美容室開業のコストを左右する内装工事の全容

内装工事は、美容室開業の準備でもっともお金がかかります。昨今はインフレの影響もあり、原材料費、運搬費が値上がりしているため内装工事費は上昇傾向です。

しかし、顧客を呼べるクオリティの高いサロンを作るためには、緻密な計画と細かな工事の積み重ねが必要です。サロンとしての美しい清潔感のあるデザイン。サロンとして機能するための導線や設備容量。そして、保健所の基準を満たす設計。

美容室をオープンさせるためには、すべてを考慮した施工が求められるのです。おそらく内装工事の見積もりを取ったことがある人は、その内訳の細かさに驚いたことでしょう。

今回は、内装工事にはどんな作業があるのかを紹介していきます。

仮設工事

工事期間中の安全と効率を確保するため、仮囲いや足場、養生などの一時的施設を設置します。これにより、工事現場の安全管理と環境整備が行われます。

解体工事

既存の内装や設備を撤去します。これには、電気や水道、空調といったライフラインの撤去も含まれ、新たな設計に向けた空間を作り出します。

左官工事

壁や床の表面処理を行います。主にモルタルやセメントなどを使い、平滑な表面を作り出します。滑らかで美しい仕上がりを目指すために重要な工程です。

軽鉄工事

軽量鉄骨を使用して、新たな壁や天井の下地を構築します。これにより、空間の再構成が行われ、耐久性と安全性が向上します。

造作・建具工事

オーダーメイドの家具や建具を設計・製作し、店内に設置します。これにより、既製品を設置するのに比べて、美容室の機能性とデザインが一体となった空間が創出されます。

家具工事

受付カウンターやシャンプーカウンターなど、実際の美容業務に必要な家具が設置されます。これらは美容室の運営に直結する重要な要素です。

サッシ・ガラス工事

外部との接点となる窓やドアの枠組みを整え、ガラスを設置します。これにより、店舗の防音、保温、美観が確保されます。

タイル工事

壁や床にタイルを貼る工事です。タイルには耐久性や防水性を高め、美観を向上させる効果があります。

塗装工事

内外装の塗装を行い、美観と保護を兼ね備えた仕上がりを実現します。色の選定から施工まで、店舗のイメージに合わせて行われます。

表装工事

床や壁の仕上げ工事で、使用する材料や技術によって店舗の印象が大きく左右されます。細部にわたる配慮が求められる工程です。

照明器具

店内の照明計画に基づき、照明器具の設置と調整を行います。これにより、作業効率の向上とともに客席の快適性が保たれます。

電気設備工事

安全かつ効率的な電気システムの構築を行います。これには、照明の設置や電力容量の調整が含まれます。

空調設備工事

快適な店内環境を保つための空調システムの設置と調整を行います。温度や湿度の管理が美容室の快適性を左右します。

換気設備工事

適切な空気の流れを保つため、換気システムを設置します。これにより、室内の空気質が維持され、快適な環境が確保されます。

給排水設備工事

水道の供給と排水システムの設置を行い、美容室特有のニーズに対応します。水回りの機能性はサロンの運営に直結します。

ガス設備工事

必要に応じてガス給湯器などの設備を設置します。これにより、温水の供給がスムーズに行われます。

防災設備工事

火災警報器やスプリンクラーシステムなど、安全を確保するための設備を整えます。

サイン・シート工事

店舗の看板や案内板を製作・設置し、来店者に対して明確な情報を提供します。

参考記事：

『美容室開業における店舗デザインの価値とは』

『「デザイン」から「工事」までスムーズに！内装工事には一括発注がおすすめの理由』

『デザインから入るべからず！失敗しない！美容室づくりの優先順位』

まとめ

美容室の内装工事は、ただ単にサロンをオシャレにするだけでなく、機能性、安全性、快適性を総合的に考慮した設計が求められます。これらの工程を通じて、最終的にはお客さまにとって魅力的な空間が生まれるのです。

ビューティガレージでは、美容室内装デザインを数多く手掛けるプロデザイナーが、開業者に対して、こうした工程を丁寧に説明しながら見積もりをお出ししています。

もちろん開業費用を少しでも抑えたいという気持ちもよく理解できます。しかし、サロンの成功のためにはデザインも重要です。そうした資金繰りに関しては、我々サロンコンシェルジュにご相談ください。ビューティガレージはグループが連携して、開業を支援いたします。

タフデザインプロダクト

●文／コンシェルジュ室：安斎