差別化は技術やメニューからは生まれない!サロンのポジショニングの大切さ

公開日:2022/05/16  更新日:2022/05/16
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美容室 開業

供給過多のサロンビジネスにおいて、差別化戦略は競争を生き抜くために必要です。

 

一方で、差別化は思っている以上に難しいのが現実です。

 

美容室の本質的なサービスはどこでも同じだからです。全国で25万件以上ある美容室では、近隣のサロンが同様の技術やメニューを導入していることは十分あり得ます。

 

したがって、提供しているサービス自体で差別化を行うことはあまり意味がありません。では何を差別化するべきなのでしょうか。

 

それは、サロンオーナーの考えや価値観です。オーナーの意見にこそ差別化のヒントがあります。

 

意見がサロンの差別化につながる

美容師として長年働いている人は、美容師という仕事について、あるいは美容業界の現状について自分の意見があるはず。

 

開業するということは、自分の意見をサロン運営を通じて表現していくことでもあります。

 

では意見とはどういうものでしょうか。意見には賛成・反対が生まれます。YESかNoで答えられるもの。

 

「~すべきだ」という言い切りができるものが意見です。あるトピックに対して賛成か反対かというポジションを表明することです。

 

逆にポジションを表明できないということは、意見を持っていないということでもあります。

 

これから具体的な例で話を進めていきましょう。

 

扱う商材についての意見

最近は扱っている商品によって、サロンをオーガニック重視とケミカル重視に分類できます。

 

これはどちらが正しいかではなく、オーナーがどういう意見を持っているかで決まります。

 

「オーガニックな商材を使った方が髪がキレイになる」と主張するか、「いや、化学成分を導入したほうが髪がキレイになる」と主張するか。

 

あえてそう主張することで、賛成反対が発生します。一定の人からは支持を得る一方アンチがでてきます。

 

オーガニックのほうが髪によいと思っている人は、ケミカル商材を推しているサロンには行きません。

 

しかし、ケミカル商材によって髪質が変わると信じている人はそこに行きます。

 

ではバランスをとって「うちはオーガニックもケミカルもバランスよく使っています」という主張はどうでしょうか。

 

こうした主張はどちらからも支持を得られません。どっちがよいと思う?という意見に答えてないからです。

 

つまり、意見を表明しないと目立たないのです。

 

接客についての意見

最近「カット+会話なし」というメニューを導入したサロンがメディアに取り上げられていました。賛否両論を巻き起こし、バズっていました。

 

これは、「会話の苦手な人にコミュニケーションをとる必要はない」という意見をサービスとして表現したと事例と言えます。

 

もちろん、美容師は接客のプロですから「会話の好きな人、苦手な人をみきわめて対応する」でしょう。

 

しかし大事なのは、ポジションを明確にすることで、会話が苦手な人の支持を得られるということです。

 

どちらでもできるのは、表明すべきことがない=特徴にならない、ということです。

 

接客についての自分のポジションを明確にすることで、何気ないことが価値になるのです。

 

サロンの価値に対する意見

最後にサロンの在り方についての意見も考えてみましょう。

 

開業サポートを受けたオーナー様に、美容室の価値とは何かを考えていただいたことがあります。

 

「おしゃれを楽しんでもらうこと」か「悩みを解決してもらうこと」という大きな2軸でポジションを明確にしてもらいました。

 

オーナーは美容室は「おしゃれを楽しむ場所」だという意見をもとに、40代でもポイントカラーや明るいトーンのカラーに挑戦できるサロンという差別化を行いました。

 

40代の中にも「白髪や髪のボリュームが気になる」という人だけではなく「年齢に関係なくオシャレの一つとしてカラーを楽しみたい」という人がいて、彼らをターゲットに訴求を行いました。

 

何度も言うように、美容師はプロですから、おしゃれも楽しんでもらえるし、髪の悩みも解決できます。だからこそ、ポジションをあえて取らないと差別化は生まれないのです。

 

「美容室とはオシャレを楽しむ場所だ」というポジションによって、それに賛同する人が集まるのです。

 

サロンの差別化を考えるならあえてポジションとる

美容師は技術者ですし、一定程度のクオリティに仕上げることができます。また、商品や成分に関する知識も豊富で、あらゆる悩みに対しての対処方を知っています。

 

だからこそ、そういう技術や知識の部分で差別化するのは難しいと言えます。

 

一方お客さまは、技術や知識ではなく、サロンがどんな意見をもっているかを知りたいのです。

 

忙しくて時間のない主婦に対して「子ども連れOKにすべきだ」という意見と「子どもは入れるべきではない」という二つの意見があったら、どっちに賛成でしょうか。

 

忙しいからこそ、子どもを連れてきて施術を受けるほうが主婦の時間節約になる?

 

忙しいからこそ、美容室にいる時間だけは誰にも邪魔されない空間にすべき?

 

大事なことは「どちらが正しいか」ではないということです。あえてポジションをとることで、賛成・反対を生み出し、賛成してくれるお客さまの支持を得る。

 

技術やメニューによる差別化ではなく、オーナーの意見や価値観から差別化をしてみましょう。

 

 

●文/コンシェルジュ室:安斎

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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