美容室開業に必要な費用内訳と資金調達について

公開日:2024/01/16  更新日:2024/01/16
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美容室 開業 資金

開業には多くの準備と事業計画が必要ですが、最も重要なのは「開業資金」の計画です。

 

美容室のような店舗ビジネスは、最初にお金をかけてお店を作り、営業しながら利益を出して回収していくモデルです。

 

毎年定期的に資金についての記事を書いていますが、今回も美容室開業に必要な資金の概算と、資金調達の方法について解説します。

 

美容室開業にかかる費用

まずは美容室を開業するにあたってどのような費用がかかってくるか、簡単に説明いたします。

 

物件取得費用

最初の大きな出費は店舗の賃貸料です。賃料は物件の立地や大きさによって異なります。

 

坪単価で見ていくと、人気エリアだと坪20,000円以上します。地方でも駅周辺だと10,000円以上はするのではないでしょうか。

 

以下はあくまで目安として参考にしてください。

 

10坪 100,000円~200,000円
15坪 150,000円~300,000円
20坪 200,000円~400,000円
30坪 300,000円~600,000円

 

物件取得費用は、物件契約に支払う金額です。賃料の他に、保証金(敷金)、礼金、不動産への仲介手数料などが発生します。つまり、家賃の数ヶ月分を先に支払うことになります。

 

内装・設備投資

美容室開業の中で最もお金がかかる項目になります。美容室のコンセプトにもよりますが、内装や設備には1000万円以上を見込む場合もあります。

オシャレなデザイン、高品質な椅子や鏡、シャンプー台など、快適なサービスを提供するための投資が不可欠です。

 

サービスに直結する投資として避けては通れません。

 

またiPadやパソコン、バックルームに置きたい家電製品なども設備投資として入れておきましょう。

 

運転資金

内装・設備の次に大きな費用としては、実は運転資金になります。

 

初期の数ヶ月は売上が安定しない可能性があるため、手元にとっておく現金も重要です。人件費、材料費、広告費など、日々の運営に必要な資金を確保しておく必要があります。

 

広告宣伝費

新規顧客を獲得するためには、広告や宣伝が欠かせません。ウェブ広告、チラシ、看板など、効果的な宣伝方法を選び、予算を計画しましょう。

 

その他の費用

火災保険・賠償保険といった保険関連、営業許可を得るために必要な保健所への支払い、会計ソフトや予約システムの導入費用など、営業に必要な費用は細々とあります。

一つ一つの額は大きくはありませんが、店舗さえ出来ればOKと思わずに、できるだけ項目を洗い出しておくことが重要です。

また、予想外の出費も考慮に入れておくことが大切です。

 

参考記事:『美容室開業に必要な初期費用「設備資金」と「運転資金」の知識まとめ

 

資金調達の方法

開業に必要な経費がわかってきたら、次に資金調達の方法について見ていきましょう。どうやって支払うのかの計画を立てていきます。

 

 自己資金

ここで言う自己資金は、自分でコツコツ貯めたお金だけでなく、親族などから返済不要でもらえるお金も含みます。

 

自己資金での開業は、借入れによるリスクを避けられるメリットがあります。しかし、開業費用の全額を自己資金で賄うのは現実的ではない場合が多いです。

 

まずは自己資金でいくら出せるのかを確定してから不足分を他の資金調達手段で補足していきましょう。

 

銀行による融資

銀行からの融資は一般的な資金調達方法です。事業計画書の準備が必要で、審査には時間がかかることもありますが、比較的低金利での借入れが可能です。

 

特に、開業時に利用する金融機関として日本政策金融公庫があります。100%政府出資の政策系金融機関として、開業者に積極的に融資を行っています。

 

無担保・無保証で借入れができることもメリットです。

 

そのほかに民間の金融機関を利用する場合には、こちらも公的機関の信用保証協会による保証をつけたうえで、開業者への貸し付けを行っています。

 

参考記事:

美容室開業ならココ! 日本政策金融公庫で資金調達する3つのメリット

希望融資額が多い場合にはあり得る!民間金融機関からの借入れ「保証付き融資」についての解説

 

リースやローン(割賦)

次に検討すべきなのは、リースやローン(割賦)になります。

 

融資は金融機関からお金を借りるのに対して、リース・ローンは「金融機関に代わりに買ってもらう」という資金調達になります。

 

器具や内装の一部を分割で支払ったり、設備をリースしたりすることで初期費用を抑えることができます。

 

本来購入すべきものを代わりに買ってもらうわけですから、その分お金が出ていきません。

 

一方で、リース・割賦の手数料は、融資の利息よりも割高になることに注意が必要です。

 

したがって、自己資金と借入れを行ってそれでも資金が不足しそうな時に使うことがおすすめです。

 

参考記事:『資金調達は融資だけじゃない!リースもうまく使って開業を実現しよう。

クラウドファンディング

ビューティガレージでは取り扱ってはおりませんが、近年注目されているのがクラウドファンディングです。

 

特に、地域に根差した美容室を目指す場合、地域コミュニティの支援を受けることができます。

 

しかし、目標金額を達成するにはハードルは決して低くありません。そもそも美容室は地域に根差したビジネスですので幅広く資金を集めることが難しいからです。

コミュニティから資金援助を受ける代わりにサービスでお返しするといったやり方が多いようです。

 

参考記事:『クラウドファンディングで美容室を開業!成功事例を徹底解析

 

開業資金の管理が成功のカギ

資金計画は美容室開業の成功に直結します。予算を厳密に管理し、無駄遣いを避けることが重要です。

 

また、緊急時のための予備資金も確保しておくことをお勧めします。

まとめ

美容室を開業するためには、多額の資金が必要ですが、計画的に準備を進めれば夢を実現することは十分可能です。

 

資金調達の方法を慎重に選び、適切な資金管理を行うことが成功への鍵となります。開業に向けて、しっかりとした計画を立て、一歩ずつ前進していきましょう。

 

資金計画をしっかりと立て、リスクを管理しながら、情熱を持って取り組んでください。

 

開業資金やその調達手段についてのご相談も、お受けしております。ぜひ開業無料相談にお問い合わせください。

 

●文/コンシェルジュ室:安斎

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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