開業コンシェルジュに訊く! 失敗するサロン・成功するサロン〈後編〉

公開日:2018/07/24  更新日:2019/09/17
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美容室開業コンシェルジュ

ビューティガレージの内藤です。前編に引き続き、コンシェルジュ室の責任者・鴨川へのインタビュー後編です! 開業についてさらに具体的な話を聞くことができましたので、ぜひ最後までお付き合いください。

 

美容室開業のトレンドは小規模化と2極化

 

内藤 「成功するサロンの前提として、開業者の“計画性”と“熱意”が重要であるということでしたが、美容業界自体も大きく変わってきていると思います」

 

鴨川 「美容室は全国で約24万件あります。これはコンビニの約5倍。そして日本の人口はますます減っていきます。こうした厳しい競争の中で戦うという意識を持たなければいけません」

 

内藤 「最近の美容業界のトレンドも変わってきましたか?」

 

鴨川 「今後しばらく、あと数年は小規模サロンが増えるでしょう。美容師の数も減ってきていますので、ますます淘汰が進むと考えられます。大型サロンは美容師の雇用・育成に苦労しています。

 

一方で、業務委託(フリーランス)の美容師も増えています。席数が余っているため、業務委託の美容師に面貸して、売上を確保するサロンも多くなっています。

 

また、傾向として、カット専門店・カラー専門店など、『専門分野に特化した低価格サロン』チェーンと、特別な技術やサービス、非日常的な空間など、『付加価値を提供するサロン』の2極化が進んでいます」

 

成功するサロンは「ターゲット」と「ウリ」が明確

 

内藤 「そういう厳しい状況の中で、生き残ることができるサロンの条件とはどんなものでしょうか?」

 

鴨川 「明確なサロンターゲットとウリの設定だと思います。今、サロンに求められるニーズは、単に髪を切ってもらう、カラーしてもらうということだけではありません。お客さまの悩みを解決するサロンにならなければ差別化は難しいでしょう。

 

たとえば、伸びた髪を切るサロンではなく、『お手入れがラクになるカットサロン』のように、ウリとターゲットを明確にします。このサロンのターゲットは、忙しいOLさん。朝の支度に時間がかかるという悩みに、クシを通すだけでスタイルが決まるヘアカットというサービスで解決案を提示しています。

 

こんな感じで、自分のサロンは、誰のどんな悩みをどう解決してくれるサロンなのかを考える必要があります」

 

計画では“どうやって目標を達成するか”を考える

 

内藤 「これだけ競争が激しいとリピート客を増やすことも大変だと思います」

 

鴨川 「ここもやはり、計画性と熱意がモノを言うと思います。どうやってリピート率を上げていくかを考えなければお客さまを増やすことができません。ただし、リピート率60%と目標を立てるだけでは意味がありません。戦略を練ることが大切です。

 

新規のお客さまは、最低でも3回来店しないとリピーターにならないと言われています。ということは、最低3回は通ってみたくなる仕組みを作る必要があるということです。

 

3回通えばお得な割引券がもらえるステップアップカードを作ったり、次回のカラーのリタッチを1回無料にしたり、いろいろ知恵を絞って実践していく。効果を検証して失敗したら、くじけずにまた違うアイデアでチャレンジします。粘り強くやっているうちに、自分の成功パターンが見えてくるものです」

 

内藤 「最後に、これから開業を目指している人にひと言お願いします」

 

鴨川 「美容業界は飽和状態で、競争が厳しい環境です。その中で勝ち抜くサロンを作るためには、緻密な計画性と、どんな状況でも戦い続ける強い意志が必要です。他のサロンをまねするだけでは成功しません。

 

一方で、一人で悩む必要はありません。開業無料相談で目指すべきサロン像を見つけるお客様もいますし、やるべきことが明確になる場合もあります。コンシェルジュ室は開業者のサポーターです。漠然と開業を考えている人でも構いません。ぜひご来場いただき、初めの一歩を踏み出しましょう」

 

インタビュー後記

「サロンコンシェルジュとは何ぞや?」という疑問から始まったインタビューでしたが、お客様と同じだけ、またはそれ以上の情熱をもって向き合うコンシェルジュ・鴨川の話からその答えが見えてきました。

 

お客様の夢や理想について、実現が難しいものがあれば共に全力で方法を模索し、時にははっきりNoと伝える。開業後にもお付き合いが続くお客様がいらっしゃるというのは、こういった真摯な姿勢で向き合っているからではないでしょうか。

 

ひとりで考えるには頭を抱えてしまうような数値的な分析はもちろん、多くのサロン様の開業を見届けてきた経験からくる感覚的なアドバイスもとても参考になるものだと思います。もちろん鴨川以外のコンシェルジュも多くの開業を手掛けてきた精鋭揃いです!

 

「サロンコンシェルジュ」とは、開業をきっかけとしたお客様の経営者人生をサポートする、相棒のような存在。私も開業相談に乗っていただきたくなりました……(※予定はありません)。

 

ビューティーガレージでは、開業無料相談はもちろん、特別講師などをお迎えして開催している開業セミナーもあり、独立・開業を検討されている人には必ずためになる情報が満載です! 少しでも気になるという方は、ぜひ足を運んでみてください。

 

開業セミナーの日程はこちらから!

 

【鴨川努/コンシェルジュ室室長】

飲食店の店舗開発などを経て、2008年ビューティガレージ入社。千葉の支店長を経て2015年よりコンシェルジュ室室長に。美容室の開業・経営支援を行っている。店舗リースやファイナンシャルサポートなどを手掛ける(株)BGパートナーズの取締役を兼任。

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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