サブスクリプション(サブスク)のメリット・デメリット

公開日:2024/08/28  更新日:2024/08/28
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サブスクリプション料金(サブスク)は、定額制で一定のサービスを提供する仕組みです。

 

※以降文面サブスクリプション=サブスク

 

美容室でのサブスクは近年注目を集めており、特にヘアカットやカラー、トリートメントなどの定期的なケアが必要な方にとって魅力的な選択肢です。

 

しかし、サブスクにはメリットとデメリットがあり、それぞれを理解することが大切です。

 

今回の記事は利用者視点ではなく、経営者視点で解説します。

 

メリット

 

安定した収入源

サブスクリプションモデルでは、顧客が毎月定額料金を支払うため、サロン収入が安定します。

 

これは、従来の美容室ビジネスでの季節変動や予約キャンセルなどの影響を軽減し、経営計画を立てやすくする大きな利点です。

 

1月の年始後やお盆時期など、予約状況が読みにくい時期も安定した予約状況となります。

 

再来率の向上

サブスクを導入することで、顧客が継続的にサロンを利用するようになります。

 

利用期間を設けるため、お客様が他のサロンに乗り換えるリスクが減り、再来店率が向上します。

 

これにより、顧客獲得にかかるコストを削減し、リピーターの数を増やすことができます。

 

サービスの効率化

サブスクプランにより、提供するサービスがある程度固定化されるため、スタッフのスケジューリングや業務の効率化が図れます。

 

スタイリストデビュー前のアシスタント限定でトリートメントやヘッドスパ限定のサブスクプランをつくり、早い時期からお客様と接点を持つようにする取り組みをするサロンもあります。

 

マーケティングとプロモーションの効果

サブスクプランは、新規顧客や既存顧客に対するマーケティングツールとしても有効です。割引や特典を付けることで、顧客の関心を引きやすく、他店との差別化を図ることができます。

 

また、顧客データを基にしたターゲットマーケティングも可能になり、プロモーション効果を最大化できます。

 

デメリット

 

利益の圧迫

サブスクリプションモデルでは、月額料金が固定されているため、提供するサービスが過剰になると、利益率が低下するリスクがあります。

 

内容を決める際は感覚で決めるのではなく、お客様1人あたりにかかる時間や材料費を計算しメニュー作成をしましょう。

 

単価アップがしにくい

サブスクプランの導入により、提供する価格が一定化されます。

 

お客様はサロンに来店する動機はサブスクのプランのみを受けようと考える方も多いため、新メニューの提案やホームケアの話がしにくくなるデメリットもあります。

 

サロン側が提案する意識を高めないと、サブスク利用者は一定の金額で推移してしまう可能際があるので注意が必要です。

 

参考記事:稼ぐ力の第一歩!開業を見据えて単価アップに挑戦してみよう。

 

顧客満足度の低下リスク

サブスクリプションプランでは、サービスが標準化されがちです。

 

そのため、顧客が期待するサービスの柔軟性やカスタマイズ性が不足し、満足度が低下するリスクがあります。

 

サービス自体にサロンも顧客も慣れが生じてしまいます。

 

そうなると、サロン内での感動体験が生まれず、飽きに繋がってしまうケースもあります。

 

管理の複雑化

サブスクプランを導入すると、会員管理や契約の更新、料金の回収など、管理業務が増加します。

 

特に、多様なプランを提供している場合、それぞれのプランに対応した管理システムやスタッフのトレーニングが必要となり、運営が複雑化する可能性があります。

 

サブスクプランを展開する場合は、必ず対応できる管理システムや決済システムが必要となります。

 

参考記事:サロンに合わせたPOSシステムや予約システムの選び方

 

番外編

 

働き方改革

内容の仕組化やお客様一人当たりの時間が決まっているため、雇用者の勤務時間に合わせた予約管理が可能となります。

 

パート・アルバイトでも決められた時間の中で、生産性を確保できるので働き手にとってはメリットとなるでしょう。

 

まとめ

 

美容室の経営者にとって、サブスクリプション料金制度は、安定した収入や再来率の向上など多くのメリットを提供します。

 

しかし、コスト管理やサービスの柔軟性、顧客満足度の維持など、慎重な対応が求められるデメリットも存在します。

 

経営戦略としてサブスクを導入する際は、これらのメリットとデメリットを十分に検討し、バランスの取れたプランを設計することが重要です。

 

 

 

 

 

 

●文/コンシェルジュチーム:藤平

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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