初出店の時には要注意!内装デザインの相見積もりの盲点

公開日:2023/11/01  更新日:2023/11/01
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美容室 内装デザイン

開業者は、内装デザインを決めるにあたって、複数の事業者から相見積もりを取るケースがあります。複数の事業者がデザインと見積もりを提出するため、決定に時間がかかります。

 

開業者にとって、内装デザインは「自分のお店」の象徴です。したがって、慎重に検討することは悪いことではありません。

 

さらに、開業費に占める内装費の割合が高いため、できるだけ費用を抑えようと思う気持ちもわかります。

 

しかしながら、特にはじめて店舗を作るサロンオーナーは、価格やデザインではなく内装デザイン会社の実績で選ぶべきだと思っています。

 

今回は、実際の開業者の事例を紹介しながら、相見積もりの注意点を紹介します。

 

相見積もりの目的

「内装業者は相見積もりを取る予定です」という開業者に理由を聞くと、「できるだけ内装費を安くしたいから」「デザインを比較したいから」という回答が多いです。

 

また「とにかく1社では相場がわからないので、複数取ってみて考えたい」という回答もありました。

 

しかし、残念ながら相見積もりをとっても上記の目的を達成することはないでしょう。なぜかというと、開業者側が内装デザインについて情報と知識が不足しているからです。

 

見積もりは、あくまで見積もり

まず価格の面ですが、どの事業者も正直、オーナーの予算にあわせて見積もりを作ることができます。

 

開業者「内装の見積もりをお願いしたいです」

内装業者「予算はいくらですか?」

開業者「できるだけ安く」

内装業者「できだけというのはどのくらいですか」

開業者「400万円」

内装業者「承知しました。400万円のプランで出してみます。」

 

あるいは、こんなやりとりが発生することもあります。

 

内装業者「予算はいくらですか」

開業者「できるだけ安く」

内装業者「できるだけというのはどのくらいですか?」

開業者「どのくらいが相場ですか?」

内装業者「この大きさだと700くらいですね」

開業者「そんなにするんだ」

内装業者「いくらまで落としたいですか」

開業者「どのくらい落とせますか」

内装業者「500くらいですかね。見積もりは作りますよ。」

 

この場合は、相場ではなく「御社であればこの大きさで内装工事をした場合の平均価格を教えてください」と聞くべきです。さらに言えば、実際は、物件の状態によって工事内容が変わるので価格はちゃんと調べないとわかりません。

 

ただ、開業者はそうした実態を知りませんので、結局事業者の提供する価格に寄せていくことになるわけです。

 

また、予算の低い見積もりを要求した場合、できあがりの状態に問題が生じます。

 

たとえ安く抑えて店舗ができたとしても、とんでもなくスカスカの状態だった、なんてこともあり得ます。

 

「ご希望の予算で作ったので、このデザインになります」と内装業者から反論された方もいらっしゃいました。

 

安い内装業者に依頼した結果、着工から引き渡しまで時間がかかった、ドアのしまりが悪い、塗装がすぐはげる、など様々な問題に悩まされた人もいました。

 

開業者はまだ内装デザインの知識・情報を持っていません。見積もりだけで判断することは危険です。

 

美容室の内装はデザインだけではない

 

複数の事業者からデザインを募集する目的で相見積もりをとる、というのはどうでしょうか。

 

そもそも、よいデザインとは何でしょうか。事業者のデザイン力を開業者が判断できるでしょうか。

 

デザインは好みの問題です。自分の好みにしたがって、こだわるべきところはこだわってもいいと思っています。

 

美容室開業における店舗デザインの価値とは

 

ただし、多くの場合、開業者は参考になるサロンの画像を事業者に提供して、それに近いテイストのデザインを出してもらいます。したがって事業者間で大きく差がでるとは考えにくいです。

 

それよりも価値があるのは「美容室としての機能を考えているかどうか」です。

 

例えば、「顧客同士が鏡越しに顔を合わせないように配慮してスペースを作る」といった機能面の提案にこそ目を向けるべきです。

 

美容室の営業で必要な電気やガスの容量などがわかるのは当然として、サロンの顧客・スタッフの作業導線を意識して店舗デザインされているかは、事業者によって大きな差が出ます。

 

以前、開業サポートをお手伝いしたサロンオーナーは、知り合いの内装業者に破格の値段で内装をお願いしました。

 

しかしその内装業者はあまり美容室を作ったことがなく、オーナーが伝えたいことが全く伝わりませんでした。

 

「バックシャンプーを取り付けたことがない」「コールドスペースの意味が分からない」

 

かなりコミュニケーションコストがかかり苦労したといいます。

 

はじめて開業する場合には、デザイン以外の部分で内装業者とうまくコミュニケーションがとれません。

 

したがって「美容室をよく理解している」内装業者を選ぶべきです。

 

デザインから入るべからず!失敗しない!美容室づくりの優先順位

 

価格に差がある場合にはまず疑う

 

相見積もりを取るなかで、あまりに価格に差がありすぎるケースもでてきます。

 

その時には、見積もり内容を説明してもらうなりしてしっかりと比較しなければなりません。

 

そもそも、美容室の内装工事は様々な細かな費用が積み重なって価格が決まります。

 

大きなものとしては、材料費・運搬費・人件費があります。

 

材料費とは、美容室を作るために必要な塗装材料や床材、材木といった資材とインテリアなどを指します。

 

内装業者が市場から仕入れるため、事業者間でも価格はほとんど差がありません。世界的なインフレの影響で物価が上がっているため、資材価格は上がります。そんななか安く材料を仕入れることはあまり考えられないです。

 

次に運搬費です。資材やインテリア、美容器具を運んでくる費用です。これについてもトラックなど、資材を運ぶ手段はどの業者も変りません。昨今、燃料価格も高騰していますので、その分運搬費がかかります。

 

つまり材料費、運搬費は、どの内装業者も大きく差をつけることはできません。

 

ではどこで価格に差がつきやすいのでしょうか。

 

それは人件費です。つまり、美容室を作るために動員する人の数や、一人当たりの人件費になります。

 

必ずしもそうではないかもしれませんが、安く内装を仕上げる事業者は、作業日程が長い傾向にあると思います。なぜなら投入している人件費が少ないからです。

 

作業してくれるスタッフの数が少ない、あるいはかなり安い労働力で作業をさせている可能性があり、それは美容室の完成にも大きな影響がでるのです。

 

まとめ:内装デザインは事業者の実績で選んだほうがよい

 

はじめて開業する人が内装デザインを決めるときには、無駄に相見積もりを多くとるよりも、実績のある内装業者に依頼すべきです。

 

  • 価格は高いかもしれないが、トラブルが少ないし納期遅れもない。
  • 美容室のことを知っているため、デザインだけでなく日々のサロンワークを考えて設計してくれる。
  • 内装デザインの知識・情報が不足しているため、相見積もりで正しい判断ができない。

 

価格が多少高くても、さっさと開業してお金を稼げば元を取れます。数十万の安さの差しかなければ実績で選ぶべきです。

 

逆に、数百万単位で差がある場合には、なぜそんなに安く提供できるのかを疑うべきです。

 

大前提として、はじめて開業して店舗を作る人には、内装デザインの知識や情報がありません。したがって、最初の店舗づくりは価格やデザインよりも「実績」で選びましょう。

 

実際、開業者は、はじめて店舗づくりを経験して多くを学びます。

 

1店舗目で内装デザイン会社選びに失敗したオーナーは、2店舗目を出す際にこんなことを言っていました。

 

はじめて開業したときは、あんまりよくわかっていなくて、安くてそれなりに格好良さそうなデザインに食いついてしまい、苦労しました。

 

でも一度店舗づくりを経験したので、どの辺を注意して事業者を選ぶかがようやくわかりました。

 

結局これが真実なのだと思います。

 

美容室の内装デザインについても、ビューティガレージはサポートを行っています。美容室のデザインに特化したタフデザインプロダクトにご相談ください。

 

資金調達についても、私たちサロンコンシェルジュと連携しております。開業相談からも内装デザインの相談をお受けしております。

 

●文/コンシェルジュチーム:安斎

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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