あなたのサロンの価値は? 繁盛店に導くセールスポイントの見つけ方
繁盛店を作るには、他店と差別化できるようなサービスや価値をお客様へ提供する必要があります。
開業前に、まずはお客様に提供するサービスや価値をリストアップし、セールスポイントを明確にしていくことが大切です。
今回はターゲット顧客に響くようなセールスポイントの設定方法をお教えします!
目次
エモーショナル・ベネフィット ~情緒的価値~
エモーショナル・ベネフィットとは、美容室がお客様に提供する『情緒的価値』のことをいいます。
たとえば、来店されたお客様に、どのような「気分」「感覚」「雰囲気」を味わってほしいのか。
気分や感覚は実体のないものですので、お客様はそれらをどのように感じるのか、ターゲットに感情移入しながら作成していく必要があります。
エモーショナル・ベネフィットを高める方法
イメージターゲットとキーワードを絞り込む
情緒的価値には以下のようなものがあげられます。
・癒し、リラックス
・高級感、豪華さ
・気楽
・優越感
・威厳
・爽快感、リフレッシュ
たとえば、キーワードを「癒し」にしたとします。
「癒し」と言うと漠然としていますが、イメージターゲットを設定しておくことにより、「癒し」の内容が限定されてきます。
イメージターゲットを「29歳・女性・未婚・会社員」と設定すると、エモーショナル・ベネフィットは「29歳女性で未婚の会社員にとっての癒し」となります。
主語が限定されることにより、エモーショナル・ベネフィットも特定されていきます。
演出方法を考える
「癒し」というキーワードが決まったら、次はどのようにターゲットへ伝えるか、その方法を考えます。
人は物事を五感で感じ取ると言われますが、情緒的価値を五感に分類していくのもひとつの方法です。
《情緒的価値の演出方法例》
※イメージターゲット:29歳・女性・未婚・会社員
①視覚(空間デザインなど)
・家庭でもない、職場でもない、1人で落ち着ける大人の癒し空間
・天井は高く、席間隔も十分とれた、ゆとりのあるスペース
・天然木を使用したぬくもりのある空間
②聴覚(BGMなど)
・日々の疲れやストレスを解消するようなヒーリングミュージック
・リラクゼーション効果のあるクラシック音楽
③嗅覚(アロマなど)
・シャンプー台などのリラクゼーションスペースには、癒し効果のあるアロマ
・カラーやパーマ等の薬剤の匂いを消すための空気清浄器
④味覚(飲み物サービスなど)
・リラックス効果のあるハーブティ
・お茶菓子には心を和ませる流行りのスイーツ
⑤触覚(家具の質感など)
・内装には、自然を感じるぬくもりある天然木を使用
・長時間座っても疲れないソファ
このような演出で、お客様のエモーショナル・ベネフィットを高めることができます。
ファンクショナル・ベネフィット ~機能的価値~
ファンクショナル・ベネフィットとは、美容室がお客様に提供する『機能的価値』のことをいいます。
美容室で取り扱うサービスや商品にはどのような価値や機能があるのか、ターゲットはそのサービスや商品にどのような価値や機能を求めているのかを考えながら作成していきます。
ファンクショナル・ベネフィットを高める方法
メニューを考える
まずはメニューに対して、ターゲットが求める機能的価値のキーワードを設定します。ターゲットによって、美容室に求める設備は異なります。
イメージターゲットの年齢・性別・職業・生活環境などを調べ、ターゲットが求める設備の参考にしていきましょう。
《キーワード例》
「安心、安全」……シャンプーやカラー剤等、肌に触れるものはできる限り安全で安心できるものを使用してほしい。
「高性能、高機能」……より効果実感を得られる高性能、高機能の最新機器を使用してほしい。
このキーワードをもとに、具体的な提供方法を考えていきます。
《提供方法例》
・シャンプーやトリートメント剤に関しては、オーガニック商品を使用。
・最新のデジタルパーマ機を導入し、仕上がりの満足感とパーマの持続性を高める。
このように、「キーワード設定」→「提供方法設定」という流れでメニューを考えます。
設備を考える
次に設備に対してもキーワードを設定し、ターゲットが求める設備、その設備の機能を考えていきます。
《キーワード例》
「便利、使いやすい」……子どもと一緒に来店したい。
「安心、安全」……高齢者でも安心して利用できるようにしてほしい。
これらをもとに、具体的な提供方法を考えていきます。
《提供方法例》
・小さい子どもを持つ主婦でも気軽に利用できるように、キッズルームを設ける。
・高齢者でも安心して利用できるように、室内はバリアフリーにする。
このように、設備面でも提供方法が設定できます。
まとめ
セールスポイントを考えることによって、他店と差別化できる部分が明確になっていきます。
それだけでなく、ターゲットが求めるものが明確になり、それに合わせて美容器具や商材の選定、店舗デザインを行うことができます。
必ず開業前に、「エモーショナル・ベネフィット」「ファンクショナル・ベネフィット」を考えるようにしましょう。
「なかなか考えがまとまらない……」という方は、『開業無料相談』もぜひご利用ください。
●文/コンシェルジュ室:原田
ビューティガレージ コンシェルジュ室
日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。
15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。
事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。