現場で役立つ分析講座!具体的、行動がわかる!

サロン運営をしていると、お客様のパーソナルな情報の他に売上データが年々、蓄積されていきます。
経営の改善や戦略立てをするときに、感覚的な分析ではなく必要に応じた分析をすることで、より得策な道筋が見えてきます。
分析で知りたい情報の深掘りが出来るので今回の記事を参考にしてみてください。
今回はRFM分析を例に出しながらお伝えしていきます。
参考記事:繁盛店になるために!抑えておきたいサロンの販売戦略の基本
RFM分析とは?
R(Recency):最終来店日
顧客が最後に来店したのはいつかを算出し、最終来店日からの時間が短い顧客を高く評価
F(Frequency):来店頻度
顧客が何回来店したかを算出し、来店回数が多い顧客を高く評価
M(Monetary):累計利用金額
顧客の利用金額の総額を算出し、金額が高い顧客を高く評価
【特徴】
顧客を優良層・離脱リスク層などに分類を分けることが可能です。
再来施策やVIP戦略を考えるときにも有効です。
R=最終来店日(Recency)の分析例
まず、最終来店日が90日以上空いているお客様がリストに表示させます。
その中に、「A子さん」の名前が。
毎月来ていた常連さんです。
最近、確かに見かけないな…。
「もしかして、対応が悪かったかな?」
すぐに心を込めたメッセージを送りました。
「A子さま、最近ヘアスタイルの扱いやすさはいかがでしょうか?梅雨で髪の扱いづらさを感じたら、いつでもご来店お待ちしています」
3日後、予約が入り次回予約の確認も忘れず取っていただきました。
このように、来店周期がずれ始めたお客様や、最近あの方来ていないな。といったお客様を抽出し、すぐにサロン側でアクションをかけることが出来ます。
F=来店頻度(Frequency)の分析例
いつも、コンスタントに来店していただく「B子さん」
半年で6回来店(2ヶ月に一度の来店)
でもよく見ると、毎回カットだけで単価が5,000円ほど。
「いつも時間ぴったりに来て、会話の中で頭皮ケアにも関心がありそうだったな…」
次回来店時に「スカルプケア+10分マッサージ」を提案。
→ 見事に受け入れられ、単価は+3,000円にアップしました。
今回のケースでは、来店頻度が高い方を抽出し、来店時にどのようなプラス提案ができるか事前に考えたパターンです。
事前に提案を想定しておくことで、その方に合った提案ができ単価アップが実現できました。
M=累計利用金額(Monetary)の分析例
そして最後は、「累計金額の多いお客様」へのロイヤルカスタマー化です。
今回は集計表を元に「C子さん」年間20万円以上使ってくれているVIPのお客様がいらっしゃいました。
サロンへの貢献度が高いお客様に対し、特別施策を検討。
次回来店時には、特別に「トリートメント無料券」をプレゼント。
「いつもありがとうございます。今回は特別にサロンで新しく導入したトリートメントシステムを無料で提供いたします。」
仕上がりを楽しみにしていてくださいね。
仕上がり後、C子さんは髪の状態を大変満足し、「他の方にも○○サロンでやってもらったと宣伝しておくね」と笑顔でお帰りになりました。
今回、サロンのVIP層をより強くサロンのファンにさせることにより、広告塔としてサロンの認知拡大や評価の高い口コミ拡散に繋がることもあります。
サロン業界では新規客は安くお試し価格で提供し、常連客は同じメニューなのに高い金額を支払うことをよく耳にします。
常連客への特別感を提供し、差別ではなく顧客ランクに合わせた提案をしていくことも必要かもしれません。
まとめ
R(最終来店日)で「離れてしまいそうな人」に気づける
F(来店頻度)で「習慣化している人」に+提案できる
M(累計金額)で「大事な人」を特別に扱える
数字は苦手といった方も、数字を分析すればサロンの「今の状況」や、「今後やるべきこと」が見えてきます。
分析だけで終えるのではなく、分析した後の「行動」が最も重要となります。
大切なサロンデータを、大切なお客様に向けて活用していきましょう。
●文/コンシェルジュチーム:藤平
ビューティガレージ コンシェルジュ室
日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。
15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。
事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。