サービスの提供だけじゃない。事業を回すためにしなければならないサロンオーナーの”管理”という仕事

公開日:2021/04/05  更新日:2021/04/05
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サロンオーナー

「働いていると忙しすぎて一人ひとりのお客さまとの時間が取れない。だから独立して、もっとお客さまと向き合ってサービスを提供したい」

 

開業相談をしているとそんな声を聞くことがあります。しかしサロンオーナーの仕事は、お客さまにサービスを提供するだけではありません。

 

逆に、独立してから忙しくなりすぎて、自分がお客さまに入れなくなるオーナーもいらっしゃいます。お客さまと向き合いたいだけなら、スタイリストとして仕事をするほうがよい場合もあります。

 

オーナーには「サロン全体」にかかわる仕事がたくさんあります。サービスの提供以外には主に4つの管理業務があります。

 

今回はサロンオーナーの仕事について見ていきましょう。

 

顧客の管理 

スタイリストの時は、出社すれば今日の予約状況を確認して、来場したお客さまを対応すればよかったですが、サロンオーナーには、まずお客さまに来てもらうための仕事があります。

 

集客施策

どんな手段でお客さまを呼ぶべきかを考えます。そして、その広告にいくら使うかという予算を決定して、実行します。当然、その広告に対する効果(何人お客さまを呼べたのか)を毎日検証していきます。

 

予約管理

お客さまの予約状況を管理して、スタッフのシフトを考えます。電話での予約、ネット予約など様々な経路から入った予約を管理してバッティングしないように務めます。

 

カルテ管理

来場したお客さま情報を整理します。スタッフに任せるだけでなく、全員に共有できるように、見やすさ、わかりやすさも考えてカルテ入力に関してルールを作る必要があります。

 

リピート施策

新規客に再来店を促すための施策を考えます。施策を行う上で必要な費用を決定し、システムやポイントカードなどを導入します。また、サロン内で決めた施策をスタッフ全員に伝えて徹底する必要もあります。

 

サロンの管理

スタイリスト時にも、サロンの清掃や片付けなどを経験していると思います。しかし、自分のサロンとなると思い入れが全然違うと言います。スタッフ時には気が付かなかった、ドアノブのホコリ、壁の汚れ、洗濯物の匂い、様々なところに敏感になります。

 

サロンの清掃

サロンを清潔に保つために日々清掃を行います。一人で出来ない部分は当然サロンスタッフにもお願いしなければいけません。

 

また床やエアコンなどは定期的に業者さんに依頼してメンテナンスを実施することもあります。

 

洗濯

タオルの洗濯は主に業務終了後に行います。サロン店内に干すのか、乾燥機を使うのかによって時間なども変わってきます。自分の手が回らない場合には、スタッフにもお願いしなければなりません。

 

量が多い場合にはレンタルタオルサービスなども検討します。

 

在庫・仕入れ

商材や材料の欠品を防ぐため、毎日在庫を数えます。欠品の不安から、大量に仕入れてしまうと粗利益に影響します。

 

したがって、在庫コントロールは月間の売上計画や日々の売上を参考にしながら行う必要があります。

 

スタッフの管理

目標の売上や利益を出すためにはスタッフに頼らざるを得ません。したがってスタッフが働きやすい環境を作ることもオーナーの重要な業務です。

 

シフトの作成

土日や祝日のように多くのお客さまが見込める日にはスタッフを投入して、客数が伸びないと予想される日には少なくするなど、売上計画をベースにシフトを考えます。

 

その時には、必ず労働時間などルールにしたがって作成しなければなりません。例えば、毎日6時間のシフトで7連勤などは原則違法です。

 

労働時間・給与の計算

働いたスタッフの労働時間を計算して、残業分を含めて給与を決定します。正確に労働時間を測るためには、タイムカードや勤怠ソフトを導入するなど工夫が必要です。

 

法人化している場合には、社会保険の支払いも不可欠です。

 

スタッフの教育・評価

スタッフの育成には二つの目的があります。一つは戦力化してサロンの売上を伸ばすこと。もう一つはスタッフのキャリアの形成です。

 

サロンの提供する技術や接客を教えることも重要な仕事です。労働時間の範囲内でスケジューリングできるかがポイントです。

 

また、スタッフのやる気や働きがいを維持するには正当な評価をします。客観的で明確な成果目標を設定して、成果に応じて昇給やキャリアアップを提示します。

 

お金の管理

サロンを潰さないためには、利益を出すことと同様に、お金の流れを把握することも欠かせません。「利益は出ているはずなのに、お金が足りない」という状況を防ぐために、お金の管理を徹底しなければなりません。

 

店舗のお金

1日の営業が終わったら、レジ締めを行います。1日の売上とレジ(現金)があっているかをチェックします。釣銭が足りなそうであれば小銭を用意しなければなりません。

 

またクレジットカードや電子マネーでの売上の場合には、売上金が指定日に銀行に振り込まれているのかの確認も重要です。手数料なども把握しておきましょう。

 

経費の記録

売上はすべてサロンのレジを通って入ってきますが、費用は支払い手段が複数あります。

 

例えば、車のガソリン代はオーナーの財布から現金で支払います。一方で、水道光熱費は銀行からの引き落としです。交際費や仕入はクレジットカードで払っています。

 

こうした様々な支払いをしっかりまとめる必要があります。経理記帳は確定申告にも必要なだけでなく、何にお金が使われているのかを把握するためにも欠かせません。

 

資金繰り

サロンのキャッシュが現在いくらあって、いつ売上金が入ってくるのか、いつ、いくらのお金が出ていくのかを管理します。月末に通帳残高を確認することが第一歩です。

 

また、毎月いつ大きなお金が出ていくのかも把握しておくべきです。家賃の支払い、人件費の支払いが同じ日であれば、一気に現金がなくなります。

 

定期的に支払い状況を見直して、支払い時期を分散させたり、クレジットカードを利用したりして、一気に現金が減るという状況を回避しましょう。

 

帳簿上の売上や経費とは別に、その日にお金がいくら出ていくかを注意深く見ていくことが不可欠なのです。

 

オーナーの仕事は事業を回すこと

オーナーの仕事はここに書いたことがすべてではありません。

 

突発的な対応を余儀なくされることもあります。また売上が伸びない場合には、マーケティング調査をしなければならない場合だってあります。資金繰りが厳しくなれば、銀行からの借入れなども仕事になります。

 

最初は、営業時間外にこうした仕事を行うことになります。しかし、だんだん忙しくなると、一人ですべてを管理することが難しくなってきます。

 

そこで税理士や社労士と顧問契約を結んだり、経理という職種の人を雇ったりするという選択もでてきます。

 

オーナーはお客さまだけを考えて働くことができません。そこがスタイリストと経営者の大きな違いです。

 

特に冒頭でお伝えした「お客さまとの時間」を大切にしている開業者は、この事実を理解したうえで独立しないと、オープン後きつくなってくるでしょう。

 

●文/コンシェルジュ室:安斎

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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