その広告でお客さまは来たのか? サロンの集客効果を測る3つの方法

公開日:2020/01/28  更新日:2020/01/28
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集客

美容室などサロンにおける集客は、ひと昔前まで、紙媒体やチラシを使ったものがほとんどでした。

 

しかしこの方法では、実際にお客さまがどの媒体を見て来場したかを把握することは困難です。

 

クーポン券などを使ってお客さまがどの広告から来たかを調べることもできましたが、集計が大変でした。

 

これが現在では、ネットとスマホの普及によって集客の集計が格段に楽になりました。ポータルサイトでは、予約管理どころか月次の集客レポートなども出してくれます。

 

また、SNSではお客さまとダイレクトにつながるようになったため、お客さまに直接営業をかけることもできるようになりました。

 

集客ツールやPOSシステムに関してはさまざまな種類がありますが、肝心なのは“効果があったのか”どうかを知り、日々改善を行うことです。

 

今回は、集客の効果を測る基本的な3つの方法をお伝えします。

 

費用対効果

費用対効果は一番わかりやすい測定方法で、「その広告でどれだけ売上を上げることができたのか」を知ることができます。

 

「広告からの売上÷広告費」という計算式で表すことができ、数値が高いほど効果が高かったことになります。この数字が1を下回ると赤字です。

 

ポータルサイトに20万円をかけ、クーポン経由の売上が70万円だった場合、70万円÷20万円=3.5となります。

 

消費者は、ホットペッパーなどのポータルサイトから予約をする習慣がついています。

 

集客の目標を新規集客に絞る場合には、クーポン売上も予約数も新規顧客に絞った計算が必要です。

 

上記のクーポン売上70万円のうち、新規の売上が20万円だった場合、新規顧客に限った費用対効果は20万÷20万=1となります。

 

この例では、新規集客だけをみるとほとんど効果が出ていないことになりますが、既存客の売上の割合が高いということはリピーターが多いということです。

 

これによって、ポータルサイトが既存客に“予約のしやすさ”という価値を提供していることがわかるはずです。

 

広告に期待する価値は何なのかを明確にしておきましょう。

 

CPA(Cost Per Acquisition)

CPAは予約1件あたりにかかるコストを測る方法です。新規客1人を呼ぶのにどのくらい費用がかかっているかを計算します。

 

「広告費÷予約件数」という式で表せます。

 

ポータルサイト費用:20万円
新規予約件数:15件

ならば、

 

「200,000円÷15件=約13,333円」となり、1人の新規客を呼び込むのに約13,000円かかっていることになります。

 

新規客数が増えればコストが下がります。「どうやって広告費を上げずに、予約件数を増やしていくか」を工夫しなければなりません。

 

13,000円のコストをかけて獲得したお客さまが7,000円のメニュー1回で終わってしまえば「もったいない」と感じるでしょう。

 

リピートしてもらわないと元が取れません。この場合、リピートへの対策が重要になってきます。

 

また、このCPAはサロン内で共有することをおすすめします。

 

働いているスタイリストの中には「お客さまが来るのが当たり前」と思っている人もいます。

 

1人のお客様を呼ぶのにこれだけのコストをかけていることを伝える。すると、「何とかして次回も来てもらおう」と考えるようになります。

 

CPAをサロン内で共有することで、新規客に対しての接し方も変わってくるのではないでしょうか。

 

リピート率

これは「新規客をどれだけリピーターにつなげたか」を集計する方法です。これは集客媒体の効果よりも、サロンの営業による効果と言えます。

 

リピート率にはさまざまな測定方法があります。そして測定の仕方で結果も変わってきます。

 

新規客がいつ戻ってくるかを予測するのは困難です。人によっては1か月後に戻ってくるかもしれませんし、半年後、1年後に予約が入るかもしれません。

 

ここでは単純に、月単位で2回目来店者数の割合(2回目来店者数÷新規客以外の客数×100)をリピート率として計算してみましょう。

 

1か月の総客数:200人
新規客数:50人
新規以外の客数:200-50=150人

 

このうち2回目来店の人が12人だったとすると、

12÷150×100 =8%

 

この8%という数字は、あくまで来店客の中に占める2回目来店の割合ですが、広告費をかけて獲得した新規客が戻ってきてくれたということは、サロンの営業(技術・接客など)がうまくいっているという指標になります。

 

一方、新規客の中で再来店した人の割合を出すには、一定期間内(たとえば1年)での測定が欠かせません。

 

1年間の新規集客数:600人
1年間の2回目来店の人:70人

であれば、「70÷600×100=11.7%」になります。

 

どちらもリピート率ですが、毎月の再来店した人の数を追っていくほうが、わかりやすいと思います。

 

まとめ:集計したら分析を

数字は比較して初めて分析になります。

 

たとえばCPAが13,000円だとして、これが高いのか低いのかを判断するには、比較する対象が必要です。

 

比較は、時間(先月比、前年比など)での比較、他者(競合サロンなど)との比較が一般的です。

 

しかし、開業したばかりのサロンでは比較する対象がありません。だからこそ自分が立てた目標が比較の対象になるのです。

 

収支計画と比べてリピートは増えたのか、広告宣伝費に対して計画したような集客を見込めたのか。

 

こうしたことを分析しながら、打つ手を考え、目標を達成していくのです。

 

集客施策を考える場合には、まずは3つの基本的な効果方法を取り入れて考えてみましょう。

 

 

●文/コンシェルジュ室:安斎

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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