デザインから入るべからず!失敗しない!美容室づくりの優先順位

公開日:2020/07/30  更新日:2020/07/30
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美容室 開業

開業者の中には、シンプルなデザインにして内装費用を抑えたいと思っている人がいます。

 

ところが、現地調査をしてデザイナーから提示された価格が予想以上に高いことに驚きます。

 

「なんでこんなに簡素なデザインにしてるのに、坪単価が50万円もするのか」「こんなに小さなハコなのに500万円以上もかかるなんて高すぎる」

 

実はデザインにかかる費用はそこまで大きくありません。美容室を作るためにはデザインだけを考えてはいけません。

 

美容室の内装を手掛けるときには①「設備(スペック)」②「保健所の基準」③「導線」④「デザイン」の順番に考えます。

 

逆に言うと、この項目について説明せず、デザインの話だけをして工事をすすめる業者さんは「美容室の内装」をよくわかってない可能性があります。

 

設備(スペック)

 

美容室を経営するためには、電気・ガス・水道が不可欠です。デザインの前に、美容室を営業できるための機能を確保します。

電気

電力が足りないと、ドライヤーを同時に数台使うとブレーカーが落ちるなど、サロンワークに支障が出ます。

 

また、動力と電灯が区分されてないと、エアコンも電灯で動かすことになりますので、かなりの電力が必要になります。

 

電力が不足している場合には、電力会社に建物への電気容量を増やしてもらいます。

 

ガス

シャンプーをするためにはお湯を出せるようにしなければなりません。ガスが通ってない物件の場合、建物にガスを通すにもお金がかかります。

 

電力に余裕があれば電気温水器(ボイラー)を使います。また、設置できる場所があればプロパンガスを利用します。

 

ボイラーは設置にお金がかかりますし、プロパンガスは使用量が都市ガスより高くなります。

 

水道

美容室にとって水量、水圧も死活問題です。多くのシャンプー台を使う場合に、引き込み給水管の口径が小さいとシャワーが弱くなります。

 

また、高層階テナントでは水圧も問題になります。水を上の階まで運ぶ力が弱いと、同じくシャワーが弱くなります。

 

解決するには貯水タンクを設置する、加圧ポンプを使うなど工夫が必要です。

 

前提として、美容室でどの程度のガス、電気、水を使うのかを把握できていないと、こうした問題に対処できません。

 

そして、まず手をつけるべきは何においてもスペックの確保なのです。

 

保健所の基準

美容室を営業するには保健所の許可が必要です。だから当然、保健所の基準を満たすように設計していかなければいけません。2つ例を出しておきましょう。

 

待合スペース

どんな小さな建物であっても、作業スペースと待合スペースは区分されなければいけません。

 

ゆったりとした開放的なデザインにしたいと思っても、必ず待合スペースを間引いて席数を確保します。結果として圧迫感が出てしまう場合には、席数を1席減らすことになります。

 

照明

美容師が作業する場所の照度は100ルクス以上を規定されています。

 

雰囲気を出すために店内をあえて暗めの照明にしたいと思っても、作業面だけは明るくなります。統一された照明ではなく、場所によって照明の種類を変えていくという手間も生じます。

 

保健所の基準については、自治体によって若干違います。最寄りの保健所に確認してください。

 

導線

導線は「お客さまにとっての快適さ」「スタッフにとっての作業のしやすさ」に大きく関わってきます。

 

特に物件の形にも大きく左右される導線は、お客さまやスタッフの立場に立って考えます。いくつか例を挙げておきます。

 

セット面とシャンプーブースが離れすぎていて、移動するの待合いスペースの前を通らなければならない。移動も長い上に、待っている人に見られることになる。

 

シャンプーブースが入り口から死角になっていて、スタッフが全員シャンプーを行っていたら、お客さまの入店に気づかない。

 

シャワーやBGMの音でお客さまを認知できない。お客さまも誰も出てこないことで無視されていると感じる。

 

お客さまの利便性、サロンワークの効率性などを考えたレイアウトが優先されるべきです。

 

デザイン

「設備(スペック)」「保健所の基準」「導線」の課題をクリアできてはじめて、デザインの話が進みます。

 

課題を解決するのにかかった費用で予算がオーバーしてしまうと、当然妥協すべきはデザインになってしまいます。

 

デザインは素材の質で大きく価値が変わります。壁にレンガを使うのと、レンガ調の壁紙を貼るのではまったく雰囲気がちがいます。

 

クロークやレジカウンターなども、雰囲気にあわせるならばオーダーメイドのほうが断然素敵になります。

 

デザインに関しては壁・床の質を変えること、オーダーメイドを既製品で代替することで、かなり見た目も価格も変わってきます。

 

費用とデザインの価値をうまく比較しながら決めていきましょう。

 

美容室の内装は機能→デザインの順

美容室をつくるためには、まずは美容室としての機能を優先して考えます。

 

サロンを作ったことのある工事業者であれば、最初からデザインの話をすることはありません。(もちろんどんなサロンを作りたいかをヒアリングしますが)

 

内装費にお金がかかるケースというのは、物件自体に原因があることがほとんどです。それだけ、物件(ハコ)の選び方が大切なのです。

 

しかし、完璧な物件などはそうありません。たとえば居抜き物件は、美容室のスペックは揃っています。しかし、立地や大きさなど、内装費以外の視点も考慮されます。

 

「この立地だったらうまくいきそうだ。でもハコ自体は課題が多い」私がサポートしてきたオーナーもそうしたジレンマに悩んできました。

 

それでも、内装の予算を増やしたり、デザインに工夫を施したりして理想のサロンを作り上げてきました。

 

その理由は、オーナーがデザイナーと二人三脚でサロンづくりをしてきたからです。

 

別の記事でも書きましたが、内装費は「お金を払えば、思うようなサロンができる」というものではありません。

 

オーナーとデザイナーが一緒になって考え、工夫して完成させるものです。

 

失敗しない美容室づくりの一歩は、一緒になって理想のサロンを作ってくれそうなパートナーを選ぶことです。

 

今日お話した美容室づくりの優先順位がわかっている人を、ぜひパートナーに選んでください。

 

 

●文/コンシェルジュ室:安斎

 

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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