物件はここを見よう! 美容室開業のための物件調査レポート

公開日:2018/09/25  更新日:2019/05/31
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美容室 開業

美容室開業の肝は、物件です。しかし、物件選びが重要というのはわかっていても、実際にどうやって選べばよいのか悩まれる方も多いと思います。

 

今回、ビューティガレージで開業サポートを受けているお客さまが、よさそうな物件を見つけたということで、物件調査に行ってまいりました。

 

実際の物件調査の流れやチェックポイントを見ていきながら、物件選びで大切なことを学んでいきましょう。

 

【チェックポイント①】設備の確認

美容室の開業に適した物件というのは、電気・ガス・水道の条件が整っていることが大前提です。

 

美容室として営業したときに支障がないように、設備面を最初にチェックしていきます。

 

まずは電気。ひとことに電気といっても、一般家庭で使われるものと違い、電気の種類によって「電灯」と「動力」があります。詳しい説明は省きますが、美容室では「動力」はエアコンに、「電灯」はそれ以外に使用します。

 

ドライヤーは「電灯」を使います。1台およそ15A(アンペア)くらい使うことになります。

 

分電盤

今回調査した物件の電灯は50Aだったので、4台同時にドライヤーを使用すればブレーカーが落ちます。

 

お客さまはスタイリスト2人のサロンを想定していますので足りそうです。

 

もう一方の「動力」は、エアコンに使用されます。

 

美容室のエアコン 

今回の物件ではエアコンが完備されていましたが、少し古そうです。5年以上経っている場合は途中で壊れる可能性もあるため、できるだけ取り換えましょう。

 

古いエアコンを撤去するのは、大家さんの場合もありますし、サロン側の場合もありますので、設備についてはどちら側が負担するかを確認する必要があります。

 

プロパンガス
続いてガス。こちらはプロパンガスでした。ガス代が都市ガスよりもかかりますが、小規模サロンであれば経営に大きな影響は及ぼしません。

 

プロパンガスが設置できない場合には、電気温水器が必要になります。電気温水器を使用すれば、当然電気量を見直さなければなりません。

 

水道管

水道の量水器ボックスです。水道は、水量効率を決める引込水道管口径をチェックします。今回の口径は13mmでした。

 

理想は20mm以上ですが、シャンプー台の数や立地によって判断しなければなりません。シャンプー1台であれば13mmで問題ない場合もあります。

 

今回この物件と口径を見て、デザイナーは“厳しい”と判断しました。シャンプー台は1台ですが、設置場所が3階のため水圧が心配ということでした。

 

対策として、ボイラーで貯水する方法があります。この物件をどうしても使いたいという場合には、ボイラーの場所の確保が必要になりそうです。

 

【チェックポイント②】理想のサロンを作りやすいハコか

タフデザインプロダクト・山﨑のインタビューにもありましたが、物件の状態もかなり大事です。今回は事務所型の物件。天井が低く、窓の多いハコです。

 

内装工事

天井を取ったらどのくらい高くなるのか、というのも測っておかないと、イメージ通りのサロンができなくなるかもしれません。

 

デザイナーがお客さまの目指すサロンのイメージを共有できていると、打ち合わせもスムーズです。

 

このハコの状態で「できること」「できないこと」「できるけど費用がかかること」など、デザイナーが丁寧に説明します。物件を探す前に、一度相談に来ていただくのがよいと思います。

 

【チェックポイント③】周囲の環境

物件だけでなく、周囲に何があるかを調べるのも重要です。今回の物件は、駅から徒歩5分の立地でアクセスに恵まれた場所。

 

駅から物件までの道中に美容室が3件程度あり、隣のビルの1階にも美容室がありました。単価や客層なども、外から確認できる範囲でチェックします。

 

実際に融資の面接では、エリアの単価やサロンの数について質問されることもあります。ざっくりでもよいので調べておきましょう。

 

今回の物件には同じビルに、地元では有名という小さな飲食店が入っていました。

 

さらにコンビニが1件、真向かいにありました。周囲はマンションが多く、レストランやスーパーなど人が集まるところは駅まで行かないとなさそうな環境でした。

 

「騒がしいところが苦手な人が、周囲に気を使わずに通える美容室」を目指しているオーナーのターゲットには合っているでしょう。

 

一方で、車の往来は多く、袖看板を出すと目立ちそうな気がしました。車での来店を見込む場合には駐車場があるかも大事なポイントです。

 

まとめ

物件調査の後、デザイナーは平面図と見積もりを作成します。コンシェルジュ室では、この物件で開業した場合どうやったら利益が出るのか、などをお客さまと一緒に考えていきます。

 

最終的に物件を決めるのはサロンオーナーさまです。正しい決断をするためには、専門的な知識と経験を持つ内装業者による物件調査は不可欠です。

 

物件選びでお困りの方は、ぜひタフデザインへお問い合わせください。また、事業計画書の作成や資金調達に関してお悩みの方は、開業無料相談にお越しください。

 

 

●文/コンシェルジュ室:安斎

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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