【美容室開業のリアル】2020年度の開業者の自己資金と借入金

公開日:2021/04/28  更新日:2021/04/28
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美容室開業

SALONスターターでは定期的に開業サポートを行っているサロンオーナーの自己資金と借入金を集計して発表しています。

 

今回は2020年5月から21年3月までにサポートした開業案件のうち33件を集計しました。昨年は新型コロナウィルスの感染が広まり、現在まで続いています。

 

そのような状況で開業の傾向はどうなっているかを見ていきたいと思います

 

※参照

2018年度の開業者の自己資金と借入金

2019年度の開業者の自己資金と借入金

 

2020年度の開業費用の平均は1137万円

 

上記が、今回集計した結果です。オープンした美容室33件の開業費用平均は1137万円、自己資金は297万円、借入金は840万円でした。

 

開業費用にかかる自己資金の割合(自己資本比率)は26.1%でした。この数字を前回のデータと比較してみましょう。

 

2019年度の開業費用・自己資金・借入金

開業費用:1255万円

自己資金:328万円

借入金:927万円

 

前回の集計データと比較すると、開業費用、自己資金、借入金すべて、昨年度を下回っています。

 

開業費用:去年と比較して118万円低い。

 

自己資金:去年と比較して31万円低い。

 

借入金:去年と比較して87万円低い。

 

資本比率:去年と同等。

 

この結果から、全体的にサロン規模が小さくなったことをがわかります。

 

小規模化による開業費の削減

去年12月に出したレポートで示したように、開業相談でも10坪以下のサロンを希望する人が増えています。今回集計した開業案件も10坪〜12坪くらいの小規模サロンが多かったです。

 

 

サロン規模が小さくなると開業費用を抑えられます。特に以下の項目は削減幅が大きくなります。

 

物件

賃料が安くなれば、物件取得にかかる費用が変わります。15万円の家賃の店舗保証金(6ヶ月)なら90万円のところ、12万円の家賃であれば72万円になります。

 

美容器具

席数、シャンプー台が少なくなる分費用を抑えられる。特にシャンプー台が1台少ないだけで、30万円〜80万円ほど変わってきます。

 

内装費

特に、シャンプー台を1台にすることで、水道・ガスのキャパシティに余裕が出ます。そうすると2台だったらボイラーが必要だった物件でも、導入しなくて済むため、80万円〜100万円ほどコストを抑えることも可能です。

 

運転資金

一人サロンであれば人件費という固定費を気にする必要がなくなります。その分、多めに借入をして現金を増やさなくても、自己資金の範囲内でやっていけます。

 

小規模・一人サロンの注意点

できるだけ小さい規模でスタートする傾向が顕著になっています。

 

借入金を少なくしてリスクを抑えようという動きは、やはりコロナ禍での先行きの読めない状況が影響しているように感じます。

 

しかし一方で一人サロンの開業で気をつけなければいけない点もあります。

 

利益額と手に残る金額に注意すること

一人サロンでは売上の上限が決まっています。一人のスタイリストがこなせる客数は決まってくるためです。したがって、想定売上に対してどれだけの利益が出せるかを強く意識する必要があります。

 

もう一つはサロンの利益がすべて自分の収入にはならないことです。得られた利益から、借入の返済、国民保険料の支払いなどを行います。手元に残る金額は利益額よりもずっと少なくなることを想定すべきです。

 

一人サロンで60万円ほどの利益を出したとしても、借入の返済、社会保険の支払いをすれば40万円も残らない可能性があります。

 

現在のサロンで得られている収入と比較して、あまり変わらなかったという人もいます。

 

機会ロスに注意すること

一人サロンは予約が限られます。同日同時間に複数の予約を取れません。特に土日祝日に指名客が集中するサロンは1ヶ月に取れる指名客の数が少なくなります。

 

いくら開業時に指名客がたくさんいたとしても、予約が取れなければ失客のリスクが増えます。また、ホットペッパーなど予約サイトでも、ほとんど席が埋まっているサロンには新規客が入れません。

 

一人サロン、小規模とはいえ美容室という事業を行っている以上、サロンの成長=売上、利益の増加を意識して計画を立てなければいけません。

 

まとめ:「小さく始める」傾向は今後も続く

開業サロンの小規模化は顕著になっていますが、全員が「ずっと小さいままでよい」と思っているわけではないようです。事業展開を見据えて早く安定するために固定費を抑える、という戦略を取るオーナーもいます。

 

特に新型コロナウイルスの状況が落ち着くまでは、小さく始めて、生活できるだけの利益を確保することを優先して考えているようです。

 

安定した基盤を作っておいて、状況が好転したら店舗展開や人員の補充などを見据えています。

 

ワクチン接種が進んでいないことや、変異株があらわれたことを鑑みれば、新型コロナウイルスの影響は今年も続きそうです。

 

したがって、美容室開業においては「できるだけ小さく費用を抑えてスタート」する傾向がしばらく続くと思います。

 

●文/コンシェルジュ室:安斎

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ビューティガレージ コンシェルジュ室

日本最大級のプロ向け美容商材のオンラインショップ&ショールームを運営する株式会社ビューティガレージで、サロンの開業・経営支援のコンサルタント業務を担当。

15年以上のサポート実績と、数多くの開業事例、データに基づいた分析で、年間600件以上の開業に携わっています。

事業計画書の作成からお店のオープンまで、サロンオーナーと二人三脚で開業準備を行う「開業プロデュース」が好評。成功サロンを多数輩出しています。

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