信用情報ゼロ!? 自己資金&事業計画が完璧でも融資が否決される理由
美容室を開業する際の、オーナーの悩み第一位は“資金調達”です。平均的な美容室を1件作るためには、運転資金も合わせると多くの場合1,000万円以上かかります。
これだけの金額を全額自己資金だけで開業する方はほとんどいません。銀行や日本政策金融公庫など金融機関からの融資を利用する方がほとんどです。
この、開業の際に必須とも言える融資で金融機関が見るポイントは、ズバリ以下の3つです。
この3つを抑えれば融資は怖くありません! 本日はこの3つのうち、“信用情報”についてお話ししていきます!
※“自己資金”についてはこちらの記事をどうぞ。
※“事業計画”についてはこちらの記事をどうぞ。
信用情報とは?
そもそも“信用情報”とはいったいなんでしょうか?
信用情報とは、クレジットやローンなどの信用取引に関する契約内容や返済・支払状況・利用残高などの客観的取引事実を表す情報です。
これはいわゆる「ブラックリスト」と呼ばれているものです。
金融機関で融資を申し込んだ場合には、この信用情報が融資の判断材料のひとつになるのは確実です。なぜなら、日本政策金融公庫に借り入れする際に記入する申込書の裏面にしっかりと
「信用情報機関を利用して判断します」
と書いてあるからです。
3つの信用情報機関
日本政策金融公庫の借入申込書裏面に記載されている3つの情報機関は、それぞれ専門としている情報があります。
①『株式会社 シー・アイ・シー』
略称:「CIC」
専門:クレジット系の信用情報
②『株式会社 日本信用情報機構』
略称:「JICC」
専門:消費者金融系の信用情報
③『全国銀行個人信用情報センター』
略称:「全銀協」「JBA」「KSC」
専門:銀行系の信用情報
金融機関はこの3つの信用情報機関の記録を見て、“借りたお金を返すという責任感を持った人かどうか”を見るのです。よって、「○○銀行では信用情報でNGだったから別の銀行にしよう」と思っても無駄なのです。
さらに、この3つの機関は『CRIN』というネットワークで繋がっています。
CRIN(Credit Information Network)とは、当社および全国銀行個人信用情報センター、(株)日本信用情報機構の三機関が運営する信用情報交流ネットワークです。
それぞれの信用情報機関が保有する信用情報のうち、延滞に関する情報および各信用情報機関にご本人が申告した本人確認書類の紛失盗難に関する情報などを交流しています。CRIN | CICより引用
1つの情報機関にマイナスな情報(「事故情報」や「異動情報」といいます)が無かったとしても、3つの情報機関に開示請求することをおすすめします。
信用情報の本人請求方法と費用
あまり知られていませんが、この信用情報は本人であれば見ることができるんです! 費用は1機関1,000円ほど。
自分がブラックリストに載っているかどうか心配な方は、一度情報開示請求することをおすすめします。
開示して載っていなければ安心できますし、載っていればその事実を踏まえた上で対策を練ることができます。
※CICのHPはこちら
※JICCのHPはこちら
※全銀協のHPはこちら
最近事例として多いのは、携帯電話の支払い遅延です。携帯電話の支払いは通話料の支払いだけではありません。本体は分割(割賦)で購入しているんです。
そのため、携帯電話の支払い遅れ=分割(割賦)支払いの遅れになり、事故情報として載る可能性があります。
ちなみに信用情報の記録はそれぞれ下記のようになっています。
※信用情報を共有する期間が過ぎても、各銀行や信販会社で取引実績を独自の情報として保有している可能性もあります。
信用情報に記録が残っていたら融資は不可能か?
では、信用情報に記録が載っていたら融資は絶対に不可能でしょうか?
答えはNOです。
金融機関の融資は総合的に判断されますので、記録があったとしても諦めるのは早いです。
もし現時点でも滞納しているのであれば、すぐに返済することをおすすめします。記録の程度問題と、他の要素である事業計画や自己資金で挽回できる可能性は十分あります。
さらに、資金調達の方法は融資だけではありません。お客様にベストな資金調達プランをご提案させていただきますので、ぜひ開業無料相談にお越しください。
次回は実際にCICに信用情報開示の手続きを行った際のレポートを掲載予定です。
●文/コンシェルジュ室:鴨川
ビューティガレージ コンシェルジュ室
日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。
15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。
事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。