反面、多くのエステサロンが存在し、競争率の高さが大きな壁になっています。
さらに女性のエステサロン利用率は30%未満というデータもあります。※
数あるエステサロンの中から選んでもらうためには、ほかの店舗と差別化が必要です。
また「このお店なら安心してお願いできそう」と信頼してもらわなければなりません。
「認定資格」を取得していれば、エステティシャンとして高い技術やスキルを持っていると示すことができます。
現在は働きながら資格を取得できる、通信講座を開講しているものもあります。
資格がなくても法律的に問題はありませんが、経営面を考えるとエステティシャンの資格取得はおすすめです。
※ホットペッパービューティーアカデミー「エステサロン(フェイシャル、ボディ/痩身)編/美容センサス2024年上期」
エステサロンを開業させるために必要な届出
エステサロンを開業する際、届出を提出しなければなりません。
開業した日から1ヶ月以内に「個人事業の開業届出(開業届出書)」を税務署へ提出します。
「開業届」は所得税の申告にかかわります。
最大65万円の特別控除を受けられたり、最大3年間まで赤字を繰り越せたりできる青色申告ができます。
また屋号で銀行口座を作れるなど、さまざまなメリットがあります。
開業する前に事前に提出し、手続きすることも可能ですので、忘れないように早めに行いましょう。
保健所への申告は基本的には不要ですが、施術内容によって申告が必要なケースがあります。
例えばフェイシャルエステの施術の中で、化粧のノリをよくするために産毛処理やシェービングを行う場合は、理容師の資格と保健所への美容所登録が必要です。
エステサロンを開業するまでに必要な7ステップ
資格がなくても開業できるエステサロンですが、実際に開業までにやるべきことはたくさんあります。
そのため多くの方が、エステサロン開業までに1年以上の準備期間を設けているのです。
どのようなステップで開業の準備を進めればよいのか、8つのステップに分けてご説明します。
事業計画書を作成する
まず、事業計画書を作成します。
事業計画書は経営の基盤になるだけでなく、金融機関や公的機関からの融資や助成金・補助金を受ける時にも必要になります。
主なカテゴリーは次の3つです。
- コンセプト・ターゲット
- 資金計画
- 収支計画
コンセプト作りがしっかり設定されているかどうかで、開業後の運営が左右されるといっても過言ではないでしょう。
誰にどのような価値を提供するのか、具体的にコンセプトが決められると、自分が理想とするエステサロンへ近づけられます。
コンセプトと聞くと、内装の雰囲気や店舗のイメージと思われがちですが、事業の方向性や核となるものです。
エステサロンの存在意義や姿勢、サービスに対する価値観を定め、ほかの店舗と差別化を図ることができます。
また、コンセプトは運営を進めていく上でも重要なもの。
お客様のターゲット設定や内容・接客など、一貫した軸がないと、途中で矛盾が生じてしまいます。
すると、どこから検討し直せばよいのかわからなくなり、初めからやり直すことになる可能性も考えられます。
資金計画・収支計画では、どのようなサロンをいくらで作り、どの程度利益を上げるのか考えましょう。
サロンのゴールをしっかり決めないと、最悪経営が立ち行かなくなってしまいます。
この段階で提供するサービスや、料金設定も考えていきます。
必要な設備や機器などから、どの程度お金をかけるのか初期投資にかかる予算を設定しましょう。
実際に開業してからの具体的な売上目標や、利益目標も立てていきます。
この時に家賃や人件費など、毎月かかる経費についても考えます。
これらの目標を達成するため、どのくらいの客数が必要なのか、リピート率を上げるためにどのような施策を打つのか、戦略も考えていきましょう。
パートナーを探す
エステサロンの開業は、自分一人ではできません。
エステサロンそのものに対する知識や技術はあっても、内装やデザイン・美容機器についてなど、専門外のことを一人で進めることは難しいのです。
そのため信頼できる各分野のパートナーが必要です。
自分が理想とするエステサロンを作るため、その道のエキスパートに協力してもらいましょう。
ここで重要なことは、任せきりにしないことです。
エキスパートからさまざまな意見を聞き取り入れつつ、最終的には自分の意志で決定します。
ほかの方の力を借りながら、「一緒にエステサロンを作る」姿勢が大切です。
物件を探す
エステサロンを開業する物件を探します。
エステサロンは立地によって、収益が大きく変わることもあります。
競合や周囲の状況、そのエリアがどのような街なのか、アクセスのしやすさや店舗の見つけやすさなどをしっかり調査しましょう。
どのような立地なのかで賃貸料も変わります。
予算も含めて慎重に検討しましょう。
また立地のほかにも「外観」も重要です。
設定したコンセプトや、美容を向上させるエステサロンに合わない外観では、顧客獲得が困難になります。
自宅を一部改装するなどして、自宅で開業するのも一つの方法です。
また、マンションサロンという形で開業する場合には注意が必要です。
ビジネス目的でマンションを借りるにはオーナーの許可が必要です。
マンションオーナーの中には不特定多数の人がマンションに出入りすることを嫌う人もいます。住居用として借りて、だまってサロンを始めるとトラブルの元になります。
資金を調達する
自己資金だけでまかなえるのであればよいのですが、まとまったお金を得るために資金調達は重要です。
業者から見積もりを集め、開業に必要な費用を算出します。
資金調達には大きくわけて、次の5つの方法があります。
・親族からの支援
・日本制作金融公庫
・制度融資
・ローンやリース
・店舗リース
日本制作金融公庫は、金利が低く、保証人や担保が不要です。一定の条件を満たせば、誰でも融資を受けるチャンスがあります。
制度融資は、金融機関と地方自治体・信用保証協会が融資する仕組みです。個人にも低金利で融資を行ってくれますが、審査に時間がかかります。
店舗リースは店舗を作ってもらい、店舗作成にかかった費用をリース料として月々支払っていく資金調達方法です。
さまざまな資金調達方法があり、どの方法にもメリットやデメリットがあります。どの方法が自分にとって一番よいのか、慎重に検討してください。
また活用できる助成金や補助金は、積極的に利用しましょう。助成金や補助金の利用は条件によって異なります。どの助成金や補助金の対象になりうるのか、あらかじめ確認してください。
見積もりから計算した費用が、当初計画した予算を大幅にオーバーする場合、無理をして資金調達するのではなく、事業計画書の見直しや、物件選びをやり直しましょう。
契約する
資金の見込みが立ったら、いよいよサロン作りに入ります。そのためにさまざまな契約を結んでいきます。
融資契約や物件契約・内装契約だけでなく、材料業者との契約や一緒に働く方との契約などさまざまです。
不備がないようにしっかり書類に目を通し、わからない点はうやむやにせず、確認を行いましょう。
自分も相手も納得できる契約となるように、丁寧にすり合わせを行なってください。
店舗作りを行う
店舗を作っていきます。主に「内装工事」「器具・設備の設置」「インフラの整備」を行います。
内装工事は内装業者主体で進めるため、連携を取りながら進めていきましょう。
内装はサロン内の動線も意識した店舗作りが大切です。
お客様に質のよいサービスを提供するためには、お客様とスタッフそれぞれの動線を考えなくてはなりません。
また器具や設備は内装工事のスケジュールに合わせて購入・搬入の手続きをしていきます。
電気・ガス・水道などインフラの契約はオーナーが直接行います。電話回線やインターネットの設置も忘れずに。
電話とインターネットの設置には、数日〜数ヶ月かかる場合があります。早めに準備しておきましょう。
営業の準備
店舗作りと並行して、営業の準備も行っていきます。
お客様にきていただくためには、お店のことを知っていただかなければなりません。
ホームページの作成や、チラシ作りなど広告の準備を行います。
また予約システムやポータルサイトの導入などを行い、予約管理ができるようにしましょう。
来店していただいた後、施術・料金の支払いと一連の流れで必要なものを準備していきます。顧客管理システムを導入や、カルテの作成・保存方法などまで細かく確認します。
忘れてはいけないことは、営業中の事故やトラブルに備えておくこと。
万全の準備を行なっていても、何が起きるかわかりません。店舗賠償保険など、トラブルに対応できる術を準備しておきましょう。
エステサロン開業に向けて必要な機材・備品
エステサロンを開業するためには、必要な機材や備品も揃えなければなりません。必要なものをリスト化して、細かいものまで不足がないようにしましょう。
ベッドやスツール・大型備品
・ベッド
・スツール
・ワゴン
・エステに必要な機器
・タオルウォーマー/クーラー
・備品の消毒に必要な衛生機器
最低限必要なものが、ベッドやスツール・ワゴンなどです。大型のものほどスペースも必要になります。
ベッドやスツールは、お客様にとって心地よいものであるとともに、エステティシャンが使いやすいものを選ぶ必要があります。
エステティシャンの負担になりにくいクッション性のあるものや、高さ調節のできるもの、付属備品の取り外しが簡単なものなどを考慮して選びましょう。
タオルやシーツ・消耗品
・バスタオル
・フェイスタオル
・シーツ類(大判シーツ・ペーパーシーツ・フェイス用ミニシーツなど)
・替えの下着やガウンなど
・スリッパや化粧コーナーの備品など
タオルやシーツはお客様に直接触れるものです。なるべく質のよいものをそろえたいですよね。
しかしタオルやシーツは消耗品。使用回数が増えるごとに劣化していきます。
耐久性とコストも合わせて、どの商品を選ぶのか考えましょう。
書類や掃除用備品
・カウンセリングシート
・契約書類
・領収書
・店内掃除用の備品
カウンセリングシートや契約書類など、不備がないかしっかりチェックしておきましょう。
また店内を清潔に保つため、モップや雑巾など掃除用の備品も必要です。
店内環境を整えるもの
・BGMオーディオ機器
・グラスやカップ
・インテリア用品など
待ち合いや施術中に流すBGMや、BGMを流すためのオーディオ機器の整備を行いましょう。店舗のイメージに合わせたインテリア用品や照明機器をそろえてもよいです。
また施術後に飲み物を提供するのであれば、グラスやカップ、茶葉などの準備が必要です。
施術メニューに合わせて必要な備品
どのような施術メニューを提供するかによって、必要な備品も変わってきます。
例えばフェイシャルエステに必要な備品は、次のようなものになります。
・柔らかいハケ
・ガラスボウル
・スポイト
・ラバーボウル・スパチュラ
・拭き取り用のスポンジ
・パック
・コットン
・ハイガーゼ など
メニューに合わせて、どのような備品がどれほど必要なのか、しっかりリストアップしておきましょう。
置いておくとよいアイテム
ご来店されたお客様に満足していただくため、、施術中だけでなく、待合の時間も有意義なものにするアイテムがあります。
お客様は待っている間、部屋のインテリアや置かれている雑誌・広告をよく目にしています。
お店で取り扱っている化粧品などの商品やパンフレットを置いておくと、販売にもつながり非常に効果的です。
また、置いておく雑誌にもひと工夫をしましょう。
女性がよく好む「週刊誌」や「レシピ本」を置きたいと考える方もいるかもしれませんが、エステサロンは美意識を高めていただくところです。
「ファッション誌」や「コスメの紹介が多い本」など、美容関係の雑誌がおすすめです。
エステサロンを開業するために必要な費用
エステサロンを開業するためには、さまざまな費用が必要です。実際にどのような費用がいるのかご紹介していきます。
物件の初期費用
物件を借りるのであれば、家賃のほかに、敷金と礼金が必要になります。敷金・礼金は家賃の4〜6ヶ月分と考えておいた方がよいです。
補償金が必要な場合は、家賃の1年分が必要です。
内装のリフォーム費用は、物件によってさまざま。一般的な20坪程度のエステサロンであれば、100〜300万円程度の内容費用が必要だと考えましょう。
クロスや照明など、細かい部分にこだわった場合は、さらに高額な費用が必要になります。
備品の費用
ベッドやスツールなど、備品をそろえるためにも費用が必要です。
特に大型の備品は、ほかの備品に比べて費用もかかります。
ベッドは安いものなら数万円で購入できますが、電動のものであれば、15〜20万円くらいするものもあります。
機器の購入費用
エステの施術に必要な機器。どのような施術をするのかによって、必要な機器も変わります。
また機器も非常に高額なものから、お手頃価格のものまでピンキリです。500万円以上する脱毛機器もあります。
エステ器具の費用は資金調達の肝になります。高すぎる場合にはメーカーによってはレンタル・リースも行っていますので、利用しましょう。
消耗品の費用
タオルやアルコール・着替え・カルテなど、さまざまな消耗品にも費用がかかります。
しかしこれらは数万円程度あればそろえられるでしょう。
また消耗品として、体温計や手指消毒用アルコールなど、感染対策グッズの購入も忘れないようにしましょう!
広告費
お客様に来ていただくために、広告費も必要です。ホットペッパービューティーに掲載するのであれば、掲載料金がいります。
またホームページの作成にも費用がかかります。
自分で作成するのであれば、サーバー料など比較的コストを抑えられますが、ほかへ依頼するとなると数万円〜数十万円必要になります。
エステサロン開業時に利用できる助成金や補助金
資金調達は、どの業界のオーナーにとっても大きな悩みの種。この資金調達ができるかどうかで、開業できるかどうかが左右されるといっても過言ではないでしょう。
そこで活用したいのが「助成金」と「補助金」です。エステサロン開業に活用できるものをピックアップしています。
助成金の種類
助成金は返済の必要がない資金です。受け取るための要件が決まっているため、その要件を満たしていれば支給されることがほとんどです。
エステサロンを開業される方が申請できる、おすすめの助成金は次の5つです。
・トライアル助成金
・キャリアアップ助成金
・人材開発支援助成金
・地域雇用開発助成金
・自治体独自の助成金
国が設けている助成金もありますが、自治体が独自に設けている助成金もあります。どのような助成金があるのか、必ず調べておきましょう。
補助金の種類
補助金も原則返済不要です。
助成金との大きな違いは、要件を満たしていても、必ず支給されるわけではないこと。補助金は予算が決められているため、「最大何件まで」と決まりがあるのです。
おすすめの補助金は次の4つ。
・小規模事業者持続化補助金
・IT導入補助金
・ものづくり補助金
・地方自治体の補助金
こちらも地方自治体が設けている補助金があるため、どのような種類があるのか、自治体に問い合わせてみてください。
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15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。
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