独立するのか、しないのか!?パターン別に手取り予測してみた
フリーランスや、業務委託契約で報酬が安定している方、
もしくは正社員として長く働き、給料やポジションが安定している方、
(そろそろ店舗を持って独立したいなぁ。。。)と思っても、現在との比較からためらってしまうことが多いのではないでしょうか。
今回は独立するか、しないのか、どっちなんだい?と悩む、業務委託のAさんと正社員のBさんをペルソナ設定し、お二人が独立したときの手取りを予測していきます。
「自分と似ているケースだ」と思った方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
目次
AさんとBさんの条件
まず、AさんとBさんの設定はフリー入客数以外、同じとして考えます。
二人とも自分ひとりのサロンで開業しようと考え中です。
■条件
開業資金:200万円
借入資金:1000万円
坪数:15坪
家賃:15万円(初期取得費90万円)
内装:750万円
指名数:100人
フリー入客:Aさん20名(アシなし) / Bさん50名(アシあり)
客単価:1万円
業務委託Aさんの現状
Aさんは指名数が月間100人、フリー入客は20人で単価が1万円のため、
月間売上は120万円です。
アシスタントはつけていません。
報酬条件は指名売上が50%、フリー売上が30%という契約のため、
収入は56万円です。
ここから国民年金や国民健康保険、税金などを支払うため、約33万円ほどの手取り報酬となります。
材料費や家賃、水道光熱費などの経費は所属のサロンが負担してくれています。
業務委託Aさんの独立
上記の条件でシミュレーションした場合、
Aさんの損益分岐点は変動比率25%で売上40万円(客数40人)です。
独立したサロンの月間客数が100人(指名数と同じ)だと所得は50万円となり、手取りは下記のようになります。
■独立後、客数100人での手取り
白色申告:約31万円(勤めのときより少ない)
青色申告:約33万円(勤めのときと同じくらい)
月間客数が120人(勤めのときのフリーも合わせた人数)まで増えると所得は65万円となり、手取りは下記のようになります。
■独立後、客数120人での手取り
白色申告:約40万円
青色申告:約42万円
勤めのときよりも大きく手取りを増やせる結果となりました。
このシミュレーションより、
Aさんは独立したときに【フリーと合わせた今と同じ客数が集客できるか?】がポイントになります。
売上が軌道に乗るまでを考慮して独立の計画を立てましょう。
正社員Bさんの現状
Bさんは指名数が月間100人、フリー入客は50人で単価が1万円のため、
月間売上は150万円です。
アシスタントをつけて営業しています。
Bさんは正社員で店長をしており、固定給で40万円(手取り約33万円)を会社から支給されています。
材料費や家賃、水道光熱費はもちろんのこと、
交通費や事務用品などの経費も領収書を出せば全額会社が負担してくれています。
正社員Bさんの独立
Bさんの条件もAさんと同じ設定なので、
損益分岐点は変動比率25%で考えると売上40万円(客数40人)です。
Aさんと違う部分として、
Bさんは今まで個人売上が低かったときも手取り33万円を会社から毎月もらっていましたが、独立をするとそうはいきません。
手取り33万円を獲得するには客数100人以上を毎月達成しなければならないのです(Aさんの事例を参照)
手取りが安定しないということの覚悟が必要ですね。
Aさんと同様に月間客数が120人まで増えると手取りは約40~42万円になるので、
「独立したらお金増えたわぁ~」という実感も湧いてくるでしょう。
ちなみに、アシスタントを25万円で1人雇って、勤めのときと同じ150人を達成した場合は手取り約38~40万円となります。
まとめ
今回は独立するかしないかを「儲かるか?」に焦点をあてて考えてみました。
もちろん独立する理由はそれだけではありませんが、
「オーナーが開業して軌道に乗った際は、開業前よりも暮らしが豊かになるのか?」は公庫から融資を受ける際のチェックポイントの一つになります。
しっかりと将来設計をした中で独立に臨むとよいでしょう。
尚、今回シミュレーションで使用した経費の数値や比率は相場観から出しております。
「経費についてくわしく教えてほしい」「自分に置きかえたシミュレーションをして欲しい」という方は、
ぜひ、開業無料相談をお申し込みください。
●文/コンシェルジュ室:野呂
ビューティガレージ コンシェルジュ室
日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。
15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。
事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。