サロンのお金を意識するための資金繰りシミュレーション【前編】

公開日:2020/06/18  更新日:2020/06/18
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預金残高

コロナウイルス感染拡大に伴う、緊急事態宣言が出されてから、開業者の中にも運転資金を多めに確保しておきたいと思う人が増えてきています。

 

たとえ固定客が見込めていて、安定的に利益が出せる計画を立てているオーナーでさえ、できるだけ多めにお金を借りたいと思っています。

 

サロンが潰れる原因はキャッシュ(現金)の不足です。赤字が続いていても、キャッシュがあれば生き残れます。

 

今回の緊急事態宣言では、休業要請による一時休業やお客さまの予約キャンセルによって、サロンは売上を大きく落としました。

 

コロナの第二波が懸念されている今、開業を考えている人はオープン時から資金繰りを意識した経営をしていくことがとても大事になってきます。

 

ということで、資金繰りシミュレーションについて説明していきます。

 

収支シミュレーションと資金繰りシミュレーションの違い

収支シミュレーションは「サロンがどれだけ儲けることができるか」を予測します。

 

「客数がどのくらいきて、単価はいくらで、経費はこのくらいかかる。だから、利益(売上ー経費)がこのくらい出る」こうした数値は、これまでのオーナーの経験や実績から計算します。利益というのはサロンの成績といえるでしょう。

 

一方、資金繰りシミュレーションは「サロンにどれだけのお金が残るか」に焦点を当てて計算していきます。サロンのお金=預金残高が指標です。毎月、「どれだけお金が入ってきて、どれだけお金が出て行くのか」を考えます。

 

ここで疑問がでてきます。サロンが儲けた分が、サロンのお金になるのだから、同じではないのか?

 

いくつか違いを述べておきます。

 

売上がすべてお金として入ってくるわけではない。

例えば、売上100万円のうちクレジットカードの利用が50万円だったら。売上は100万円だけど、お金は50万円しか増えないことになります。残りの50万円(実際には手数料をひかれて48万円くらいになります)は次月に入ってくることになります。

 

このように、売上として計上しているのに、現金が入ってきていないものを売掛金といいます。

 

資金繰りでは、営業活動以外のお金の出入りも記入する。

たとえば今回の持続化給付金のように、政府から支給されたお金は、売上とは関係なくサロンのお金になります。また借入金の返済や、ローンを組んだときの返済は、経費とは別にサロンから出ていくお金になります。

 

収支計画は、あくまで営業活動の成績であり、資金繰りシミュレーションはキャッシュの増減に焦点をあてます。

 

コロナウイルスの影響による営業のダメージによって、キャッシュがどのくらい減るのかを事前に予測をたてることで、サロンのキャッシュが0になるまえに、給付金やコロナ融資といった財務収入を増やすことができます。

 

資金繰り表の読み方

前提として、資金繰り表はサロン経営をしながら記録しておくのが望ましいです。

 

毎月記録をとることで、1)サロンのお金が増えたのか、減ったのかがわかる2)売上が悪化したとき最悪のケースを想定していつ資金が枯渇するかを予測できる、といったメリットがあります。

 

 

こちらの表は簡単な資金繰り表の一例です。資金繰り表には以下の項目を入れることが大切です。

 

A 月初預金残高:月の初めにサロンが口座に持っている金額です。

 

B 経常収支:実際のサロン業務によって入ってくるお金と出て行くお金を計算します。

 

C 財務収支:サロン業務以外で、入ってくるお金と出て行くお金を計算します。

 

D 預金残高:月末に残った口座の金額です。

 

A+B+C=Dという計算で成り立ちます。この例では、2020年4月の月初預金残高は250万円ありました。経常収支は53万円。財務収支は、借入金の返済分7万円がマイナス。

 

計算すると、250万円+53万円-7万円=296万円。月末預金残高は46万円分増えました。

 

預金残高が減っていき、経常支出(経費)や財務支出(借入れの返済など)が支払えなくなった場合、サロンが潰れます。細かく記録をするのが苦手だという人は、月初と月末の残高だけでも記録しておきましょう。

 

まとめ:サロンのお金を意識しよう。

サロンを潰さないためには、キャッシュを増やすことか肝心です。サロンオーナーは美容師でもあります。美容師は自分のお客さまの数や売上に意識が行きがちです。しかし、サロン経営の視点からすると意識すべきはキャッシュです。

 

キャッシュを増やすには1)営業活動によって利益を出すこと、2)融資や助成金などで資金調達を行うことです。

 

収支シミュレーションは1のみを考えます。しかし、コロナウイルス感染症のように営業活動ができなくなってしまう場合、収支シミュレーションだけではサロンを助けることができません。

 

一方で、資金繰りシミュレーション1と2両面からサロンキャッシュが減らない方法を探ります。

 

開業したら、運転資金として調達したお金を月初預金残高欄にいれて、資金繰り表を作成しましょう。

 

次回は、具体的な資金繰りシミュレーションの方法をお伝えします。

 

●文/コンシェルジュ室:安斎

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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